【No.1068】凸凹がある子?全体的な遅れがある子?
親御さんにとっては、告げられた我が子の『診断名』が重くて、大きく感じられるのだと思いますが、私達支援者は、その診断名によって助言や援助の仕方が変わったり、変えたりするわけではないので、ほとんど気にしないものです。 診断名とは、行政用語みたいなものですから、子育て・教育と同様に、結局は一人ひとりを見て、オーダーメイドで作り上げていかなければなりません。 「自閉症だから、こう」「LDだから、これ」みたいな支援は、20年前のお話です。 「発達障害」という言葉には、大きく分けて2種類の意味があると思います。 発達が"凸凹"しているという意味と、発達が"遅れ"ているという意味です。 ここが支援を創造していく上で最初のポイントになります。 単に「発達障害」というだけでは、凸凹があるのか、全体的な遅れなのかがわかりません。 凸凹がある子の場合、凹んだ部分に注目されがちですが、凸の部分が重要です。 この凸の部分を確認することで、刺激・発達の極端な偏りなのか、または発達のヌケ、やり残しなのかがわかるからです。 具体的に言えば、凸が同年齢の子以上の発達段階とレベルにあれば、刺激の偏り、脳の使い方の偏り(右脳ばかり使っている、左脳ばかり使っている)だと推測できます。 そうではなく、凸が同年齢の子と同じような発達の範囲にあれば、胎児期から2歳前後の発達にやり残しがあるよねと考えられます。 一方で全体的な発達の遅れがある子の場合は、その子の資質的な理由から発達がゆっくりであるということと、何らかのストッパーがあるために発達していけないということが考えられます。 遺伝的な要因や出生前後のトラブルなど、どう頑張っても、発達がゆっくりであるという子がいるのも事実だといえます。 そのようなお子さんの場合には、長期的な視点をもって、「とにかく小学校4年生の学力を」「とにかく自立した生活を」という具合に、コツコツ積み上げていくイメージが良いと感じます。 大事なのは、ゆっくりなペースを速めるのではなく、ゆっくりでも歩き続けるような後押しだと思います。 ただ、発達障害と言われるお子さんは、何らかのストッパーによって、うまく発達が進んでいかない場