【No.1339】福祉⇔日本⇔個人
なにをいまさら騒いでいるのだろう、というのが正直なところ。
だって今まで興味なかったでしょ、障害を持った人たちの生活に。
自閉症の人たちは「見えないものは、ない」だが、私たちは「見たくないものは、見ない」。
ここの福祉法人は、「障害を持った人たちも結婚できる」と謳っていた。
実際、結婚して暮らしている人たちもいる。
本人たちの「結婚したい」という意思を尊重し、サポートした形になる。
じゃあ、ほかの福祉法人で障害を持った人たちの結婚は尊重しているところはどれくらいあるのでしょうか。
そもそも交際を禁止していませんか。
そもそも男女が交わらないように建物の壁で、開かない扉で隔ててはいませんか。
もっといっちゃえば、支援学校で男女交際すら禁止しているところがあるでしょ。
みんな口にはしないが、障害者に結婚は無理、子育ては無理だと思っている。
ましてや、動物としての本能である性行為はすべて“問題行動“とされている。
ある児相の職員は「高学歴、高収入の夫婦は子どもをもとうとしない。一方で反対の人たちはどんどん子供を作り、虐待や非行の問題を生み続ける」と言っていた。
どの人の心の中にも障害者に対する差別の心を持ち、優生思想の断片を持っている。
優生保護法だって、つい最近までの話で、本人たちの同意なしに手術が行われていたけれども、社会全体の問題にはならなかった。
今回も、「叩けるやつを叩く」という一時的な消費として食い捨てられていくと思います。
結局、この福祉法人の個別的な問題とされ、話題は別のところに移っていくでしょう。
そして全国で今もなお行われている第三者による「結婚」「交際」「関わり」という権利、個人の自由の制限が続いていく。
世界の精神病棟の25%が日本にある。
施設ばかりではなく、グループホームの形態も増えてきたけれども、根っこは変わっていないのが障害者福祉の世界。
それは福祉の制度、それに携わる人たちが悪いの?
そうじゃないでしょ、どの人も家の隣には障害者を持った人に住んでほしいとは思っていない。
中には家族すらそう思っている人もいるのですから。
障害を持った人の結婚までは許す。
だけれども、子どもができたらどうするの。
その人たちに子育てはできないでしょう。
生まれた子どもの人生、生活はどうなるんだ。
そう思っている人たちがこの日本の大多数だということは忘れてはならない。
確かに福祉の支援が必要な人もいるし、そんな理不尽な制約を受けてもそこの施設以外に行くところがない人もいる。
というか、ほとんどの障害を持った人には行き場所がない。
この福祉法人の施設だって、「あそこに入所できたらラッキー」だと親も、学校も、みんな言っているじゃないですか。
だから、みんな、だんまりしている。
家族や学校の先生にも負い目があるのでしょう。
だけれども、今年度だって卒業生を送り込もうとしているではないですか。
社会全体が変わらない限り、福祉のあり方は変わらないと思っています。
今の日本は効率ばかり重視され、はみ出ていく人間は厄介者として認定される世の中です。
だからこそ、はみ出る人は自分の足で立てるくらいになってはみ出ていくしかないのです。
「学校にお任せします」では、福祉の世界に直行です。
「療育に通っているから大丈夫」という人も同様。
結局、依存している先の人間が「どうせ将来は福祉」だと思っているんだし、そもそもその他者への依存心が子ども達の自立を一番阻んでいるのです。
私はこの日本にある障害者差別をなくそうとは思っていません。
そんなのは日本全体をぶっ壊し、すべての人が平等に弱者になるしかないと考えています。
みんな同じ人間なんだ、というような心をもう一度、昔の日本人のように取り戻さない限り無理。
だから、その本人と家族が頑張るしかない。
正直、みんな、まだまだ本気じゃないと感じます。
どこかで一発逆転を夢見ているような感じがあるのです。
すごい専門家、療法と出会い、劇的によくなる、みたいな感じ。
それも一種の依存でしょ。
そんなんじゃ、子どもの課題は治っていかないし、自立もしていかない。
誰が治すんですか?
本人と家族でしょ。
発達障害の問題の恐ろしさは、第三者によってその障害が認定されているという事実です。
発達障害児と発達がゆっくりな子の違いはなんですか。
発達障害児と普通の子の違いはなんですか。
海外では「ワクチンを打たないものは、精神疾患をもった人間だから、精神薬を飲ませるようにしよう」という政策が検討されています。
「あなた発達障害でしょ」と言われてしまえば、どんどん福祉の世界に導かれ、そこには自由と権利が制限されてしまう土壌がある。
発達障害は作られる。
発達の遅れだって、誰かが決めた基準から外れたものを「遅れ」と言っているのです。
福祉も、医療も、学校も、頼っている限り、もっといえば関わっている限り、本当の自立は叶わないでしょう。
子どもの成長の過程で、一時的に利用するのは良い。
でも、できるだけ早くそこから離れ、自立して成長していけることを目指さないといけません。
世の中にある福祉法人はもっとひどい人権侵害をしている。
そしてそれはフラクタル構造で、日本の縮図。
こんな日本で生きていこうと思うのなら、まず家族が本気になることです。
日本の縮図は、私たち親世代の中にも存在しているのですから。
【大阪出張のお知らせ】
2023年1月、関西に出張します。もしこの機会に発達相談を受けてみたいという方がいらっしゃいましたらお問い合わせください。
明日には航空券チケットを取ろうと思っています。
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