【No.1432】耳の課題に対する発達援助

「ひとの話を聞くのが苦手」
という悩みは、子どもだけではなく、大人の相談でもあるあるです。
聴覚過敏も含めて、耳に関する問題にはいろいろな背景があります。


耳が単純に育っていないため、聴覚過敏や反対に耳からの情報処理が苦手、抜け落ちが多い、という人もいます。
そういった場合は耳を育てればいいですね。
耳の育て方は平衡感覚からアプローチする方法と、音刺激からアプローチする方法があります。
耳の構造、発生からみれば、このバランスを取る機能と音を聞く機能は密接な関係。
バランス感覚が乏しくてよく転ぶ、階段などを恐る恐る。
ほぼ機能が働いていなくて高いとこも平気、何回くるくる回っても目が回らない。
そういった子はひとの話が聞けないし、耳からの理解が苦手な場合が多い。
「耳を育てたければ、平衡感覚を育てよ」というのが基本中の基本になります。
そして同時進行で、本人の回りの音環境を調整していく。
できるだけ刺激の強い音、繰り返しの人工的な音を排除し、自然な音に包まれるようにする。
これは「未発達を育てる発達援助」


「未発達を育てる発達援助」というのがあれば、そうじゃない発達援助もあります。
脳の萎縮、サバイバルとしての小さき脳のケースです。
多くは幼いころ、自らの意思で耳を閉じてきた人たち。
どの時期にどんな”聞きたくない言葉”を聞いてきたかによって耳の出方と治り方、治し方が違っていきます。
ここで説明するにはあまりにも多種多様なので割愛しますが、この前の大人の方は胎児期だったし、夏に関わった小学生の子は3歳くらいでした。
激しい夫婦喧嘩を見てきた子は後頭葉が委縮するのと同じように、聞きたくない声、言葉を聞いてきた子は側頭葉が委縮する。
これは生き抜くためのネガティブな適応の一種だといえるのです。


こういったケースは発達障害と間違われることが多いのですが(とくに学習障害とか、ADHDとか、ボーダー&軽度の子とか言われますね)、未発達の子と同じように治る。
治し方と期間が違うだけで発達援助はここもカバーできます。
この頃は従来の「トラウマ処理」「心地よい刺激による解放」に加えて、患部に直接触れて刺激する方法、つまり、「TMSもどき」もやってみてます。
結構評判が良くて、ママがお子さんの側頭葉らへんをトントンとやると「気持ちがいい」と求めてきたり、大人の自己治療としては手軽で副作用がないので「以前よりラクになりました」と言ってくれる方もいます。
神田橋先生のように気は送れませんが(笑)、なんらかの電気刺激が起きているかもしれません。
ある人は、「タッピングするよりも、指を置いてるだけのほうが効く感じがする」と感想をくれた方もいました。


まあ、まとめると、耳の課題は治りやすいということ。
いろんな症状、課題の相談があるけれども、耳に関する知見、実績が溜まっているためか、上記のようなアプローチの結果、「治りました!」という報告を多くいただきます。
家庭で育てやすい、取り組みやすいのもあるかもしれませんね。
実際に取り組み、治してきた皆さんのおかげで、耳の課題は「治りやすい!」といえるところまでくることができました。


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