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【No.1143】エビデンス足りてます

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一番、科学から遠いのが精神医学であり、発達障害の分野だといえます。 「薬の処方があるじゃないか」と言われそうですが、症状のみに対して処方しているので、そこのどこが科学か、科学的な治療だろうかと思うのです。 だって、治療というのは病因があって初めて行われるもので、その症状がどんな病因からきているかが特定されずに「こんな症状にはこの薬」というのは科学というよりも主観の世界だと感じます。 未だに脳のどこに病因があるか、見つかっていない。 神経発達の問題だろうというのに、その問題の根っこがわからない。 そうだとしたら、原因、病因はわからないけれども、その症状を抑え込むために処方しています、というのが実態ではないでしょうか。 客観的に発達障害、自閉症を診断できる方法はありません。 ということは、診断も主観が入り、対処法にも主観が入る。 ですから、他の科と比べて、科学から遠いと思うのです。 では、発達障害、特別支援の分野に科学は存在するのでしょうか。 誰がどう見ても正しいと判断できるような"答え"が存在するのでしょうか。 結論から言えば、そんなものはありません。 時々、「エビデンスがある」というようなことを述べる療育者がいますが、根拠となる研究内容を見れば動物実験のレベルであったり、あると言われる効果も、純粋な効果か、単純に時間とともにその子が発達成長しただけなのか、よくわからないものばかりです。 効果だって、長期的な効果が見られるモノはほぼなし。 何故なら、子どもの発達、成長は目まぐるしく、しかもそれに繋がる刺激は環境の中に無数あるのです。 そうです、つまり、これは子育ての分野なのです。 偉そうに、なんとか療法、エビデンスのある専門的な、とか言っていますが、一人の子が育つプロセスであり、それぞれの家庭の子育てに違いないのです。 発達に遅れがあるのは、障害ではありません。 発達に遅れがあるままにしておくから、発達の凸凹が大きくなり、脳や能力の凸凹が大きくなり、実生活に支障をきたすのです。 確かに定型発達という指標はありますが、現代社会においてどんどん今までの人類とは育つ環境が異なっていますので、動物らしい標準的な発達から外れる子ども達が増えるのは仕方がないことです。 しかし基本はヒトの育ち、子どもの育ちなので、ヒトの発達に準じて育てていくのが当たり前なのです

【No.1142】18歳で福祉を目指すより、進学を目指したほうが入りやすい

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この地域にも、「親が頑張らなければならない」と叱咤激励する先生がいました。 学校に任せっぱなしではいけない。 将来の福祉はどうなるかわからない。 だから、親が家でできることを行い、ちゃんと基本的な生活習慣などを身に付けさせていかなければならないんだ。 そうやって当たり前のことを当たり前に言う、保護者に対しても忖度しないような先生でした。 もちろん、もうこの地域にはいません。 共感する先生や保護者もいましたが、多くの同僚からは疎まれ、管理職からつるし上げられ、あらゆる支援者たちを敵に回し、結局、自ら職を辞し、この地を去っていったのです。 学生時代から目をかけてもらっていた先生だったので、それを知ったときには残念な気持ちと、「あの先生でもダメだったのか」という想いがしました。 当時(今も?)、多くの先生たちが「将来は施設のお世話になるし」と言っていました。 しかし、もう20年くらい前の親御さん達ではありますが、その当時から「この子達が大人になる頃には、施設利用の枠が残っていないはず」と話題になっていたのです。 だから、自分たちで施設を起ち上げよう、居場所づくりをしようと動いたグループがいましたし、とにかく自分たちでできることをしなきゃ、この子に教えなきゃとする親御さん達もいました。 しかし、実際に何をすれば良いかわからず…。 で学校や相談施設に相談すれども、具体的な答えは返ってこず…。 大部分の親御さん達が「たぶん、うちの子は大丈夫」「今まで通り学校が見つけてくれる」というような姿勢でしたが、そんな家庭と同じように、頑張ろうとした家庭の多くも、卒業後は週に1回でも通所できれば良い状態で、18歳から先の人生を歩んでいるのです。 特別支援教育を受ける子ども達の数が増加し続けているのは、みなさん、ご存じの通り。 しかしこれだけ人数が増加し続けているのに、医療崩壊ならず、学校崩壊になっていないのは、少子化の影響で子どもの数が減っているのが大きいと言えます。 もし子どもの数が増えていて、かつ特別支援教育を受ける子ども達も増え続けていたら、従来通りのシステムでは対応できないはずです。 特に義務教育は「待機」や「利用を断る」というのはできませんので。 新しい支援学校ができたり、支援級が増設されたりしているところもありますが、その多くは少子化によって統廃合して空いた学校を支援学校にした

