【No.1343】「人による」からこそ

遺伝子ワクチンを打ったからと言って、全員が死ぬわけではない。
マスクをしたからと言って、どの子も自閉症になるわけではない。
フェリチンの値が低いからと言って、生まれた子がみんな、発達障害になるわけではない。
ヒトは複雑系であって、まさに「人による」というのが事実だと思っています。
だから、親御さんには「〇〇だったから、発達障害になったんだ」みたいな感じでは考えてほしくないのです。
あまりにも、「これが原因だ」と思ってしまうと、そこにこだわっちゃうでしょ。
いくら発達障害が増えたといっても、マイノリティには変わりがない。
ということは、どうしてもその本人の個人的な要因と環境の影響が複雑に絡み合った結果だといえます。


原因がはっきりしないとなると、特定のアプローチの効果を測ることが難しくなっちゃう。
本当にそのアプローチに効果があるのか、はたまたマイナスの効果があるのか、それともプラスにも、マイナスにもならないのか。
近視眼的な「効果があった」も、中長期的に見ればネガティブな反応につながることもあるし、その逆もあって本当に困っちゃいます。
なので、みなさんのご興味は「どれくらい続けたらよいでしょうか?」となります。


発達相談においては、私はその子とご家族の雰囲気で「来年の春ごろには」と言ってみたり、「半年ぐらい」と言ってみたり、「誕生日を迎えるころに」と言ってみたりしています。
まあ、根拠はありませんよね(笑)
まさに私の直感で、どちらかといえば、親御さんがどのくらい頑張れそうか、前向きな気持ちになれるか、そっちのほうを重視しているのだと思います。
「ああ、あと半年くらいなら、私たちは頑張って続けられそう」
「この子が6歳を迎えるころには、内耳の未発達の育てなおしが完了しているのなら希望が持てる」
そのような想いを持ってもらえることも、大事な発達援助だと考えています。


そうはいっても、全員が全員、私の発達相談を受けるわけではありませんし、実際のお子さんを見るわけではありません。
相変わらずメール相談が多いので、やっぱりある程度、具体的な数字というものが必要です。
そんなときは、「3か月」という期間を一つの基準としてお伝えしています。


これは神経発達の話と私の経験から出た期間になりますが、とりあえず3か月は続けてみましょう、というのは大事だと感じています。
乳幼児期、小学校低学年くらいの子ども達なら、3か月、特定のアプローチや刺激を与え続けていたら、何かしら変化が生じるものです。
逆に言うと、3か月を過ぎても変化を感じないのなら、別のアプローチに変える合図だと思っています。
発達相談でも「どのくらい前から栄養療法を続けていますか?」と尋ねると、「1年前から」「もう2年半になります」などとおっしゃる親御さんがいて、それって栄養療法じゃなくて、子どもにとっては食事になっていませんか、と感じるところです。
どう考えても、1年以上、サプリ+高タンパク質の食事をやって変わらないのなら、吸収できていないでしょうし、内臓の負担や別の機能不全を心配しちゃいます。


同じことはほかにもあって、「原始反射の統合を1年」とか、「ハイハイのやり直しをやって1年半」とか、そこまでくれば育てなおしじゃなくて、トレーニングでしょ。
この前も、やたらと腕と太ももがしっかりしている子どもさんと出会ったばっかり。
ここまで身体アプローチや原始反射の統合、栄養療法が広まると、それこそ、大事な前提が抜けてしまいます。
いずれも、本来なら胎児期から2歳前後でやり終えている発達課題。
その発達課題をもう一度、「育てなおそう」というのが大事な前提であり、コンセプトなので、何をやるかではなく、どのようにやるかが大事ですね。
つまり、その子が内なる動機から動きたくなる、抜けた部分をやり直したくなる、ということがポイントで、「やらせる」は完全にアウト。
そして3か月以上続けても変化がないとしたら、その子にとって「そこじゃない」
2歳までの子は、半年も、1年も、同じ発達課題をやり続けないでしょ。
ハイハイが1年たっても卒業しない子はいませんね。


ですから、乳幼児さん、小学校低学年くらいの子どもさん、知的障害がない子ども達、若者たちは「3か月」を一つの目途とするのが良いと思います。
一方で生活や日常動作に介助が必要な子、脳のダメージによる発達障害の子は、3か月以上の長いスパンで取り組む必要があると思います。
ある小学生の男の子は、自傷と他害が止まらず、強い感覚過敏もあり、生活全般に介助が必要な知的障害を持つ子でしたが、ご両親とごきょうだいが真摯に私のアセスメントの結果、見立てと発達援助のアイディアを受け止めてくださり、家族みんなでその子の後押しを続けた結果、すべてがパタッと落ち着き、今では勉強に取り組めるようになったという報告がありました。
このご家庭に訪問したのは、昨年の夏でしたので、1年半くらい継続したのです。


