【No.1425】「呼吸を育てる方法は?」

「呼吸を育てる方法は?」
という相談メールが早速来ます。
当然です。
昨日のブログを読んでくださった親御さんなら知りたくなるのは自然な感情。
「少しでも良くなる方法はないか」
「我が子が楽になれるアイディアはないか」
そんなアンテナが立っているからこそ、SNSを通して縁ができるのだから。
そうやって意識の高い人が相談者、利用者になってくれるから、変わるのが早い、親御さん、支援者さんのほうが。


呼吸を育てる方法、呼吸を整える方法は、無数にあります。
先日ブログにした『脳の中身を見てみよう~AI時代の発達セラピー』の書籍の中で紹介されていたバイオフィードバックで心拍数を見ながらトレーニングしていく方法があります。
また必ずしもそういった科学的な方法じゃなくても、シャボン玉や風船膨らませ、ストロー吹き、プールやお風呂に潜って育てる方法だってありますね。
ADHDと呼ばれる子が、動き回っているのは自分自身で呼吸を育てているともいえるのです。


じゃあ、冒頭の相談に戻ります。
「呼吸を育てる方法は?」
という相談の答えは
「たくさんあるんですよね」
「私の持っている情報、経験から言えば、〇〇や△△、□□がありますね」
になります。
でも、みなさんはそこが知りたいわけじゃない。
「(”我が子の”)呼吸を育てる方法は?」
なんですよね、きっと。
だけど、そこには個別性がある。
みんな神経発達症だけど、あなたと私の子は同じ神経発達症ではない。


近い将来、自分でインストールしたアプリでモニタリングしながら呼吸が育てられるような時代がくると思います。
だけれども、そこにはまらない子もいるわけです。
デジタルに没頭しすぎてしまうか、反対に刺激が強くて見れない子。
そもそも集中が難しい子、理解が難しい子、身体コントロールの部分で課題がある子もいる。
赤ちゃん、幼児さんだっている。
そしてもしかしたら呼吸は本当の課題ではなくて、ほかの根本的な問題から派生している結果なのかもしれない。


だから、「(”我が子の”)呼吸を育てる方法」は、私にはわからない。
知っているのはお母さん、家族だから。
そして教えてくれるのは子どもさん自身。
子どもさん自身をよく観察して、どういったアイディア、方法なら呼吸が育てられるか。
もっといえば、自然と呼吸が育っていくような状態、環境をどのように作っていけるか、生活を、我が子の子ども時代をアレンジ、コーディネートしていけるか。
そこを一緒に考えたり、ときに勉強や知識を深める機会を提供するのが、発達援助者としての役割になるのだと思います。
ですから冒頭の相談者のお母さんには、お子さんの様子で「こういった様子、動きはありませんか?」と、まずはお子さんを見ることから始めて、一緒に考えましょうとお伝えしています。


ヒトは生きている限り、みんな、呼吸をしている。
だけど、その呼吸の仕方に未熟なところやバグがあることもある。
みんな、気にも留めないようなことだからこそ、見過ごされやすい。
援助、支援の対象になることが少ないですね。
だから、抜けたままのケースも多いし、呼吸という根本&土台の発達が不安定だから積み上がっていかない。
また別の見方をすれば、みんな、人類、勝手に(?)育てられるものだから、家庭や子育て、遊びの中で育てることだってできると思いませんか。
子どもの息、鼓動を感じることは、今日この瞬間からお母さんができることですね。




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