【No.1141】科学的によりも、人為的に造られてきた世界

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自閉症や発達障害が「治らない」という根拠は、それが「生まれつきの障害だから」ということになっています。 しかし「生まれつきの障害」と言ってはいるものの、出生時に診断される赤ちゃんはいないわけです。 これだけ長い年月、「生まれつき」と言っているのですから、誰か一人でも、出産に立ち会い、その新生児の脳を調べてみればよいのに、と思いますが。 「生まれつき」というのに、生まれたときに診断された人がいない。 じゃあ、「生まれつき」ってなんなのでしょうか。 結局、「生まれつき」に科学的な根拠はありません。 だって、誰も確かめた人、確認した人、証明した人がいないのですから。 ということは、この「生まれつき」は、「たぶん、生まれつきだろう」という専門家の意見です。 「脳の機能障害」という仮説が出てから、世界中の専門家がその原因を脳に確認しようと、長年研究してきました。 しかし莫大なお金と時間をかけても、その根拠が出てこなかったのです。 それを受けて、2013年、DSM-5では「脳の機能障害」ではなく、「神経発達症」という捉え方になりました。 もちろん、この「神経発達症」も仮説であり、現在、その原因と根拠を探っている最中です。 このような歴史と事実があるのにも関わらず、「生まれつき」という意見に固執する人達というのは、それがその人たちにとって都合の良い言葉だからだといえます。 もともとは「冷蔵庫マザー」の時代があり、私が学生時代も、「しつけがなっていない」「子を自由にさせているからだ」と親族や他人に言われた、と話してくれた親御さん達がいました。 つい20年くらい前までは、しつけ、特に親の問題という時代があったのです。 まあ、どっちにしろ、しつけや訓練、指導では発達のヌケは埋まりませんので、一応、「生まれつき」という言葉は、親御さん達を守るためには必要だったといえます。 しかし過ちはここからです。 当時の専門家たちが「生まれつき」という個人的な意見を述べることは問題なかったと思いますが、その「生まれつき」を検証することなく、仕組み、制度づくりがなされてしまったのです。 もちろん、生まれつきを検証するために、脳の研究をしているグループもいましたが、その人達は今の特別支援をリードし、作ってきたグループの外だったのです。 じゃあ、中心は誰か、いわゆるギョーカイを作ってきた中心は何かと言えば、

関東出張について(3月20・21日)

*2月5日14時30分、すべての日程が決まりましたため、募集を終了いたします。ご検討中だった皆様、次の機会によろしくお願い致します。 3月20日(土)と21日(日)に関東で出張の発達相談を行います。 既に21日(日)の午前は訪問するご家庭が決まっていまして、今のところ、20日(土)の午後と21日(日)の午後の2枠が空いております。 もしこの機会に「子どもの発達について確認してもらいたい」「今後の子育ての方向性を一緒に話し合ってほしい」などのご希望がありましたら、【出張相談希望】と件名に書き、メールをください。 【予定】 3月20日(土)AM 移動 PM 〇 3月21日(日)AM 埼玉 PM 〇 詳細を確認したい方がいらっしゃいましたら、【出張相談問い合わせ】と件名に書き、お問い合わせいただければ、ご説明いたします。 出張相談についての内容は、 てらっこ塾ホームページ をご覧ください。 ご依頼&お問い合わせ先: メールアドレス

【No.1140】自閉症も、発達障害も、診断名です

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自分から「期日は2月7日にします」と言っておいて、「あと1ヶ月、延長します」とはどういうことだろうか、と思いますね。 こんなの民間企業がやったら、即アウト。 自分たちの見立て違い、選択の誤りを棚に置き、「いま、宣言を解除したら、気のゆるみが~」なんて、国民をバカにし過ぎです。 本来なら暴動が起きても仕方がない状況なのに、多くの日本人はホッと胸をなでおろす。 この島は天災が起きやすい場所なので、不安の強い遺伝子が多く残ったとも言われています。 でも、そういった器質があろうとも、論理的な思考、科学的な思考が育っていれば、この理不尽さ、不合理さがわかると思うのです。 いわゆる専門家が「気のゆるみ」という言葉を使っています、しかもメディアを使って。 この「気のゆるみ」とか、「二週間後にはN.Y」とか、「医療崩壊ガー」「我慢の三連休」は科学なのでしょうか。 これってすべて個人的な見解であり、意見であり、「私はそう思います」というレベルだと思います。 だから、本来なら「気のゆるみ(個人的な見解)が、感染拡大(個人的な解釈)に繋がった(個人的な意見)」という具合に注釈が入ると思うんです。 本当はこんなもの、高校卒業していたらわかる話です。 でも、多くの日本人は分からない。 今も、「GoTo」が悪いと思っている。 今も、「緊急事態宣言が出たから、PCR陽性者数が減った」と思っている。 というか、今も「陽性」と「発症」と「感染」の違いが分かっていない。 この日本という国は、特に日本の教育は「考える力」「論理的に物事を捉え、説明する力」を育ててこなかったのだと思います。 いつまで経っても、戦後から高度経済成長期の成功体験から、その価値観から脱することができないのでしょう。 だから、均一化、均質化の製造業のように、上から指示されたことをその通りこなす、という姿勢、人間そのものが作られていったのだと思います。 コロナ騒動を機に、「科学」「論理的」ということを私も勉強し直しました。 科学の基本は、「いつでも」「どこでも」成り立つ普遍的な事実を述べる、ということです。 だから、コロナで言えば、「手を10秒以上流水で洗えば、手に付着していたウィルスが100分の1になる」は科学であり、「飲食店を20時に閉めれば、感染者が減る」は非科学、個人的な意見です。 同じように「自閉症である」「発達障害である