2020年4月2日木曜日

【No.1040】子育ての“方向性”

3月は予定していた出張がすべて中止になり、道内の予定も、緊急宣言が出ていましたし、濃厚接触の危険性がありますので、ほとんどを見合わせました。
こういった日々を送っていますと、起業当初を思いだすこともありました。
ちょうど7年前の2013年4月2日から事業を開始したのですが、当時は学生時代から前職までの間で関わりがあった人達からの仕事オンリー。
なかなか新規が増えない時期が続き、もどかしかったときの感情を今でも思いだします。


今回も似たような状況ではありましたが、全然、焦りはなく、むしろ、「この期間に、あれもしたい、これもしたい」という想いばかりで、世が落ち着いたら、今まで以上に頑張ろうという気持ちでみなぎっています。
それは、この期間中も、毎日のように相談があり、また出張の問い合わせや依頼、日々更新するブログへの多くのアクセスがあったからです。
8年前と心持ちが違うのは、このように共感し、応援してくださる皆さまが全国にいるからだと思います。
ですから、「個人事業主、フリーランスは、その人が好き好んでやっているんだから、こんなときだけ補償を求めるなよ」と毒つきながらも、「やるべきことをしていれば、見ててくれる人がいる」という想いでポジティブにいられました。


さて、年度の切り替えの時期である3月4月のご相談、ご依頼は、この1年間の振り返りと次年度、今年度に向けてが中心になります。
特に年長さんになるご家庭は、半年後には就学時健康診断があるわけです。
この時期にしっかり振り返りを行い、就学までの準備を頑張りたい、と思われている親御さんがたくさんいるのがわかります。


一年間の振り返りだけではなく、通常の発達相談でも、「私の方法は合っていますか?」「子育ては間違っていませんか?」という言葉が多く聞かれます。
また、なにかお子さんに課題が出てくると、目に見えるような成長がないと、「私の発達援助の方法は間違っているかも」と心配される親御さんもいます。
しかし、そのような相談や悩みがあったとしても、私はあまりその具体的な方法、やっていることには注目しません。
それよりも、全体的な発達の流れ、お子さんの雰囲気、家族の関係性、空気はどうか、に注目するのです。


基本的に、親御さんが行っている育みを、お子さんが受け入れてくれるのなら、心地良く感じているのなら、やり方がどんなんでも良いと思います。
第一、私の根本的な考えとして、こういった親御さんの育みというのは、補助であり、後押しの一つでしかない、と捉えています。
確かに、子どもさんの場合、親御さんの子育て、選択、行動の影響を受けやすい。
でも、それはあくまで環境としてであり、やっぱり発達の主体は本人、お子さん自体です。
その子が夢中で行っていること。
何度も何度も繰り返し行っていること。
名も無い遊びが、その子の発達そのものだと、私は考えています。


ですから、あまり神経質に、「これで合っているか、間違っているか」「回数はどうだ」「力加減はどうだ」なんていうのは気にしなくて良いと思います。
繰り返しになりますが、本人が受け入れてくれて、心地良いと感じているのなら、それで発達の後押しになっているはずです。
よって、成長に停滞やゆっくりさを感じるのなら、そういった時期であり、その子の発達の仕方なのでしょう。
子どもの発達の特徴は、停滞の時期、つまり、なんも変化がないな~と思っていたら、急にできるようになる、というものです。
大人のように、少しずつ右肩上がりで上ってはいきませんし、できたり、できなかったり、波を繰り返し成長していきます。


私はよく「方向性は間違っていませんね」「方向性は合っていると思います」という具合に、「方向性」という言葉を使って、振り返りを表現します。
最初に相談があったとき、その子の胎児期から現在に続く発達の流れ、物語を確認するわけですが、それによってある程度、未来の姿が見えてくるものです。
実際に言葉で、「半年後は〇〇ができるようになっていると思いますよ」「〇〇という発達課題は、遅くても夏くらいまでには育ちきっているはずです」など、親御さんに伝えることもありますし、伝えなくても、発達相談をしながらイメージするわけです。


その将来のイメージから見て、その姿と重なっていれば、それまで行ってきた家族での育みの方向性は合っていると言えますし、イメージ以上の成長が見られれば、親御さんの後押しが強力で、本人のニーズとドビンゴだったといえます。
それって素晴らしいことですし、それ以上の「正しい」なんていうのはないと思います。
本人が、前に前にと進めていけれたのなら、どんな子育てでもOKです。
正直、細部にこだわっても、親御さんが神経質にやり方を調整しなくても、子は育ちます。


と言いますか、虐待のようなものはもちろん影響を及ぼしますが、親御さんの関わり方をちょっと変えたくらいでは、子の発達、成長を止めることはできませんし、そんなに影響はないはずです。
そういう支援者の私だって、その子の発達に影響を及ぼす、左右するなんてことはできません。
できるのは、その子の発達の流れに沿った後押しをして、ちょっと発達を加速させる、より伸びやかな環境、刺激を作りだす、といったところです。
発達を決めるのは本人であり、本人の内側にある力と資質。
周囲の我々は、その子の発達を変化させる存在ではなく、後押しする存在。
その子の内なる発達の流れを変えようなんていうのは、神様じゃなきゃできません。


一年間を振り返り、「ああ、我が子は成長しているな」「こういったところが伸びているな」と思えたら、子育ての方向性は合っていると思います。
あれをやったから、やらなかったから、などと思う必要はなく、大事なのは本人の発達の流れを止めないこと、心地良く明日も、明後日も、一年後も流れ続けてもらうこと。
「あのとき、あんな関わり方、子育てをしたから」などと反省はしても、後悔する必要はありません。
だって、1つや2つの失敗、過ちで、子の発達の流れは変わらないから。
それよりも、こうやって日々、発達成長していることを喜んだ方が良いと思います。
子どもさんだって、そう思っているはずですよ。


それに、自分の親だって、全部正しくて、非の打ち所がない素晴らしい子育てをしていたなんてあり得ません。
自分の親だって、他の親御さんだって、試行錯誤しながら、日々、悩み、後悔しながら、私達を育ててきたはずです。
なので、我が子が内側に秘めている発達する力を信じること。
「私が発達させよう」ではなく、「我が子が伸びやかに、今後も発達、成長できるように環境を整えよう」と思うことが大事だといえます。


今日から始まる8年目も、その子の発達する力を信じ、そのためには発達の流れを見極める目を磨きつつ、より伸びやかになる発達相談、援助を行っていきたいと思っています。
そして何よりも、関わったご家族が、今しかない家族の時間を楽しみ、幸せを感じられるような後押しをしていきたいと思います。
8年目のてらっこ塾、大久保を、よろしくお願いいたします。

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