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9月, 2023の投稿を表示しています

【No.1382】祖父母世代、親世代の積み残し

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いつも「治った」「治った」と言っている人は、心の底で「本当は治らないんじゃないか、治ってないのでは」と不安に思っている人です。 壮絶だった時期が尾を引いているかもしれませんし、愛着形成という土台が不安定なため、「治った」という固定された状態に逆の不安感を持っているのかもしれません。 とにかく「治った」を繰り返すことによって自身の頭を洗脳しているのです。 一方で「治らない」「治らない」と繰り返す人もいます。 そのような言動を目にすると、「相当、状態、症状が重いのだろう」と思いがちですが、実際は違っていることが多いのです。 注意深く観察してみましょう。 「治らない」という親御さんに限って、その子は軽度の場合が多いですね。 また「本当に特別支援の世界で生きるほうが良いのだろうか、必要なのだろうか」と首をかしげてしまうケースばかり。 じゃあ、なぜ、「治らない」と繰り返すのか。 それは一言でいえば、「治ってほしくない」のです。 治ってほしくないからこそ、「治らない」「治らない」と呪文を唱えている。 自分の行動、選択次第で治っていくのなら、いま、治らない状態は「行動できていないから」であり、「選択が間違っているから」である。 そこを明白にしないためには、治ってほしくないのです。 「治らない」という言葉によって、自身の至らなさ、現状から行動を変えていけない自分を隠している。 ここまで読んでくださった人の中には、「自分を守るために、子どもの発達や成長を犠牲にするか」と疑問に思うことでしょう。 子を犠牲にしてまでをも、自分を守っている。 いや、守る必要がある人たちなのです。 だって、「守られてる感」を実感できていない人たちだから。 つまり、愛着形成に不全感がある人が「治ってほしくない」人たち。 子が治ると、治らない自分から離れていくようで、さらなる孤立を感じるため、敢えて「治る」と逆の行動、養育をしてしまう人もいるくらいです。 発達に課題がある我が子を見て「治ってほしい」と思うのは自然な親心の発露です。 つまり、その自然な感情が出てこれない、または蓋をしてしまう状態こそ、問題なのです。 多くの発達障害の問題は、子ども側の問題ではなく、親側の問題。 たとえ発達が遅れていたとしても、幸せそうに生活している我が子を、家で生活している分には何の問題も感じられない我が子を、病院に連れていくのは

【No.1381】打倒!治らない系ユーチューバー

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おかげさまで、12月の出張、すべての訪問先が決定しました。 お問い合わせからの検討中のご家族も複数いらっしゃいましたが、今回は移動距離が長いので「締め切り」とします。 やっぱりこういうのはお互い「縁」だから、今このタイミングで必要なご家庭のところに行くようになっているのでしょう。 とんとん拍子で決まることがあれば、その逆でうまく調整ができないこともある。 今回も多くの方に告知の応援をしていただきました。 本当にありがとうございました<m(__)m> 「自分が」ということではないですが、いくら腕があっても、いくら治す知見を持っていたとしても、世の中に知られなければただのおじさん(笑) ですから、腕を磨くこと以上に、情報発信に力を入れてきました。 YouTubeだってその一つで、なんと今回お申込みいただいた方の中に「YouTubeを見て」という人がいたんです。 YouTubeを始めてよかった! ブログ、旧ツイッター、ラジオ、YouTube、講演会や書籍、無料のメール相談など、とにかく知ってもらうために行っています。 特に私は「治る」の方向性なので、治っていくご家庭がどんどん抜けていく。 そして抜けたところに新しいご家族が入ってくるので、入れ替わりが激しいのです。 「てらっこ塾利用の口コミが少ない。見当たらない」というご指摘は以前からありまして、「だって治ったり、家族で治していける力がつけば、もう発達系で発信する必要がなくなるから」という感じです。 それでも時折、連絡をいただくことがあって、「数年前、発達障害という診断を受けたのを忘れちゃうくらい元気に成長しています」という方ばかり。 普通の子の普通の子育てをやっていれば、呟くことやSNSの情報に食い入ることはなくなりますよね。 で、そう考えると、SNSにおける「治る系」はずっと少数派なんですね。 治らないから、ずっとしがみついているわけで、だからずっとSNSには「治らないよ~」という叫びが続いている。 YouTubeだって、私は半年で登録者数224人。 一方で治らない系ユーチューバーは数万人の登録者数。。。 「自分と同じ不幸な人がいるのを見て安心する」というのは、どう考えても不健全。 いや、まずそんな動画を観て慰めようと思うあなたが病気で、治らなければなりませんね状態です。 おススメ動画にあがってくるのを何名

