2020年5月24日日曜日

【No.1067】子も、親も、支援者も、自立

6月21日に予定していました『どこでも治そう発達障害の会』特別講座in函館に参加申し込みを頂いた方、また「6月以降、学校が再開してから」「緊急事態宣言が終了してから」ということでお申し込みを保留されていた方、すべての皆さんへ、中止の連絡をしました。
すると、多くの方からお返しのメールを頂戴し、残念なお気持ちとねぎらいのお言葉をいただきました。
皆さんの中にも、「開催は難しいだろう」という想いがあったようでしたので、オンライン講座への参加等、前向きに変わり、動こうとされる様子が伝わってきました。
 
 
コロナの感染者数が落ち着いてきた頃から、予定していた会場が使用できない状況を考え、動いていました。
そんな中で気がついたことは、官民問わず、変わっていこうとする最中なんだということです。
メディア等では、迅速に対応、変化できた地域や組織の話が取り上げられますが、実際、ある程度、大きな組織になればなるほど、地方で交流と財政が乏しいところは、変わるまで時間がかかります。
北海道に関しては長い間、国の中央から「どれだけお金を引っ張ってこられるか?」で進んできた地域ですので、どうしても国や東京などが動いたのを見て、指示を待ってという傾向が強くあるように感じます。
そういった意味では、最初に独自の緊急事態宣言を出した北海道知事は大きな挑戦をしたのだといえます。
ただ、その後は、旧来の勢力に飲みこまれてしまっているようですが。
 
 
北海道は、今までのような大型バスで外国からの観光客を集め、その人達に大量に消費してもらう、というモデルから転換する必要があると思います。
とにかく大きなイベントを開催して、「来道してくれる人達を増やす、それで地元にお金が落ちる」というのばかりでした。
中央からの指示と予算、モデルを元に北海道風に変えるのが独自モデルなどと言われていましたが、それではまさに年がら年中、冬の時期が続くでしょう。
知事が独自の路線を打ち出したように、私達も自分達の頭と身体で考え、行動し、真の独自路線を構築していく必要があります。
 
 
コロナによって問題が生じたのではなく、コロナによって見えづらかった問題が表に出ただけ、問題が加速しただけ、という意見に、私も同意します。
ですから、これから消えていくものは、既にその役目、役割を終えていたものだといえます。
特別支援の世界で言えば、どっかの教授、医師が行う講演会は、わざわざ開催地まで出向く必要はなく、すべてオンラインで大丈夫です。
というか、ほとんどの質疑応答が歌舞伎の型みたいに決まっているので、録画したものを各自で好きなときに見るという形態で良いでしょう。
診断も、脳波・採血がないので、アプリでOK。
本来、発達障害はスペクトラムなので、自閉率何パーセントとか、半年おき、1年おきに判定してもらうほうが実態に合ったものになります。
AIは、「支援を利用するために、一応、診断名をつけておくね」みたいな判断はしないのも良い点です。
 
 
長年といいますか、特別支援の歴史そのものなのですが、どうやって支援を増やしていくか、継続していくか、生涯に渡る支援を確保するか、で進んできました。
しかし、その支援自体がリスクになります。
ここ1ヶ月の陽性者のほとんどは、院内感染か、施設内感染。
集団で生活すること、身体接触を伴うことが、大きなリスク要因になります。
つまり、支援ありきの教育・子育て・支援体制では、その人の安全安心を守ることはできません。
自立を目指すこと、発達の課題を一つずつ解決しておくことは、子ども達の安全安心な生活と未来を築いていくことになります。
 
 
私が20代の頃、トレーニングを受けた専門家は、「受ける支援を最小限にしていくこと、できるだけ一般的な人達が利用している自然な形態にしていくことが、私達の目指す支援なんだ」と繰り返し述べていました。
しかし毎度のことですが、太平洋を渡って戻ってくる最中に改変が行われます。
いつの間にか、最小限の支援が、最大限の支援へと変わっているのです。
その悪しき文化が再び外からやってきたものによって壊されていく。
 
 
子育てが自立を目指すのは当たり前。
発達援助が、その子の持つ発達課題をクリアするために向かうのは当たり前。
その当たり前ができていなかったのが、2000年代から始まった発達障害ブームであり、この20年の遠回りだったといえます。
発達障害という一種の商品を作り上げ、消費していたのが、今までの支援者たちの姿です。
これからヒトも、文化も、システムも、すべて淘汰されて行くでしょう。
残ったものが本物であり、変われたものだけが次の時代へと進むことができる。
 
 
一方で、私は変わらないもの、守るべきものがあると考えています。
それは人と人とが時間と場を共有すること。
私は納得するだけでは意味がなくて、実際に行動し、変わることが重要だと思っています。
ですから、私の仕事は時間と場を共有しながら、その人が変わるための援助を行うことだと考えています。
共有することで自然な鼓動を感じ、変化を感じる。
私には画面を通して、これらを感じとることができませんので。
これから益々、非効率で、リスクのある仕事形態にはなりますが、それ以上の価値と結果が出るような仕事ができなければなりません。
 
 
今後、少なくとも、あと1年くらいは、多数の人が集まる講座、身体を動かす講座は難しくなると思います。
それに真の意味で自立をみんなが目指していくことになれば、親御さんの学び方、支援者の学び方も変えていかなければなりません。
一堂に会するのではなく、個人で高めていく。
その手段としてオンラインがあり、そこで補えない部分は、直接、その人から教わる。
今まで以上に、直接会うこと、直接指導を受けることに大きな価値が出るといえます。
そういった意味では、子どもだけではなく、親も、支援者も、自立的に学び、自分の判断で行動していけることが求められます。
 
 
振り返ると、もしかしたら、子ども達が自立できずにいたのは、私達、大人の側が自立できていなかったのかもしれないと思いました。
結局、どっかの誰かが言った「治りません」「生涯に渡る支援」を信じ、それに合わせて行動してきたのも、一人ひとりの大人が自立できていなかった証でしょう。
誰かが決めたこと、誰かが言ったことに従うだけなのは、自立とはいえない。
これからのキーワードは、子も、親も、支援者も、自立です。
 
 
自らで立ち、行動する。
大量生産大量消費からの脱却です。
それは北海道も、特別支援の世界も。
来道してくれた一人ひとりを大切にし、その人の豊かな時間となることを目指していく。
同じように、一人ひとりの子ども達を大切にし、その子達の豊かな発達、成長を目指していく。
なんとかモデルを真似するのではなく、その子独自の成長と学びを創造していく。
これが実現できれば、より良い未来へと変わっていけると思いますし、その未来のために行動していきたいと私は思っています。
 
 
*7月11・12日のすべての予定が決定しました。3府県4家族の発達相談です。そのため、募集を終了いたします。



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