【No.1234】日本人のための発達援助
函館は重症で入院している人がいないのに、ここ数日、死亡の報告がされています。
しかしよく統計を見ると、陽性者数にはその人たちの数は入っておらず、じゃあ、なんでコロナ陽性と同じシートで報告を上げているのだろうと思いますね。
「みなし陽性」なんて、次から次によく考えるよなと思いつつ、ますます日本の統計は当てにならないと感じました。
そういえば、みなし陽性に対して、「医師として今までの能力全てをかけて、この方は陽性だと言っているわけですから」なんて言っていた医師がテレビに出ていたそうです。
診察室に入ってきた子を観て、「はい、当たり(自閉症)」「はい、外れ(自閉症ではない)」と言う医師や、子どものことをロクに見ないで「はい、発達障害ね」と言い、その理由を尋ねた親御さんに、「私がそういっているんだから、あなたの子は発達障害なんだ」と怒鳴りつける医師も、あるあるでよく伺う話。
医師っていつから神のような存在になってしまったのでしょう。
日本の統計が当てにならないのか、そもそもさざ波程度で流行がなかったので比較できないのかわかりませんが、専門家やテレビ医師が持っているデータは常に海外のものでした。
アメリカではどうだとか、イギリスではどうだとか。
「オミクロンの症状、毒性、感染力はどうでしょう?」と尋ねられると、「ブラジルでは…」「南アフリカでは…」と他国の状況を引っ張ってくる。
「オミクロンはただの風邪ではありません。子どもも重症化するんです」と言う割には、それがアメリカの話だったりする。
私達が訊きたいのは、海外でどうとか言うよりも、日本人でどうなのか。
風土、食べ物、住環境、衛生状態、人口構成、医療体制など、国によって大きく違うのですから、日本人にとって新型コロナはどの程度の脅威なのか、病原性なのか、が知りたいわけです。
なんで陽性者数も、死亡者数も日本の20倍くらいの欧米と同じような対策をしなければならないのでしょうか。
かつて専門家たちはこぞって欧米からの療育・支援を輸入することに熱心な時期がありました。
確かに障害者支援・教育は欧米のほうが進んでいました。
しかし、療育方法やその根っこに流れる思想、文化を細かく見ていくと、日本の社会、子ども達、障害者たちには合わないなと思うことが多々ありました。
たとえば、仕事に対する考え方も、とにかく”こなす”ことを重視し、身に付けさせます。
アメリカに研修に行ったとき、レストランでの食器洗いの様子を見学しましたが、皿に油が付いていようが、ケチャップが付いていようが、そのままジャボジャボと石鹸の入ったケースに突っ込んで、あげるだけ。
見ていた支援者も、とくに注意しないし、その支援者も携帯をいじりながら、時間になったら自閉症の人をそのままにして帰っちゃう。
日本人にとって働くとは、単にお金を得るための行為ではなく、誰かが喜んでもらうことで自分自身も嬉しい、仕事を通して心身を磨き豊かにする、自然災害が多い国ですからお互いさまの精神で生き抜くための協働作業など、その意味が違うといえます。
そもそもが支配者層に入ることが目的で、働くことが罰であり、ネガティブな感情を持っていた文化圏と話が合うわけがありません。
学校の余暇エリアを広く作り、タブレットやテレビなど、やたら快適な作りにしている様子を見ると、またやたら一日のスケジュールで余暇活動が頻回で長いのを見ると、「ああ、欧米から輸入された療育の影響だな」と私は感じます。
強度行動障害の人達だけのグループホームを見学に行きましたが、朝から庭の大きなプールでみんな遊んでいて、「狭い日本の住環境における強度行動障害の人達とは意味合いが違うよな」と思ったものです。
欧米では大変なコロナも、日本では流行をすることなく、新しいタイプの風邪だったといえます。
つまり、やはり環境と人種の違いがあった。
毎年、コロナウィルスの風邪に罹っていた日本人であり、欧米のような肥満、肺や血管に問題が起きそうな食生活もしていなかった。
そんなことを思うと、やはり日本人にあった子育ての仕方があり、療育&支援、また発達援助の仕方もあるのではないかという気持ちになります。
日本人の優れているところは、感覚系だと思います。
それはずっと豊かな自然の中で、しかも四季の移ろいがあるこの島で生きていた文化があるからです。
縄文時代から夏至と冬至で太陽が同じ位置になるように石や柱を配置し立てていた。
自然は征服するものではなく、ヒトも自然の一部であるという生活を1万5千年前の日本人は営み、それが現代の我々の身体にも引き継がれているはずです。