【No.1380】フラクタル構造の視点を取り入れる理由

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講演会の「フラクタル構造の話が面白かった」という感想をいただきました。 確かにあそこは講演会のキモの一つでした(ご興味ある方はまだ配信視聴が可能です!お申込み、冒頭の動画視聴は こちら )。 みなさん、どの講演会に行っても『課題』や『症状』に対してどんなアプローチをするかっていう内容ばかりでしょ。 それじゃあ、部分的には良くなるけど、全体的には良くならない。 だって課題や症状の原因にはアプローチできていないから。 そしてまた問題の全部をその子自身にあるように思っちゃうから。 神経”発達”の問題なので、育つ環境とどんな刺激が身の回りにあるかってとても重要ですね。 アセスメントにおけるフラクタル構造を簡単に言えば、「同じような課題は親御さんの中にもある」という感じでしょうか。 言葉の遅れがある子は、親御さんにも言いたいことがいえない、という課題があったりする。 発達の問題、障害特性と言っても、いろんな症状があるわけで、「どうして言葉の遅れなの?」という疑問に対して、単に「運動発達が抜けたから」では30点くらいの解答になります。 もちろん、言語発達には運動発達が土台であり、重要なんですが、それだけでは一側面から見ただけにすぎません。 ハイハイを抜かす子なんてごまんといるわけで、そんな子がみんながみんな、発達障害にならないし、言葉の発達が遅れるわけじゃない。 言葉に遅れが出た背景、要因が複数あって、そしてたとえそのような条件が整ったとしても、「育たずそのまま遅れている理由」がある。 その背景、要因、理由を多角的に見る視点が「フラクタル構造」の考え方なんですね。 フラクタル構造の話になると、「私(親)の問題も追及される」というように受け止める人もいます。 「過去の過ちを責めるつもりだ」と思う人もいるでしょう。 しかし私はそんな意味で親御さんの問題を確認しているのではありません。 あくまでその子が「治る」ために必要な情報を集め、よりよく育つ環境づくりを目指しているにすぎません。 親御さんの問題は子どもの問題とつながっています。 ですから、たとえば親御さんに食事・栄養の課題があるとわかれば、またその影響を大きく受けたと考えられる場合は、「じゃあ、この子にとって食事や栄養面からのアプローチはとても有効だ」という判断に使います。 そして実際に親御さんにまず試してもらうことで、効果があ

【No.1379】本人から治す・環境から治す・心から治す

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ヒトはそんなにやわにできていないから、1つ問題があったからといって、発達障害になるわけじゃない。 発達に影響を与える要因なんて無限にあるし、それぞれの要因が複雑に絡み合っている。 しかも、そういった要因も、その人との体質、力関係で影響の出方だって変わるのだから、1つの事柄で発達障害を語るのはとても危険だと思いますね。 ですから発達に遅れが出た子の子育て、発達援助では「どれだけ幅広く見ることができるか?」が重要になります。 本を見れば、「発達障害の子の多くに原始反射の残存が見られる」とか、「質的な栄養不足がある」とか、「腸内細菌が」「発達のヌケが」「未発達が」「愛着形成が」と書かれている。 そして我が子を見れば、どれも当てはまるし、どれもやった方が良い気がして、見よう見まねで取り組んでみる。 で、一定の効果が見られ喜ぶのは数か月。 そのあとは目覚ましい変化が見られなくなり、心配だから継続しつつ、別のアプローチも気になりやってみたくなる。 この繰り返しで「結局、なにが効果があったのか」「これ以上の変化は望めないのか」という気持ちになり、ある人は諦め、ある人はさらに別のアプローチがないか深みにはまっていく。 私は今まで多くの「治った家庭」と「治っていかない家庭」を見てきました。 それは障害の重さの違いでしょ、っていう人もいるけれども、本当に障害が重くて治っていけない子はごくわずかで、ほとんどの子ども達はそもそも障害と言えるレベルじゃない子ばかり。 決してよりよい発達を諦めるような子じゃない。 じゃあ、この「治った家庭」と「治っていかない家庭」の違いはなんだろう。 それは「症状のもぐらたたき」の段階に留まっているかどうかの違い。 症状って別の言い方をすれば、目に見える課題。 目に見える課題ってごくわずかで、目に見えて課題がわかるまでには相当な時間と複雑な要因が絡み合って存在している。 だから目で確認できた症状を改善するのも大事だけれども、そこだけにアプローチしてもダメ。 もっと広い視野で複雑な要因と、その課題が生じた根本を観る必要がありますね。 教科書に出てくるのはいつも平均的な、模範的な症状で、我が子のことは書いていない。 時間的な要因でいえば、「胎児期」「0歳から2歳前後」だけではなく、親の代、祖父母の代までが含まれます。 内的な要因でいえば、「内臓」「感覚」「呼吸」「

【ご案内】 12月に福井・関西に行きます!

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今回の出張発達相談の日程がすべて決まりました。募集を終了いたします(2023.9.13) お問い合わせいただいた皆様、どうもありがとうございました。 福井県にお住いのご家族から発達相談の正式なご依頼がありました。 いま、検討している日にちは 12月1日(金)PM伊丹空港へ     2日(土)AM「和歌山」 / PM「京都府」    3日(日)AM「福井県」 / PM 函館空港へ 大阪を拠点に出張相談を行う予定ですので、もし北陸や関西にお住いのご家族で「この機会に発達相談を受けてみたい!」というご家族がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。 【今後の流れ】 SNSで募集(2,3日)→ご希望やお住まいの地域を踏まえ日程調整→訪問スケジュール決定→各ご家庭に日時と料金の連絡→当日を迎える てらっこ塾HPは こちら 発達相談の内容は こちら お問い合わせ・お申し込みは こちら ※他地域にお住まいのご家族の発達相談も随時受け付けております。年内のご希望はお早めにご連絡ください!