2021年2月26日金曜日

【No.1143】エビデンス足りてます

一番、科学から遠いのが精神医学であり、発達障害の分野だといえます。
「薬の処方があるじゃないか」と言われそうですが、症状のみに対して処方しているので、そこのどこが科学か、科学的な治療だろうかと思うのです。
だって、治療というのは病因があって初めて行われるもので、その症状がどんな病因からきているかが特定されずに「こんな症状にはこの薬」というのは科学というよりも主観の世界だと感じます。
未だに脳のどこに病因があるか、見つかっていない。
神経発達の問題だろうというのに、その問題の根っこがわからない。
そうだとしたら、原因、病因はわからないけれども、その症状を抑え込むために処方しています、というのが実態ではないでしょうか。


客観的に発達障害、自閉症を診断できる方法はありません。
ということは、診断も主観が入り、対処法にも主観が入る。
ですから、他の科と比べて、科学から遠いと思うのです。
では、発達障害、特別支援の分野に科学は存在するのでしょうか。
誰がどう見ても正しいと判断できるような"答え"が存在するのでしょうか。


結論から言えば、そんなものはありません。
時々、「エビデンスがある」というようなことを述べる療育者がいますが、根拠となる研究内容を見れば動物実験のレベルであったり、あると言われる効果も、純粋な効果か、単純に時間とともにその子が発達成長しただけなのか、よくわからないものばかりです。
効果だって、長期的な効果が見られるモノはほぼなし。
何故なら、子どもの発達、成長は目まぐるしく、しかもそれに繋がる刺激は環境の中に無数あるのです。
そうです、つまり、これは子育ての分野なのです。
偉そうに、なんとか療法、エビデンスのある専門的な、とか言っていますが、一人の子が育つプロセスであり、それぞれの家庭の子育てに違いないのです。


発達に遅れがあるのは、障害ではありません。
発達に遅れがあるままにしておくから、発達の凸凹が大きくなり、脳や能力の凸凹が大きくなり、実生活に支障をきたすのです。
確かに定型発達という指標はありますが、現代社会においてどんどん今までの人類とは育つ環境が異なっていますので、動物らしい標準的な発達から外れる子ども達が増えるのは仕方がないことです。
しかし基本はヒトの育ち、子どもの育ちなので、ヒトの発達に準じて育てていくのが当たり前なのです。
それを商業的に、発達障害という名を使い、カテゴリー化し、顧客を作り、儲けようとする組織があるから、おかしなことになっているのだといえます。
端から特別なことをやろうとするのではなく、各家庭の子育てをサポートするのが自然な形なのです。


特別支援の世界がいくらエビデンスのある方法を見つけようとしても、それが見つかることはないでしょう。
今まで発達障害に関わらず、子どもの子育て、教育に対していろいろな方法が出てきましたが、万人に良いものは、客観的なエビデンスがあるものは生まれてきませんでした。
子どもは一人ひとり違います。
これは特別支援に関わる人間も言ってきたことです。
それなのに、特定の療育を勧めてくる、「自閉症には視覚支援」などと言ってくるのなら、それは個を見ず、括りで、商売相手として見ているにすぎないのです。


発達のヌケ、遅れ、未発達に対して、医療はなにをするのでしょうか。
発達のヌケ、遅れ、未発達は病気なのでしょうか、治療する対象なのでしょうか。
同じように支援や療育機関だって、子が育つ中のアイディア、刺激、資源の一つでしかないのです。
「発達障害の人は、専門的な機関へ」というのは、「水のトラブルはこちらへ」と書かれたいつもらったかわからないマグネットと同じです。
発達の遅れというトラブルに対応してくれるでしょうが、そこが絶対なわけではない。
多数あるうちの一つ。
別に子どもの発達なのだから、その子の発達につながればなんだっていいのです。


「エビデンスがある=絶対」ではありませんし、エビデンスにはレベル(段階)があります。
「よくなった」というエピソードも、エビデンスのレベルで言えば低い方ですが認められているのです。
論文や発表の形にするというような規定がありますが、エピソードは症例報告になりますので、専門家の意見よりもエビデンスのランクで上位になります。
ということは、「社会が理解すれば生きやすくなる」という専門家の意見、「あなたは自閉症です」という専門家の意見、「脳機能障害です」「生まれつき」「治らない」という専門家の意見よりも、「治った」「良くなった」という症例、エピソードのほうが信頼性があるといえます。


私も仕事をしていると、「それはエピソードにすぎない」と言われることがあります。
いくら支援級から普通級へ転籍しても、IQが10も、20も上がっても、診断基準を満たさない状態まで発達したとしても、「なんのエビデンスも無い」「科学的ではない」と言われます。
しかし私は動じません。
だって、そのように言ってくる専門家は、良くなったエピソードすらないのですから(笑)
あるのは、エビデンスの信頼度で言えば、最下位の「専門家の意見」です。
専門家の意見って食べれるの?煮れば食えるの?って感じ。


「私は素人だから」というお母さんが多いですが、大丈夫です。
一人の子を育てている今は、その子の専門家は親御さん。
しかも、かっこ良く言えば、日々の成長の記録、エピソードは症例報告。
何か専門家が言って来たら、こう言いかえしましょう。
「それって専門家の意見だからエビデンスの信頼度の最下位ですよね。残念ながら、我が家にはたくさんのエピソードがありますから♪エビデンス足りてま~す☆」と。




0 件のコメント:

コメントを投稿