子ども達の身体の中に何を入れるか、届けるか

「うちの子、サプリ、飲まないんですけれども、どうしたらよいでしょうか?」というような相談が増えてきています。
サプリが話題になる、ということは、栄養について意識し、勉強している証拠です。
そこら辺の支援者よりも、親御さん達は勉強熱心なのがわかります。


当然、サプリは自然な食べ物とは異なりますので、子どもさんの中には受け付けない子もいて当然です。
サプリが発達の後押しに繋がり、変わっていく人達もいますが、だからといって、みんながみんな、摂るものでも、摂ったから効果があるものでもありません。
むしろ、幼い子ども達は摂らないなら、摂らない方が良いと思います。


食べ物を口から入れ、体内を移動しながら、分解、吸収され、最後に排出される。
もちろん、これらは意識して行うものではありませんが、内臓の運動だといえます。
ある意味、食事を通して、内臓系を育てている。
内臓が動き、刺激を受ければ、それは中枢神経に伝わり、神経、脳を発達させる。
私達は、発達障害を持つ人達の内臓の育ちの大切さを「黄色本」「芋本」で教わりました。
食事も運動だし、子ども達はまさに今、内臓を育てている段階でもあります。


ですから、単純に栄養素だけではなく、どんなものを、どんな形態で、どれだけ摂るか、いつまで摂るか、も考えるポイントだと思います。
基本的には、特に子どもさんの場合には、食事で栄養素が満たされるのなら、それ以上、敢えてサプリを摂らせる必要はない、と私は考えています。
私も、栄養面の大切さを伝える際、サプリの紹介をすることもありますが、それは偏食が強く出ている子の場合や、もともとサプリを摂っている子の場合です。
あとは、親御さんがサプリを摂らせたい、という意思があり、尋ねられてこられた場合です。


実際、サプリを摂取するようになってガラッと変わった子がいるのも本当ですし、反対に変化がなかった子、発達を堰止めしているのはそこじゃなかった子がいるのも本当です。
薬ではありませんが、日々の食事とは異なって、必ず摂取するものでもありませんので、やはり実際に口の中に入れる子どもさん自身がどうなのか、が重要だといえます。
サプリに関しては、以上のように私は考えています。


一方で、日々の食事には、うちの子にもそうですし、相談に来られたご家族にも、無農薬なものをお勧めしたり、農薬や添加物の落とし方について紹介したりしています。
というのも、やはり農薬、添加物、化学物質は怖いからです。
詳しくはいえませんが、全国からの相談や地方への出張などに行きますと、気づくことがあるのです。
たとえば、ある地域に出張したとき、小さな町の一つの学校で、学年の50%が支援級なんてこともあるのです。
普通級の児童と支援級の児童の人数が、1対1の比率。
ここまで極端なことは数えるくらいしか知りませんが、それでも「う~ん」ということが多々ありますし、傾向、共通点があるように思えます。


無農薬野菜を続けるのは、難しい場合が多いと思います。
また、農家さんからお話を伺うと、「自分のところは無農薬、減農で頑張っているんだけれども、周りがバンバン農薬を撒くと…」ということがあるそうです。
ですから、家で調理するとき、農薬が落ちるようなひと手間をかければ良いと思います。
「農薬の落とし方」「添加物の落とし方」などの本も売っていますし、うちも実践していますが、そんなに難しい作業ではありません。
うちの場合は、下の子が10歳になるくらいまでは意識して続けようと思います。
函館近郊は農業が盛んですし、大規模なところばかりですからね。


近年の発達障害の急激な増加、重度ではなく、軽度の発達障害の人達が増えている、という現実。
食事は神経発達の土台であるのと同時に、それ自体が運動であり、発達刺激でもある。
発達刺激にはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。
「子ども達の身体の中に何を入れるか、届けるか」という点について、真剣に考えることも一つの発達援助であり、子どもの次の世代、その次の世代の未来を考えることでもある、と私は思っています。


エビデンスが出てからでは手遅れなんてこともありますね。
だから、エピソードから感じとれる心身が大事です。

コメント

このブログの人気の投稿

【No.1358】体軸が育つ前の子と、育った後の子

【No.1364】『療育整体』を読んで

【No.1370】それを対症療法にするか、根本療法にするかは、受け手側の問題