成人後も成長の機会を得るための18年間
私はチャンスを広げるために、学生時代があるのだと考えています。 特別支援学校だったら18歳で、4年生の大学に行ったとしても22歳で、社会に出るわけです。 定型発達と言われている若者たちでも、その約20年くらいの期間で、生きていくことに必要な最低限のスキルをすべて身に付けておくことは大変なのです。 それだったら、発達障害があったり、知的障害があったりする若者は、さらに大変だと言えますし、当然20年間では足りない人も多いはずです。 未熟な段階で社会に出ていかなければならないので、社会に出てからも成長できる、成長し続ける機会が得られることが大事になります。 そのような機会を得るためには、やはり学校に通っている間に多くのことを学び、力をつけておく必要があります。 成人になってからでは、遅い場合もあります。 それは今、成人している障害を持った方たちの現実から見えてくる部分です。 「いきなり一般就労は難しいから、作業所で支援を受けながら・・・」と言っても、その作業所で行う仕事が、今後の仕事の幅を広げるものなのか、自立するための練習になっているものなのか、を見極めないと、希望通りのステップは踏んでいけないことにもなりかねません。 昨日、お話ししたお母さんが、「人生の本番を迎える前の18年間、できることは何でもしようと思ってきた」と言っていました。 先を見通した素晴らしい考え方で、子育てをされてきたことがわかります。 当然、その子は成長をし続け、成長につながるための就労を得ることができました。 その就労先で一生なんては考えていませんでしたし、私もその考え方に同意します。 その就労先で、まだ未熟な部分を学び、成長し続けることで、より良い機会を選びにいっても良いと思います。 40年間、同じ場所で働き続ける時代ではありません。 それは障害を持った人でも同じこと。 学校の卒業がゴールではありません。 それはスタートの始まり。 成長につながる機会を広げるためにも、約20年の歩みが大切になってくるのです。