2019年5月9日木曜日

胎児の育みのような発達援助

胎児は、お腹の中でお母さんの声を聞いたり、外の明暗がわかったりします。
ということは、感覚の始まりは、お腹の中。
じゃあ、具体的には受胎後、どのくらいから感覚の発達が始まるか、を調べました。
すると、触覚が妊娠2ヶ月より口の周りの触覚が発達。
20週までに、全身に皮膚の受容器細胞がみられ、24週には皮質の体性感覚やが発達することがわかりました。
やはり、口の周りが触覚の始まりで、重要な部分。
しかも、妊娠2ヶ月という早い時期から発達が始まる。


他にも、前庭感覚、味覚&嗅覚、聴覚、視覚という具合に、それぞれ発達の始まる時期と流れがわかります。
この中で、視覚が最後に発達を始めるのですが、それでも23~25週目に始まり、30~32週目には自分で眼を開いたり、開けたりするようになります。
このように感覚機能の発達は、妊娠2ヶ月くらいから始まり、胎児期にある程度の土台を作るわけです。


こういった事実を知ると、お腹の中で生じた発達のヌケも、ちゃんと後から育てられる、と思うのです。
だって、胎児自ら感覚を使い、感覚機能、神経を育てているのですから。
これがもし、胎児に動きがなく、ただ胎内で受け身の状態だったとしたら、それこそ、生まれつきの障害になるだろうし、出生後、あとから育てるのは不可能だといえます。
でも、そうじゃない。
そこに希望がある。


相談にこられる子ども達を見ると、やっぱり課題の根っこは、感覚の未発達、発達のヌケに繋がっていることが多くあります。
じゃあ、その感覚の始まりは、といったら、胎児の頃に繋がっている。
口の周りが過敏な子がいます。
肌感覚が過敏だったり、反対に情報が掴めなかったりする子がいます。
うまく食べ物を飲みこめない子がいます。
揺れや重力との付き合い方が苦手な子がいます。
味覚や嗅覚、聴覚や視覚が過敏だったり、反対に鈍麻だったりする子がいます。


当然、胎児期の感覚機能の発達は順調で、準備万端で出生しても、その後の刺激や環境によって、発達に遅れやヌケが生じる子もいるでしょう。
でも、胎児期の準備の時点で、足りなかった、十分じゃなかった子もいると考えるのが自然です。
だからこそ、胎児期の発達を学び、胎児の姿を想像することが、あとからその発達を育て直すヒントになると思うのです。


まだ具体的なものは掴めていませんが、胎児期の育ち、環境が、発達障害の子ども達を後押しする着想につながる気がしています。
ぼやっとしていますが、母体の中で、もう一度、育て直すイメージです。
胎内は羊水に満たされている。
聴覚や視覚の刺激は、強いものではなく、揺らぎがある。
まだ上下左右がはっきりしていない世界で、重力から解き放たれている。
でも、胎児が身体を動かすと、すぐに母体の壁とぶつかり、それが刺激となって神経を通っていく。
狭い胎内でできる動きは、手足の曲げ伸ばしと、身体の回転。
飲む練習は、コップで水を飲むような感じでは無理なので、口をすぼめ、顔の筋肉全体を使って吸うような感じ…。


胎児が、胎内で刺激を受け、感覚機能を育てているのだったら、あとからでも育てられるはずです。
ただし、環境は胎内に近づけないといけないと思います。
胎内と、母体から出た外の世界の大きな違いは、受ける重力の大きさ。
あとは、外からの刺激が直接的ではなく、間接的なところ。
上下左右のない世界での感覚の育ちを、どうやって外の世界で育んでいけるか。
その具体的な答えは見つかっていませんが、一つの学びのテーマとして頭の中に置き、実践の中からヒントを得ていきたいと思っています。
目指すは、胎児の育みのような発達援助です。

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