2022年11月14日月曜日

【No.1325】「掴めない実態を見える化したい」という欲求

マスクをつけている人がみんな、感染しないのであれば、わかりやすい。
遺伝子ワクチンを打った人がみんな、重い副反応が起き、接種した国にだけ、その月だけ超過死亡が急増すればわかりやい。
だけれど現実は、マスクをつけていても感染するし、つけていなくても感染しない人もいる。
ワクチンを打ってなんの副反応が起きない人もいれば、超過死亡がすべてワクチン接種だともいいきれない。
私はマスクもしないし、接種もしないが、ネット上で繰り広げられているこういった単純な論争に対して冷めた目で見ていて、本当の目的は何が正しいかではなく、こうやって人々が争い、分断してき、結果的に日本という社会、世界という仕組み、それぞれの家族、コミュニケーションが崩壊することなんじゃないかな、なんて思っています。


話を単純化したい人に共通するのは、「掴めない実態を見える化したい」という欲求だといえます。
発達障害は発達の経過とともに徐々に明らかになっていくものなので、親御さんは違和感から不安、そして確信、悲観へというようなプロセスを通ることが一般的です。
なので、徐々に発達が遅れ出した我が子に対して、「なぜ!?」「どうして!?」という想いを持たれることが多い。
たとえば、交通事故などが起きたあと、麻痺や記憶障害などが起きれば、原因と結果がわかりやすく、同時に納得できる面もありますが、それがないのが発達障害の特徴ともいえます。


どうして発達障害が起きたのか、我が子が発達障害になったのか、がわからない。
ゆえに混乱の時期が長いということがあるのだと感じます。
中には「とにかく動こう」という親御さんもいて、そこにはその親御さんのキャラクターもありますが、金銭的な余裕、生活のすべてを後回しにしてもOKな環境などの条件があって、はじめて成り立っているわけで、「とにかく一心不乱に突き進んでいたら、気がついたとき、治っていた」というのが実態になるでしょう。
ですがやっぱり大部分の親御さんは、原因と結果が明確じゃないと動けないくらい余裕がないといえます。


ですから相談でも
「忘れ物をなくすには、なにをすれば良いですか?」
「普通級にいくためにはどうしたらいいですか?」
「発達のヌケを埋めたら治りますか?」
「息子の問題は、私の愛着障害のせいですか?」
「栄養が整ったら、知的障害が治りますか?」
というようなご質問が多く、そういったご質問をされる方には「親御さんの安心を得たいがための回答はしないようにしています」とお返事しています(笑)
発達障害の原因は特定できないし、単純明快な答えなどは幻想ですね。


よく周産期のことが挙げられますが、たしかに発達障害との関連性が強いといわれています。
でも、未熟児がみんな、発達障害になるわけではありませんし、帝王切開の子がみんな、運動発達に遅れが出るわけではありません。
愛着障害を持った親御さんの子の多くは、発達障害児にはなりませんし、発達障害児のすべてに原始反射の残存があるわけでもありません。
発達障害が増えた、増えたと言いますが、それでもやっぱり発達障害者は少数派であり、いくら発達障害のリスク要因があったとしても、そのリスクを軽減し、また超えるだけの環境があればならないのだといえます。


私は性格の歪みからかもしれませんが(笑)、「どうして会ったこともない子のうまくいったアプローチが我が子にも合うと思うのだろうか」と疑問に持ちます。
あくまで、うまくいったのはその子に合っていたからで、別の他人である我が子にそれが合うのか、効果があるのか、わかりません。
むしろ、逆効果ということもあるし、そもそもSNSなんて話し半分で聞くべきもので、その発信者が盛ったり、嘘ついたりしている可能性だってありますね。
実際にお会いすると、「ぜんぜん、治ってないじゃん」という人もいれば、「もうとっくに治っていますね」「むしろ、それは課題じゃなくて素晴らしい資質ですね」という人もいます。
「みんなが効果があるって言っているのに、どうしてうちの子は続けてもダメなんでしょうか?」という相談も多く、「"みんな"って誰ですか?」といえば、ツイッターでフォローしている数名の親御さんらしきアカウントの人が答えということもあります。
結局、我が子に合っていないことをやっているから改善が見られないわけで、見るべきところはSNSではなく、目の前にいる我が子だったりしますね。


このブログを読んで下さっている人は親御さんが多くと思うのですが、上記のように原因と結果を単純化したくなったら、知らず知らずのうちにそうしていたら、「治るから遠ざかっているな」「発達援助ができていないな」と冷静になり、そしてそういった心持ちになっている自分自身に余裕がなくなっているという自覚を持つことが必要だと思います。
余裕の無さが一番、子どものことを見失う要因ですから。
余裕がない→原因と結果の単純化→子どもに合致する可能性が低い→そのアプローチに大人の側がこだわってしまう→逆効果の危険性・愛着形成を歪める危険性→改善が見られない→余裕がない→負のループ。


医師や支援者と言うのは、親御さんを下に見る傾向があるので(意識的、無意識下ともに)、単純な原因と結果で話を進めてくることが多くあります。
支援者もバカの一つ覚えのように、自分がやりたいアプローチをごり押ししてきますよね。
「アスペにはSSTです」みたいな支援者とは、ハナから私は話をしません(笑)
この前も「原始反射の統合が一番なんです」という支援者がいて、相談者全員に原始反射の統合を指示していました。
私は支援者の親御さんを下に見る姿勢、または単に勉強不足なだけか、アプローチを売ることを目的としているのかは分かりませんが、それが嫌なので、そして何よりもその子だけではなく、家族全員がよりよく変わっていくことで、結果的により良い発達ができると信じていますので、親御さんが変わっていける方を重視しています。
ですから親御さんに求めるレベルは高いですし、自分たちの力で我が子が治っていけるまで後押しし続けられるような"自立"が目指すべき姿になっています。


きれいな原因と結果が欲しくなったら、ご自身の子育て、発達援助の黄色信号。
子どもは日々成長し、変化するものなので、環境からの刺激によって常に揺れ動く存在なので、その複雑な状態を楽しめるようになるのが理想ですね。
「言葉が出ない理由はあれかもしれない。これかもしれない」というようにいろんな理由が連想できること、そしてその理由がたくさん挙げられるだけ我が子のことをきちんと見れている証拠だと思います。
ちゃんと子どもさんのことを見ることができている親御さんほど、どこから手を付けて良いか悩むものですから。




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