【No.1252】特別支援の世界にある「科学」
昨年の秋、どうして第五波の(さざ)波が収まったのかを尋ねられた感染学の専門家の教授が「皆さんがピタッとマスクをつけるようになったから」と言っていましたね。
ということは、現在の陽性者が減り続けているのは、ピタッとマスクが増えてきたからでしょうか(笑)
欧米で減らなかったのは、彼らの高い御鼻が邪魔をしてピタッとができなかったからでしょうか(笑)
そんなに簡単なことで波が収まるのなら、まん防なんかしないで「ピタットマスク週間」と都知事がフリップ芸をすればよかったのに。
歌舞伎町に始まり、人流や飲食店など、科学的とは言えない専門家の発言が目立ちました。
結局、感染予防にどんな対策が効果的だったのでしょうか。
誰一人として、その対策について科学的な結論を出した人はいません。
ですから、なんとなくやっているマスクも、消毒液も、アクリル板も、やめられない、止め時がわからなくなっている。
科学を無視した専門家と、権威に従うだけの羊たちの合作により、コロナ騒動は生まれ、続いているのだと思います。
これは小学校レベルの話ですが、科学の基本は再現性です。
マスクをピタッとつけたら感染しなかった。
でも、マスクに隙間を作ったら感染した。
そのように「Aをしたら、常に結果がBとなる」、それを明らかにしていくことが科学の基本だといえます。
ですから飲食店の20時を決めるのなら、ウィルスが20時を過ぎたあたりから活発になるか、19時59分まで飲んでいた人と、20時00分に飲んでいた人とを比較し、その違いを証明しなければなりませんね。
この国では「エビデンス」も、「科学」も、自分の無能さを隠すための道具なんだと思います。
本当の意味で、科学的な思考ができる人はごく僅かなのでしょう。
もしくは「それは科学とは言えないな」と思っていても、権威や他人の目と比べれば、その優先順位が下がってしまう人が多いのでしょう。
試験管の中や対象が物質などでしたら、A→Bという100%の再現性が証明できると思います。
しかし、こと対象が人となると、条件がコントロールできませんので、つまり、個人差が複雑で、それを構成する要素が無限にありますので、必ず100%というのは不可能な話です。
そうなると、やった場合とやらなかった場合の差を見て、それが偶然な差なのか、明らかに偶然とは言えない差なのかをみて、効果のあるなしを判断します。
ワクチン接種した群と非接種の群を比べて、陽性率や重症化率、死亡率をみていますね。
同じような視点で、今も続いている特別支援における療法を見ていくと、ぶっちゃけ大した効果が期待できないのがよくわかります。
有名な視覚支援にしても、その有効性を示す根拠となった研究では対象者が知的障害を持っている自閉症の子ども達です。
ファイザー→ファイザー→モデルナのチャンポンの研究がないように、知的障害のない自閉症の子ども達に有効かどうかはわからない。
あったとしても、一言で視覚支援といっても、その形態は異なりますし、初期の研究のように、それまで教育の機会が免除されていた子ども達に対して、視覚支援を導入した方が伸びた、心身が安定した、というレベルの話ですので、「視覚支援すれば、万事落ち着く」「うちの子も伸びていきます」みたいなのは期待し過ぎだと思います。
一般的な療育法、支援法以外のものを行っている親御さんや私達のような実践家に向かって、「それはエビデンスがない」「非科学だ」という人もいますが、そもそも特別支援の世界に誇らしげに言えるほどの科学は存在していません。
そうやって自分たちが科学的と思っている方法だって、ネズミで証明されたとか、どこか遠い国の数名の被験者の中で効果があった、というレベルです。
つまり、そのように「科学」を振りかざしている人は、「マスクが有効だ」と言っている連中と同じです。
そりゃあ、他人の飛沫が顔に直接付くのは防ぐでしょうから、ちょっとは意味がありそうですが、その差って微々たるもので、しかもマスクによる弊害は無視です。
それこそ、科学というのなら、メリットとデメリットを比べる必要がありますね。
療育や支援を受けることは、何もしないことと比べると、多少なりとも効果が期待できます。
しかし、療育や支援に行かない子は、何もしない子なのでしょうか、そういったご家庭は何も育てるようなことはしないのでしょうか。
ここに特別支援の闇があるのです。
診断を受けた子は、ほぼ自動的に療育や支援を勧められます。
でも本来は、発達に遅れがあったのなら、その遅れが取り戻せたり、よりよく育っていければいいわけです。
それは必ずしも療育機関でなくて良いわけで、家庭で、一般の幼稚園や保育園で、普通級で発達、成長していければ良いのです。
