【No.1256】肺疲労の子ども達

新刊『ポストコロナの発達援助論』を読んでくださった方から、こんなメールをいただきました。
「書いてあった食事と首の話を早速実践したら、良い変化がありました」と。
こういったお便りは嬉しいですね。
もちろん、因果関係は不明ですし、たまたま変わるタイミングだったとも考えられますが、日々の子育てのアイディアの一つととして採り入れていただき、しかもポジティブな変化があったことは、そのご家族、お子さんにとっては幸せな出来事なのですから。


昨日は8歳以下の子ども達の影響についてお話ししましたが、8歳以降と言いますか、小学生以上の子ども達への影響についても情報共有していきたいと思います。
なぜ、小学生以上かと言いますと、小学生が教師、大人の言ったことに対して一番従順な年代だからです。
中学生くらいになると、登下校、自転車に乗っているときなども、マスクを外している姿を見かけますが、小学生は常につけています。
たまにマスクをつけていない小学生を見かけると、うちの子だったりします(笑)
それくらいみんな外さないし、外すことが赤信号で渡るくらい重く考えている感じです。


小学生は7時50分ごろ、家を出て、15時半くらいに帰ってきます。
これだけでも7~8時間くらいマスクをつけ続けているわけで、そこから習い事や遊びに行ったらさらに1~2時間プラス。
児童デイに通っている子だったら、長い子で18時頃までつけ続けています。
これだと起きている時間の半分以上、マスクをつけていることになりますね。
となると、一番の問題は肺の疲労になります。
数値的には人体に影響がある酸素量の低下は見られませんが、肺に負荷がかかり、少しずつ疲労が蓄積していると考えられます。


この2年間、小学生の子の相談を受けていると、どうも過敏な子と排泄面、特にうんちのほうに課題を持った子が増えたような気がします。
過敏な子が増えたのは、「呼吸が浅くなった影響かな」と思っていたのですが、調べていくと肺の状態、動きと皮膚&体毛は関連があるようで、肺の疲労→皮膚&体毛の状態悪化→外刺激への抵抗力低下→防御反応としての過敏さ、という感じです。
あと嗅覚に課題を持っている子も増えた感じがします。
排便に関しても、肺と大腸の動きはそれぞれが密接に関わっているということでしたので、肺疲労がうんちを押しだす力の低下となり、便秘やスッキリ出しきらない感じ、それが精神面でイライラとなって表れているのかもしれませんね。


肺は全身の機能と関わっていますので、肺が疲労すると、全身の動きが鈍くなるような気もします。
そう考えると、マスク姿の幼児さんはあまり動きまわっていませんよね。
小学生も、自粛ゆえに遊びや運動の機会が減ったことが体力、運動機能の低下として報告されていますが、肺疲労→全身の疲労→動きたくない→動きが減る→体力の低下という流れになっているとも考えられます。
以前は登下校の際、キャッキャと言って走り回り、追いかけっこしている子ども達をよく見かけましたが、今の登下校はみんな下を向いて静かですね。
下校時なんて、学校が終わった解放感から、子ども達はテンション高く動きまわっていたのに、21時台の山手線のサラリーマンみたいな感じで疲れ切っているように見えます。
こんな何もない北海道の子ども達がそうなのですから、都会の子ども達はさぞかしお疲れのことかと思います。


人間はいつから数値でしか人を見ることができなくなったのでしょうかね。
コロナ騒動では、自宅療養の人がパルスオキシメーターを使い、自分の血液中のヘモグロビンがどのくらい酸素を運んでいるかを確認していました。
もちろん、高齢者で感覚が鈍くなっている方には補助的な役割として必要な道具なのかもしれませんが、それ以外の人は苦しかったら苦しくて、そうではなかったら大丈夫なのではないでしょうか。
医師も、本人が苦しいと訴えても、「まだ90%を切っていないから大丈夫」などと人ではなく、数値で人を見ている感じが。
「長時間のマスクは息苦しい感じがする」という訴えに対しても同様に、「正常値の95%以上だから問題ないでしょ」となるわけです。


肺が疲労しているかどうか、長時間のマスクによって呼吸に負荷がかかることの心身への影響については、画像診断も、数値化もできないのかもしれません。
しかしここは西洋医学の弱点であり、現在医療の限界のように感じます。
見えないもの、数値化されないもの、標準化されていないものは、ない。
それゆえに、ないものを訴える人は、精神の問題にされてしまうんですね。


私の相談者、関わる子ども達の間だけの狭い話にはなりますが、このような症状をもつ子が多いのは事実であり、実際、マスクが苦しいと訴えている子ども達もいます。
でも、本当に怖いのは、まだ明確に訴える手段がない子、最初は感じていたけれども、それが普通になってしまっている子ですね。
そういったときに、このような事例が大人たちの想像力の源になるはずです。
見えないものを想像する力こそ、子育て、発達援助には必要なものであり、その力を一番強く持っているのが親御さん達だと思います。
本来、親御さんが強く持っている想像力を「数値化できないから」といって否定してきたのが医師であり、専門家。


その子の内側になる不快感が解消され、充実した毎日が送られること。
そしてその子が求めている刺激、発達に向かって伸びやかに進んでいけること。
それこそがより良い成長と発達に繋がるのではないかと思っています。
ですから、専門家に奪われた主導権を、家庭がもう一度手にすると、子ども達はよりよく変わっていけるものですね。
見えないものを感じ合えるのは、親子という関係性だからこそ。
そういった親御さんの見えないものに対する感覚、根拠のない自信を言葉で説明し後押しするのが私の仕事の一つだと考えています。




【新刊『ポストコロナの発達援助論』発売のお知らせ】
北海道から沖縄まで、全国の書店に並びました。店頭でのご購入もよろしくお願い致します。
出版元である花風社さんからのご購入はこちら→https://kafusha.com/products/detail/56
Amazonでも購入できます。

前著『医者が教えてくれない発達障害の治り方①親心に自信を持とう!』もどうぞよろしくお願い致します(花風社さんのHPからご購入いただけます)。全国の書店でも購入できます!ご購入して頂いた皆さまのおかげで二刷ですm(__)m


コメント

このブログの人気の投稿

【No.1358】体軸が育つ前の子と、育った後の子

【No.1364】『療育整体』を読んで

【No.1370】それを対症療法にするか、根本療法にするかは、受け手側の問題