言葉を理解しているか、確認する方法

昨日のブログと関連して、「言葉を理解している」と判断するには、1つ注意しなければならないことがあります。
それは言葉を聞いて「その意味を理解しているのか」と「パターンで動いていないか」を見極めることです。

自閉症の人たちは、物事の意味を理解するよりも、パターンで行動を覚える方が得意です。
過去の記憶から、「同じ状況で、声を掛けられ、このような行動をした」ということを1つのパターンとして覚えていて、それを再現しているといった場合もあります。
例えば、食事の前に手を洗うように言ったとします。
「手を洗って」と言ったら、洗面所に行って手を洗うので、言葉を理解しているように見えます。
しかし、本人の視点で物事を捉えると、「テーブルの上に食事が用意される」→「お母さんが声を掛ける」→「手を洗う」→「ご飯が食べられる」という一連の流れを1つのパターンとして記憶している場合があります。
この場合、言葉を理解していなくても、適切な行動を過去の記憶から導き出すことができます。

では、言葉を理解しているかどうかを見極めるには、どのようにすれば良いのでしょうか?
それは、いつもとパターンを変えてみることでわかります。
例えば、状況を変えてみます。
いつもは食事の前に「手を洗って」と言っていたのを「食事の後」や「寝る前」など、別の状況で行ってみます。
もし本当に言葉の意味を理解しているのなら、どのような状況でも適切な行動ができるはずです。
また、いつもはお母さんが言う言葉をお父さんが言ってみる、お祖父さんや兄弟など、いつもと人を変えて言ってみるといったことも有効です。
そして、場所を変えて、同じ言葉を言ってみるのも良いと思います。

ここでは言葉の理解を確かめる方法を書きました。
反対に、言葉の理解を伸ばす場合は、自閉症の人たちが得意な「パターンで覚える」ことを活かし、1つのパターンで覚えた言葉を他の状況や人でも理解できるように練習し、少しずつパターンに幅を持たせることで、言葉の理解を確かなものにしていくといった方法があります。

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