【No.1255】医療を待っていても、子どもの発達は待ってはくれない

新型コロナの後遺症は認められるのに、ワクチン後遺症はダメというのは困ったものです。
言い分としては、一個人の医師が勝手に『ワクチン後遺症』などの診断をするな、ということなのでしょうが、たぶん、その基準は医学会をあげて作る予定も、作るはずもないですよね。
もし作ってしまったら、責任と補償の話になりますので。
ワクチンメーカーの免責は契約書に書かれているようですし、責任の所在である国としても認めたくないし、認めざるを得ない状況になっても、かなり狭い範囲での認定になるはずです。
既にワクチン接種後にお亡くなりになっている方がいるわけで、過去に戻って詳細な検視をすることも、そして何よりも万が一認められたとしても命は戻ってこないのです。


公的な診断基準がないのは当然なことで、こういった問題の気づきはやはり現場レベルで起きるのだと思います。
そもそも交通事故でも、自殺でも、PCRが陽性になったら『コロナ死』になるのは、データを集めて傾向を見るためでしたよね。
陽性者の死因の中で自殺が有意に頻繁に起きているのなら、そこから自殺と新型コロナの関連性、もしかしたら脳の特定の部位に影響があるのかも、といって研究が進められていくわけです。
治験中のワクチンですから、当然といえば当然です。


異変に気がつくのは本人、家族が最初で、次は現場で接している人達だといえます。
個人的なエピソードから始まり、そういったケースが積み重なっていくと、研究が行われる。
その過程の中で、個人と向き合う医師や支援者が「どうにかしたい」と懸命に治療していくと、「もしかしたら有効かも」といえる治療法が見つかる。
そして最後に治療法とセットで診断基準ができるのだと思います。
治療法や改善法のない診断は、そもそも必要がないんですね。


「マスクで発達に影響があるのなら、高地に住んでいる人達、民族はみんな発達障害になるのか」という意見もあります。
たぶん、そういった意見もあることと思い、調べておいたのですが、そういった人々は長年その土地に住むことで高地で空気が薄い環境に適した人が、遺伝子が淘汰されているため、影響が出ないということでした。
南米は標高が2000m以上のところで生活している人達が多くいて、そういった人達は百年、千年単位で人間自体が変化してきたわけです。
日本人がそういった場所に行くと、すぐに体調を崩してしまいますね。


日本の多くの子ども達は、高地に適した遺伝子を持っているわけではないと思います。
そうなると、マスクによって息苦しくなることが心身に影響が出る子がいても当然でしょう。
もちろん、マスクをつけた子=発達障害になる、なんてことはないでしょうが、それがリスクになる子もいるはずです。
というか、私のところに来る相談の中でも、そういった子が増えています。
私は研究者ではなく、いち支援者、実践家ではありますが、だからこそ、子ども達の変化に気づきやすいのだといえます。


胎児、子どもにとって「鉄とタンパク質」が重要なのは、その欠乏が赤血球を減らし、結果的に酸素不足を招くからです。
ですから、栄養療法で改善する発達障害の子は、マスクの影響が出やすいと考えられます。
知ってか知らずか、数年前から栄養療法がブームになってのは、このためだったかもしれないと思うくらいです。
コロナ以前から栄養療法に取り組まれてきたご家庭、それによって改善したご家庭は、マスクの影響をストレートに受けずに済んだのだと思います。
一方で、栄養面に課題があって、このたびのマスクが重なった子の発達の停滞が強く出ているように現場感覚としては感じています。


神経系の発達は8歳までが重要なのは、すでに広く知られていることです。
ですから、この8歳がマスクの影響の境目、つまり、8歳以下の子ども達への影響は9歳以上の子ども達と比較して強く出ていると思います。
その中でも0歳から2歳なのか、3歳から5歳なのか、6歳から8歳なのか、どこでマスクを着用していたかで神経発達のスピードへの影響は異なるでしょうし、年齢によって中心に育つ感覚系、運動系が異なったりもしますので、周囲の大人のマスク姿(顔や口がよく見えない)、他人と触れ合う機会の制限が発達のヌケになって表れると考えられます。
実際、見て学習する時期の2歳以下の子ども達は、目の動きが違いますね。
あと、やっぱり口の課題が出ています。
もちろん、言葉の遅れも。
『ポストコロナの発達援助論』でも、「こういった遅れが出るのでは」「ちらほらみられています」という感じで書きましたが、その傾向は顕著になるばかりで、外れてほしい予想が外れなそうです。


この前も0歳代の子の相談がありました。
そもそも周りにいる人の口が見えてない、親以外の人との交流が乏しい環境の中で育っていますので、それが「遅れ」といえるのか、そういった異質な環境の中にある意味、"順調に"適応して発達しているのか、わかりませんよね。


今回のワクチン後に続く不調、障害に対して、多くの医師が「気のせいだ」「精神科を受診しては」と言っているという話があります。
診断基準のない病名はないという前提なのですから、原因が本人の内側に持っていかれてしまう。
マスクの弊害だって、診断基準はできないでしょうから、いつまで経っても、気のせいか、私のような支援者はトンデモ扱いになると思います。
でも、目の前にそれで困っている子ども達がいるのなら、その子の本来の発達を取り戻すため、頑張っていきます。
そして現場感覚という強みを活かし、より早く、必要な方たちへ情報と援助の仕方をお伝えしていきたいと思います。
医療を待っていても、子どもの発達は待ってはくれませんので。




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