【No.1038】言葉の発達とリズム遊び
「発語のあるなし」と、言語理解はイコールではありませんし、当然、その子の認知を表すものではありません。 しかし、診断や知能検査において、「発語のあるなし」は、その見え方に大きな影響を及ぼすのも事実です。 診断者の立場を想像すると、発語のない子を軽いとは診断しづらいといえます。 何故なら、そこに根拠が求められるから。 何度も言うように、現在の診断も、知能検査も、その子の部分を人為的に切り取っているだけです。 ですから、発語のない子に重い診断が下されることに対して、「どうして"重い"という結果なんだ」という指摘には答えやすい。 だって、「発語がないでしょ」「遅れているでしょ」と。 それは、ある意味、客観的な側面を持ちます。 一方で、発語がないんだけれども、実際は言葉の理解もあるし、認知も同年齢と同じように育っている子に対して、言葉では「重度ではないよね」「検査結果上は重度の範囲に入るけれども、実際は結構分かっているよね」とはいえても、数値上は、それを表すことはできないし、その根拠も示しずらい。 となると、紙面上は、行政へ提出する書類には、重度に偏りがちになりますし、受け取った行政、学校等は、医師から「重度」となっているものを、自分の判断で覆すのは難しく、また大部分の人は、「はい、そうですか」と紙面を見て、判断し、振り分けていきます。 いろんな不備や理由が絡み合い、現在のシステム上、「言葉のあるなし」は、その子から切り離され、独り歩きし、それが様々な判断、またいろんな人のバイアスとなるのです。 当然、言葉のない子は、重度の子として支援、教育されていきます。 ですから、ここ1、2年、私はどうしたら発語が促せるのか、何が発語の発達につながるのか、をテーマに勉強し、自分なりの答えを見つけようとしています。 以前のブログにも書きましたが、発語、音声言語はヒトの進化の過程で獲得したものであり、その原型は、リズムでした。 まだ明確な発語を持たなかったご先祖様たちは、リズムやダンス、踊りによって、他者と共感しあい、コミュニケーションをとっていたと言われています。 また、赤ちゃんの発達研究では、リズムにより反応する子、もう少し大きくなってから(1、2歳)ダンスのようなリズム遊び、運動をする子は、発語の発達が良いという結果も