【No.1156】発達援助の浸透と、見えてきた課題
先日、書いたブログ( 【No.1153】定型発達の子ども達は教える前に自然とできている )について、ご質問やご感想を多数いただきました。 「どうして身体の発達が道具の操作に繋がるのか?」 「やっぱり道具の中には、教えたり、練習しないと使えるようにならないものがあるのでは?」 「補助箸って、どうなんですか?」 など、身体と道具の繋がりについての疑問や感想が多かったです。 ご指摘の通り、練習しないと使えない道具というものがあります。 しかし、ここでいう幼児期に使う道具は、身体が育てば自然と操作できるようになるものばかりです。 何故なら、スプーンも、箸も、はさみも、クレヨンも、すべて『手の延長』だからです。 「手があって道具」ではなく、「指の先に道具が繋がっているイメージ」になります。 ヒトは二足歩行ができるようになり、手での操作が可能になりました。 その手が自由自在に使えるようになるためには、まず体幹の育ちがあり、肩→肘→手首→指(小指から親指へ)の育ちが必要です。 二足歩行が可能になったあとから、手での遊びが始まります。 手でいろんなものを触り、掴み、つまみ、肩から指先に向けた育ちを行うのですが、この育ちのプロセスの中で触れるものは、子どもにとってはすべて遊び道具になります、おもちゃも、リモコンも、オムツも、タオルも。 その遊び道具の中にあるのがスプーンであり、箸であり、ハサミであり、クレヨンなのです。 ですから、肩から指先を育てている段階で操作するものは手遊びの延長であり、手を育てる延長、つまり手の延長として道具があるのです。 小学生くらいになれば、指先までの発達は完成するため、以降使用する道具はまさに私達がイメージする道具になり、手と道具の関係になります。 よって道具の形状や複雑さというよりも、子どもの目線に立ったとき、それは指先まで育てるプロセスで使う手の延長としての道具なのか、手が完成した後の「手と道具」の関係なのか、そっちのほうが理解しやすいと思います。 ちなみに補助箸は、「補助がないと使えない手の発達段階」なので、補助箸が使えるようになったからといって一般的な箸が使えるようにはならないですね。 ただ定型発達の子ども達は補助箸を使っている間に、自然と遊びを通して指が育ちますので、結果的に箸が使えるようになります。 「補助箸を使ったから箸が使えるようになった」