意識しているか、無意識でしているかは分かりませんが、基本的に療育や支援を勧めるということは、家庭の育つ力、一般の幼稚園や保育園での育つ力、そして何よりも本人の内側にある育つ力を信じていない、一段低く見ている表れでもあります。
上記でお話しした通り、比べることが大事です。
家庭の養育力と療育機関の養育力。
療育に行くことで得られることと、失うこと。
年端もいかない子を連れて療育機関に通うご家庭では、愛着形成に課題を持つ子が多かったり、家族が崩壊してしまうことがあります。
まさに「コロナで死ななければ、死んでも構わない」という自分の領域しか見ていない専門家(バカ)の発言と一緒ですね。
発達障害を持つ子どもは療育に通うために生きているわけではなく、療育に通わせることが家族のすべてではありません。
乳幼児期は親御さんとの間で愛着の土台を育んでいく時期ですし、家庭という落ち着いた環境の中で過ごすことも大事なことです。
療育があるからといって、大事なお昼寝の時間がとれなかったり、幼稚園などでの同年代の子ども同士の自然な関わりと刺激が得られなかったり。
私は療育の陰で、子どもの大事な時間、刺激、発達の機会が失われていると感じます。
富岳が飛沫を可視化した映像を流したことがありました。
でも、生きていている人間なら、真っ正面で飛沫を浴び続けますか(笑)
多少は逃げるでしょうし、飛沫を飛ばす方も向きを変えたり、口を押さえたりしませんかね。
さらにいえば、人間には免疫機能がありまして、浴びたウィルスがすべて細胞内に入っていくわけではありません。
「42万人死ぬ」だって、「みんなが何も対策をしなかったら」という前提で計算がされているわけで、私たち日本人の多くは毎日お風呂にはいるし、トレイのあとは手を洗いますよね。
つまり、きれいに見えるデータは対象をとてもシンプルにしなければならないのです。
だから、「自閉症児には有効だ」とか、「ADHDの子は服薬で落ち着く」とか、対象がラベルで、ざっくりしていますよね。
「自閉症児に有効だというけれども、うちの子にはどうなの?」には答えていないし、答えられない。
親御さんが分からないと思って、特定の療育法をごり押ししてくる専門家、支援者は少なくありません。
精神科薬の服用だって、必要なのは自閉症児の何パーセントに効果があって、どんな効果がどれくらい続くのか、反対にそれによってどんな副作用、リスクがあるのか、ですよね。
そうやって本当は親御さんが、もちろん子どもさん本人が、自分で考え、判断できる情報を提供することだと思うんです。
それが科学が求められる部分であり、専門家の役目でしょ。
「とにかく11歳以下の子どももワクチンを接種してほしい」というのは、ただの個人的な意見です。
同じように「ワクチンは有効です」に関しても、大事なのはその根拠となるデータですよね。
発達障害の分野の難しいところは、万人に共通するような療育、方法、薬がないことです。
ある程度の人数が集まれば、その有効性がわかるかもしれませんが、それでも個人的な条件、要素を完全に排除することはできません。
つまり、生きている人を育てているのですから、目の前にいる子に合わせて、オリジナルの方法、子育て、発達の後押しの仕方を組み立てていくしかないのです。
なので、人を育てる分野なのに、「エビデンス」とか言っている人は、そもそもが人間オンチで、人を育てることが無理だと言っているのと等しいんですね。
エビデンスのある公園の遊び方ってありますか(笑)
その砂場での遊び方にはエビデンスがないから、やらないほうがいい、とかありますか(笑)
究極で言えば、子育てって、その子の内面が充実するかどうかの主観でしかないと思います。
早期療育が良い(これものちにエビデンスは否定された)という言葉で、年端もいかない子を連れて療育に通う。
それでその子が満足しているのなら良いですが、そして家族みんなが幸せを感じられれば良いのですが、親子で泣きながら通っていたという話はよく聞きます。
科学、専門家というのは、本人、家族に代わって人生の選択をするのではありません。
その個人、家族が自分たちの幸せのために、より良い生活、人生のために選択できるための情報を提供することだと思います。
この2年間、一部の専門家と政治家、首長によって個人の自由と幸せが否定され続けました。
そしてある一定の方向へ人々をコントロールし誘導するのは、プロパガンダです。
結局、彼らに従って「感染症が収まった」「個人としても良かった」というエビデンスは得られませんでしたね。
【新刊『ポストコロナの発達援助論』発売のお知らせ】
北海道から沖縄まで、全国の書店に並びました。店頭でのご購入もよろしくお願い致します。
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