【No.1328】精神科薬について疑問に思っていること

「エビデンス」がどうのこうのという人を見かけると、「それはあなたが研究して導きだしたエビデンスですか?」と思ってしまいます。
偉そうに言っているけれども、それは他人様が汗水たらして出した結果を見て言っているだけでしょ、ほとんどの人は。
SNSで目にした論文の要約、結果の部分だけを見てるだけの人も多いはず。
権威や専門家が発信しているからといって、無条件で信頼して「エビデンスが―」と言うのは、結局、自分の頭で考えていない依存体質丸出しってことですね。


大事なことは、エビデンスなどの情報を集めて、知っているだけじゃないと思うんです。
今回のコロナ騒動でも、いろんな情報が出てきましたね。
当然、同じ事象を見ていても、正反対の意見や研究結果があるわけです。
根本的に人は間違い、科学は時間の経過とともに否定されることで発展していくものですから。
科学が明らかにできることは、想像している以上に狭い範囲である、というのは有名な言葉です。
なので、肯定側も、否定側も情報を集め、そしてそこから自分で考え、自分の答えを導きだしことが大切だと考えてます。
論文だって、誰が、どんな組織、所属の人が書いているかも重要で、利権のために強調された結果だってあるでしょう。


発達相談において、精神科薬のことを訊かれることがあります。
でも、私は医者でなければ、医学に深い理解があるわけではなりません。
ですから、いつも「信頼できる医師やご自身でお調べになってください」とお伝えしています。
ただ上記でお話しした通り、自分で情報を集め、考え、自分なりの答えを出すことは行っています。


私が施設職員だった頃、毎日、毎食のように精神科薬の服薬の補助を行っていました。
当然、管理も行っていたわけで、いろんな種類の精神科薬を見てきました。
そこで思ったのですが、今の親御さん達から聞く薬の名前、お子さん達が服用している薬の名前がほとんど当時から変わっていないんです。
施設にいたのが20年くらい前だったので、どうしてその時代から新しい薬が出ていないんだろうと疑問に思います。
2000年前後って、急激な発達障害の診断の増加と連動するように、新しい精神科薬が出ていましたので。


そこで調べてみると、やっぱり精神科薬の開発(発達障害、うつ病、統合失調症など)は下火になっている。
そして今、新しいのは認知症の薬くらいで、不気味なことに2010年代くらいからはワクチン開発に力が注がれていたようです。
その背景はというと、アメリカの動きを見ればよいわけで、精神科薬の依存性や弊害が社会問題になっていた(1990年代)。
まあ、だからお薬大好きな日本人のところに持ってきて、マーケティングという名の在庫処分を行っていたのでしょう。
アメリカで売れなくなると、患者を増やして、薬を売るのは伝統芸能といえるいつものパターン。
精神科薬に関しては、新しい薬の開発よりも、既存のモノをできるだけ長期にわたって売り続けようという戦略なのかもしれませんね。


精神科薬は何のために服用するかといえば、脳内の神経伝達物質を調節することで、症状の改善を図るもの。
でも、ここで考えないといけないのは、その症状の原因はすべて脳内の神経伝達物質の問題なのでしょうか。
「セロトニンを増やす」などはよく耳にしますが、セロトニンが足りないからその症状が出ているのか、セロトニンの量が増えると症状が改善するのか。
もちろん、それが根本的な問題で改善する人もいるでしょうが、自閉症やADHDの子はみんな、神経伝達物質に問題があるのでしょうか。
私自身も、疑うことなくその説明を受け入れていましたが、「神経伝達物質を調整できる薬ができたから、神経伝達物質が原因だとしよう」ということってないですかね。
ADHDの子が服薬すると、その直後、数時間は集中ができるけれども、その後、ガクッと調子が悪くなるっていうのはよく見る姿で、「集中力を高める」のと「集中できないという課題を治療する」のとは違うと思うんです。
結局、根本治療ではなく、対症療法ですよね。
使用したことはありませんが(笑)、麻薬をやると、「頭がスキッとする」「頭が冴えて仕事がバリバリできる」などという話を聞きますが、見方によっては同じですね。