このようなある意味、治りにくい子、治らない子というのは、どのくらい根気強く続けられるかだと思います。
小さい子や知的障害のない子と比べて、やはり時間がかかります。
だからこそ、「時間」という尺度以外で、ご家族を後押しする必要がある。
そんなとき、私が大事にしているのは、アプローチを行う親御さんたちに馴染むこと。
シンプルに言えば、親御さんにとっても、そのアプローチをやることが心地よく、そして自然と続けられる方向に導くことです。
子どもさんに必要な方法で、かつ親御さんにとっても無理のない方法。
できれば、お互いが心地よくなるようなアプローチ、方法を提案することが大事だと考えています。
生活のリズム、生活の自然な流れの中にスゥーっと入っていけるようなアイディアを。


人間、続けるのが苦手で、できれば楽な方向に向かいたくなるのがサガ。
だから本当は、習ってきたアプローチを子どもさん用に作り替えるのと同じくらい、親御さんにとっても合うように作り替える必要がある。
ここがわからないと、習ってきた通りに、本で書いてある通りにそのままやっちゃうから、子どもさんが「やりたくないよ」となったり、親御さんが「続けるのシンド」となったりする。
そうなると、3か月が来る前に「次のアプローチ」となっちゃいますね。
それか「もうとにかくやっちゃえ」といって、そのまま何年もズレた形で続けちゃう。
こういったご家庭をたくさん見てきたので、私は家庭訪問という形態で、ひと家族ずつ、子どもさんだけではなくて、ご両親、ごきょうだいと一人ずつ話を聞いて、その家族にマッチするようなアイディアを伝えようと思ってます。




☆『医者が教えてくれない発達障害の治り方』のご紹介☆

まえがき(浅見淳子)

第一章 診断されると本当にいいことあるの?
〇医者は誤ることはあるけど謝ることはない
〇早期診断→特別支援教育のオススメルートは基本片道切符
〇八歳までは障害名(仮)でよいはず
〇その遅れは八歳以降も続きますか?
〇未発達とは、何が育っていないのか?
〇就学先は五歳~六歳の発達状況で決められてしまうという現実
〇現行の状況の中で、発達障害と診断されることのメリット
〇現行の状況の中で、発達障害と診断されることのデメリット
〇療育や支援とつながるほど、子育ての時間は減る

第二章 親心活用のススメ
〇親子遊びはたしかに、発達に結びつく
〇変わりゆく発達凸凹のお子さんを持つ家庭の姿
〇学校は頼りにならないと知っておこう
〇安定した土台は生活の中でしか作れない
〇支援者が行うアセスメントには、実はあまり意味がない
〇親が求めているのは「よりよくなるための手がかり」のはず
〇人間は主観の中で生きていく
〇専門家との関係性より親子の関係性の方が大事
〇支援者の粗探しから子どもを守ろう
〇圧倒的な情報量を持っているのは支援者ではなく親

第三章 親心活用アセスメントこそ効果的
〇子育ての世界へ戻ろう
〇その子のペースで遊ぶことの大切さ
〇「発達のヌケ」を見抜けるのは誰か?
〇いわゆる代替療法に手を出してはいけないのか
〇家庭でのアセスメントの利点
1.発達段階が正確にわかる
2.親の観察眼を養える
3.本人のニーズがわかる
4.利点まとめ
〇家庭で子どもの何をみればいいのか
1.発達段階
2.キャラクター
3.流れ
4.親子のニーズの不一致に気を付けよう

第四章 「我が子の強み」をどう発見し、活かすか
〇支援と発達援助、どちらを望んでいますか?
〇子ども自身が自分を育てる方法を知っている
〇親に余裕がないと「トレーニング」になってしまう
〇それぞれの家庭らしさをどう見つけるか
〇親から受け継いだものを大切に、自分に自信を持とう

あとがき(大久保悠)


『医者が教えてくれない発達障害の治り方①親心に自信を持とう!』をどうぞよろしくお願い致します(花風社さんのHPからご購入いただけます)。全国の書店でも購入できます!ご購入して頂いた皆さまのおかげで二刷になりましたm(__)m


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