『発達障害でも働けますか?』を読んで
就職に関する相談では、ほとんどの方が「発達障害、アスペでも働けますか?」「コミュニケーションが苦手なんですけど、働けますか?」というようなことをおっしゃいます。 中には「まだ一回も働いたことがないのですが、働けますか?」という相談もあります。 さらに、こういった言動は、本人からだけではなく、一緒に相談に来られた親御さんからも聞かれるのです。 こういった発言が、本人、親御さんから多くあるというのは、それだけ否定されることが多かったのだと想像します。 「発達障害があれば、一般就労は無理」 「自閉症は、コミュニケーション力が求められる仕事はできない」 「一般就労で無理すると、二次障害になる」 「働くことだけが人生じゃない」 社会に出ようとすると、急に“ないない”だらけの支援になる。 学校を卒業するまでの間は、本人ができるように、本人が失敗しないように、支援という名の接待のもとで、やれること、やりたいことをやり、一方でやれないこと、やりたくないことは「やらなくていい」と言われたり、やる機会さえ貰えなかったりした。 ですから、一般の人が就職活動する以上に、仕事、働くこと、社会が怖く見えてしまう。 経験、体験していないことを想像するのが苦手。 そのため、どうしても近しい人の情報をそのまま受け取り、偏ったイメージを持ちやすい。 だからこそ、「発達障害でも働けますか?」というような相談を受けると、近しい人から「発達障害を持つ人は働くのが難しい」と言われたのだと思います。 支援ミーティングなどに参加すると、学校の先生や相談員、カウンセラーなどの人達から、「その仕事は難しい」「一般就労は無理だろう」などという発言が聞かれます。 本人が一般就労を希望しているのに、採用試験すら受けさせるのを止めさせようなんてザラです。 一般就労できるかどうか、は先生や医師、支援者、専門家が決めることではありません。 採用を決めるのは、その企業の人。 こういった専門性を謳った非常識なやり取りが、今日もどこかでなされているのでしょう。 支援者の中には、福祉的就労に持っていくことで評価を得たり、次年度の運営費を得られたりするために、一般就労を阻む人達もいるのは確かです。 でも、ほとんどの支援者、学校の先生たちは、良かれと思って、一般就労を止めているよう