あと、この頃、考えているのは、水溶性と脂溶性について。
油の塊とも言える脳に浸透するってことは、精神科薬は脂溶性。
じゃあ、水溶性なら腎臓を通っておしっこで排出されるけれども、脂溶性で脳に取りこまれた化学物質って、どうやって排出されるのでしょうか。
短期間でしたら汗や運動(燃焼)によって排出できるかもしれませんが、長期にわたって服用した場合、なかなか出すことができないように思えるのです。


子ども達の場合、代謝がよく、燃焼する力も強いですが、発達障害のお子さん達は、汗がかけなかったり、運動自体が苦手だったりしてあまり活動的ではないことがあります。
そういう子ども達の場合、精神科薬の服薬は慎重になった方が良いのではないかと思うのです。
ターゲットとなる症状の緩和はわかるのですが、どのくらいの期間服用するか、そういった化学物質の排出、体内に蓄積することの弊害などは、きちんと医師から説明があるのでしょうか。
あくまで神経伝達物質についての作用であって、その他の臓器への影響については「食欲増進」「発汗作用」など、ぼやっとした説明になっている気がします。
遺伝子ワクチンと同じで、中長期的な作用と弊害、ターゲット以外への影響は「わからない」「個人による」というのが本当のところだと思います。
何故なら、上記のような説明を受けたという話を親御さんから聞かないからです。
私も調べているんですけれども、「これだ」というものと出あってません。


体内に入れるものに関しては、とくに発達途上にあるお子さんの場合は、より強く気を付けないといけないと思っています。
そして明確な答えがないからこそ、その子の体質によって違いがあるからこそ、大人たちがまず、たとえ医学的な話だったとしても賛否両方の意見を調べて考えることが必要だと思います。
人体は複雑系ですので、どんなエビデンスだったとしても、100%の人に100%の効果はないはずですから。




☆『医者が教えてくれない発達障害の治り方』のご紹介☆

まえがき(浅見淳子)

第一章 診断されると本当にいいことあるの?
〇医者は誤ることはあるけど謝ることはない
〇早期診断→特別支援教育のオススメルートは基本片道切符
〇八歳までは障害名(仮)でよいはず
〇その遅れは八歳以降も続きますか?
〇未発達とは、何が育っていないのか?
〇就学先は五歳~六歳の発達状況で決められてしまうという現実
〇現行の状況の中で、発達障害と診断されることのメリット
〇現行の状況の中で、発達障害と診断されることのデメリット
〇療育や支援とつながるほど、子育ての時間は減る

第二章 親心活用のススメ
〇親子遊びはたしかに、発達に結びつく
〇変わりゆく発達凸凹のお子さんを持つ家庭の姿
〇学校は頼りにならないと知っておこう
〇安定した土台は生活の中でしか作れない
〇支援者が行うアセスメントには、実はあまり意味がない
〇親が求めているのは「よりよくなるための手がかり」のはず
〇人間は主観の中で生きていく
〇専門家との関係性より親子の関係性の方が大事
〇支援者の粗探しから子どもを守ろう
〇圧倒的な情報量を持っているのは支援者ではなく親

第三章 親心活用アセスメントこそ効果的
〇子育ての世界へ戻ろう
〇その子のペースで遊ぶことの大切さ
〇「発達のヌケ」を見抜けるのは誰か?
〇いわゆる代替療法に手を出してはいけないのか
〇家庭でのアセスメントの利点
1.発達段階が正確にわかる
2.親の観察眼を養える
3.本人のニーズがわかる
4.利点まとめ
〇家庭で子どもの何をみればいいのか
1.発達段階
2.キャラクター
3.流れ
4.親子のニーズの不一致に気を付けよう

第四章 「我が子の強み」をどう発見し、活かすか
〇支援と発達援助、どちらを望んでいますか?
〇子ども自身が自分を育てる方法を知っている
〇親に余裕がないと「トレーニング」になってしまう
〇それぞれの家庭らしさをどう見つけるか
〇親から受け継いだものを大切に、自分に自信を持とう

あとがき(大久保悠)


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