それくらい繊細な感覚を持っていたのが日本人だといえますので、やはり強みである感覚を育てることが、個人としての人生を豊かにするのではないでしょうか。
発達のヌケやズレは、受精から2歳前後の言葉以前の段階で生じることが大部分です。
つまり、この時期は大脳皮質ではなく、もっとその下の原始的な脳の部分が発達する時期になります。
呼吸や感覚、運動など、動物として生きる部分に課題が生じることで、その上に乗っかる人間脳の部分に歪みが生じて、それを現代では「発達障害」と呼ぶことにしているのです。
ということは、人間脳に働きかけるアプローチは根本解決には至りません。
別の言い方をすれば、それはアプローチの問題だけではなく、支援する側、親御さんの側も、大脳皮質下でアプローチしなければならないということではないでしょうか。
冬の北海道は寒くて雪だらけですが、そんな中でも外遊びを続け、自然の中で思いっきり冬を過ごしたご家族がいらっしゃいます。
何か目的があるわけではなく、ただ豊かな自然の中で、我が子に必要な感覚刺激を充分に味わってほしい、ただその想いだけで冬を過ごされた。
久しぶりにお会いすると、私と目が合うようになり、明瞭な言葉も出るようになっていました。
あれだけ感覚遊びに没頭していた子が、私と手をつないで微笑むようになったのです。
まさに親御さんも一緒に大脳皮質下のレベルで活動をされたので、そこが豊かに刺激され、全体的な発達に繋がったんだと思いました。
「言葉以前の段階の発達のヌケ」というのはだいぶ親御さん達の中に浸透したと思います。
一方でもう一歩、ご自身もその言葉以前の段階に入って子育て、発達援助を行う、ということの理解まではいけていない方も少なくないような気がします。
子どもを公園に連れて行っているけれども、親御さんは大脳皮質で子どもさんを観察し、活動を促している。
だから、「本当にこの子に必要な遊び、刺激なのかな?」「うちの子の発達のヌケは〇〇で、こういった動きをさせなきゃ」という不安や疑問が生じてしまう。
私のアセスメントよりも、親子で心地良いを追及する方が伸びていくと思いますし、頭で分からないんだったら、子どもさんに自由に自分自身で発達のヌケを育て直してもらえば良いと思います。
日本がグローバル企業、国際資本の植民地のようになったとき、もう一度立ち上がるためには、そんな中でも個人が力強く生きていくには、やはり日本人としての強みが大事になるでしょう。
歯を食いしばって耐えるのは得意な日本人です。
ですからあとは現状を打破するような発想の転換、創意工夫が求められ、それには日本人の豊かな感覚が力になると思います。
繊細な感覚の違いに気がつき、新たな突破口が見つかるかもしれません。
感覚的な直感の結びつきが新たな技術革新、またビジネス、サービス、商品を生みだすかもしれません。
物事の暗記、データ記憶と処理はAIには勝てません。
語学力と屈強な肉体、安い労働力では外国人には勝てません。
日本人の繊細な舌が、機械では生みだせない味を生みだし、料理という道で生きていくことになる。
日本人のきめ細やかな心が、優しい心配り、おもてなしにつながり、接客業で生きていくことになる。
日本人の見えないものを察する感覚が、治安維持や防犯、警備の仕事に活かされ、生きていくことになる。
こういった日本人としての資質を活かしていくことが、敗戦後の日本、世界で自立して生きていくことに繋がると私は考えています。
人種の違いと比べれば、発達の凸凹は大きな違いではありません。
ですから、グローバル主義の世界では、1つの国の大学を出たとか、どこどこ大学出身だとか、幼少期、言葉の遅れがあったとか、もっといえばしゃべろうがしゃべらないだろうが、そんなこと大した問題にはならいでしょう。
どんな未来がやってくるかはわかりませんが、人間として生き抜くためには、健康的な身体、整った生活習慣、そのためにはできるだけ未発達、ヌケは育て直しておくことが必要になるはずです。
そして支配される側から抜け出すには、日本人として何万年もの間、受け継いできたもの、感覚を活かして、それを武器に仕事と生活に活かしていく。
AIは言葉以前の段階が苦手です。
外国人は、日本人ほどの感覚の繊細さを持っていません。
だから、日本人の子育て、発達援助はAIにも、外国人にも担えないでしょう。
それまでの制度や価値観、すべてがぶっ壊れた世界は、個が問われる。
個を磨くことは、資質を磨くこと。
豊かな感覚という資質を持つ日本人に合わせた発達援助を追求し、形作っていきたいと私は考えています。
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