2022年1月6日木曜日

【No.1218】発達の課題が見えた時点で、すでに緊急時ではない

東日本大震災が起きた直後、必要だったのは高度な知識、技能を持っている専門家たちでした。
全国の自衛官、特殊部隊の人達が東北に駆けつけ、被災された方たちの救助、身体のケア、危険な箇所の整備、撤去を行ってくれました。
そこから時間の経過とともに、被災した人達の心の問題へ、今後どう生きていくか、この被災した街をどのように再建していくかへと移っていったといえます。


コロナ禍においても、2020年初頭は専門家の力が必要だったといえます。
その当時は「未知のウィルス」だったわけで、危険度がわからない時期はすべての人達にとって緊急事態です。
しかし、その正体、致死量、症状、対策が明らかになってきたあとは、徐々に細かいところを見る専門家ではなく、全体を見ることのできる専門家、人達が必要になってくるわけです。
ですから、コロナ禍を騒動にしてしまった失敗の主因は、細部から全体へのシフトチェンジを失敗したことで、感染症の専門家がいつまで経っても出ているようではダメなのです。


こういった社会情勢、ある意味、歴史から私達は教訓を得て学ぶ必要があります。
緊急時というのは、専門知が必要です。
怪我をした、病気が生じた。
そういった場合は、専門知において迅速に対応する必要があります。
一方で発達の問題、課題は総合知が必要になります。
何故なら、発達とは突発的な問題とはいえないからです。
「目が合わないな」
「ハイハイを飛ばしたな」
「言葉が遅れているな」
という課題が出た時点で、ある程度の時間が経過しているといえます。


我が子の発達障害に気がついた時点は、親御さんにとっての緊急事態です。
ですから、すぐに「専門家」を連想し、そういった人達を頼ろうとします。
しかし、子どもの視点に立てば、その時点はすでに緊急事態ではなく、例えるのなら慢性期なのです。
慢性期に必要なのは、総合知であり、子どもさんの内的な要因、運動発達、栄養、環境など、あらゆる角度から総合的に観ることで、生活全体をより良い発達につながるものへと変えていくことになります。


ハッタツの分野の難しさは、この親御さんの緊急性と子どもさんの緊急性にギャップがあることだといえます。
親御さんにとっては大事な我が子ですから、発達の課題が見えている限り、緊急事態というのは変わらないでしょう。
だから、いつまで経っても専門家、専門知に心が傾いてしまいます。
でも、発達の課題はそこだけを見ていても、そこだけにアプローチしていても怪我や病気とは違いますので解決しません。
専門家のところに通い続けても、各地の良いといわれている専門家、専門機関を訪ねていっても、我が子自体が変わらないのは、発達の課題が解決していかないのは、目を向けるべきところを間違えている場合が多いといえます。


じゃあ、具体的に発達障害児のいつが緊急事態なのでしょうか。
それは発達の課題の始まり、根っこです。
課題が表面化する前の半年、一年くらい前を観ていく必要があります。
誕生後、1年以内に表面化した課題でしたら、受精前、胎児期、出生時のどこかに課題があったのだと推測されます。
今のご時世で言えば、表情が作れない、言葉が遅れている、呼吸が浅い、姿勢が崩れているなどの子ども達の課題が見えだしているので、まさにこの2年間のコロナ騒動、過剰な対策が影響しているのでしょうし、まだそういった問題が明確に出ていない子ども達にとっては今がまさに緊急事態だといえます。
この緊急事態を生きている子ども達に必要なのは、迅速な対応であり、その課題と解決に特化した専門知です。


コロナ騒動、この2年間を体験した私達大人は、こういった体験を実生活に当てはめて考える必要があると思います。
世の中の流れ的にいっても、どんどんマニアックな方向へと向かったハッタツの世界、療育の世界の歴史を見ても、専門知から総合知、狭い分野ではなく、全体的な視点で考える人材、サービスがこれから求められていくはずです。
私達はコロナに罹らなければ幸せ、コロナ以外で死んだなら良かったね、ではないのです。
ゼロコロナ、コロナ撲滅なんて非現実的な話です。
同じように人生、まったくの課題、悩みがないことも、それこそ、まったくもって発達の課題、凸凹が生じない真っ平らな発達などあり得ません。
だからこそ、その人の生活、人生をトータルして幸せに進んでいく道を模索していく必要があると思います。


緊急時を過ぎた発達障害の子ども達に必要なのは、「よりよく育つ」という総合的なアプローチであり、生活全般の改善です。
なので、やっぱり中心は専門家ではなく、本人と家族だといえるのです。




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