【No.1309】「おっぱいを飲まないんです」

「うちの子、おっぱい、ぜんぜん飲まないんです」
2022年に入って、なんど聞いた話でしょうか。
前回のブログで、今年に入って乳児さんの相談が増えたという話を紹介しました。
本当に増えたんですよ、0歳代の子ども達の発達相談が。
そして、ほとんどの親御さんが「おっぱいを飲まない」ということを訴えられます。


私はニッチな商売をしていますので、当然、相談に来られるケースは特殊なものばかりになる可能性があります。
ですから、たった一つのケースであったことを、不特定多数に向けた発信ではしないようにしています。
しかし、この「おっぱいを飲まない」は、私以外の人も、別の場所でも感じている人がいるんですよ。
私の知り合いの保育園の先生だったり、医療系で子ども達と関わっている人だったり。


「おっぱいの飲み具合」というのは重要なアセスメント項目の一つになります。
どのくらい飲んでいたかという量も大切ですが、「リズムよく飲める」「ちゃんと舌を使って乳首をたぐり寄せられる」ということが、その時点できちんと発達できていたかを確認する上でポイントになります。
おっぱいを飲む時点で、うまく吸えなかったり、だらだらと口から流れてしまったり、くわえるだけで舌が動いていなかったりすると、「胎児期から神経発達の遅れがあったのでは」と推測されます。
お母さんのお腹の中で、羊水を飲んでは吐く、指しゃぶりを繰り返し、おっぱいを飲む練習をしますので。
その練習が足りなかったのか、やりきれる環境ではなかったのか、はたまたそれ以前に、練習できない器質的な課題があったのか、アセスメントではさらに背景を推測していきます。


おっぱいを飲めない赤ちゃんが増えたと聞いて、はじめはワクチンの生物的な影響やマスクによる酸素の問題、消毒・除菌の影響、お母さんの心理的な不安が、胎児期の神経発達に不具合を生じさせていたんだと思っていました。
先ほどお話しした通り、おっぱいを飲むという原始的な動きができないとなると、胎児期以前で神経発達に課題があった可能性が高いからです。
しかし、赤ちゃん、親子を見ている人達と話をしていく中で、それだけではないと思ったんです。


どうも赤ちゃんが、おっぱい自体を拒否している感じ。
どうしてそう思うかといえば、ミルクならごくごく飲む赤ちゃんもいるからです。
もし胎児期の神経発達の課題だとしたら、ミルクに変えても飲みません。
実際、相談に来られる親御さんの中に、「おっぱいも、ミルクも、ぜんぜんダメだった」という人が多いからです。
神経発達の遅れによる"飲む"運動ができないの場合、おっぱい、ミルク、離乳食、食事自体に課題を持っている子が多いと言えます。
ということは、ミルクなら飲む子は、おっぱいを避けていると考えられます。


ある保育園では、赤ちゃんクラスの子ども達、ほとんどがおっぱいが飲めず、ミルクのみになっているそうです。
もちろん、ミルク自体も上手に飲めない子もいるとのことですが。
とにかく2022年以前には見られなかった光景です。
見られなかった光景と言えば、やはり言葉の遅れ、社会性の遅れが現場レベルでは常識になっているとのことでした。


ワクチン接種者から放たれるシェディングについては、知られるようになってきたと思います。
私も昨年、沖縄に行ったとき、CAさんが近くに来るたびに頭痛がありました。
「約3分で機内の空気がすべて入れ替わります」って言ってるけど、体内から常時放たれていたら意味ないじゃん、と思ったくらいです(笑)
接種者の副反応も、血液に関連するものが報告されていますので、血液からできているおっぱいになんらか母体由来ではないものが含まれていても不思議じゃありませんね。
あのCAさんも、将来、子どもを授かりたいと思うときがくるのかな。。。


赤ちゃんは、おっぱいを通して母親から抗体(免疫グロブリン)を受け取る。
それが十分にできなければ、その後の心身の健康、発達に影響が出ることもあるでしょう。
日本は赤ちゃん、子ども達を守らないでどうするんです。
ちょっと伸びた高齢者の寿命と引き換えに、次世代を担っていく、100年時代を生きる子ども達の長い時間を犠牲にしているのです、ホントやりきれませんね。




☆『ポストコロナの発達援助論』のご紹介☆

巻頭漫画
まえがき
第1章 コロナ禍は子ども達の発達に、どういうヌケをもたらしたか?
〇五感を活用しなくなった日本人
〇専門家への丸投げの危険性
〇コロナ禍による子ども達の身体の変化
〇子どもの時間、大人の時間
〇マスク生活の影響
〇手の発達の重要性と感覚刺激とのソーシャルディスタンス
〇戸外での遊びの大切さ
〇手の発達と学ぶ力の発達
〇自粛生活と目・脳の疲労
〇表情が作れないから読みとれない
〇嗅覚の制限 危険が察知できない
〇口の課題
〇やっぱり愛着の問題
〇子ども達が大人になった世界を想像する
〇子どもが生まれてこられない時代
〇子育てという伝統

第二章 コロナ禍後の育て直し
〇発達刺激が奪われたコロナ禍
〇胎児への影響
〇食べ物に注意し内臓を整えていく
〇内臓を育てることもできる
〇三・一一の子どもたちから見る胎児期の愛着障害
〇胎児期の愛着障害を治す

第三章 ヒトとしての育て直し
〇噛む力はうつ伏せで育てよう
〇感覚系は目を閉じて育てよう
〇身体が遊び道具という時期を
〇もう一度、食事について考えてみませんか?
〇食べると食事の違い
〇自己の確立には
〇右脳と左脳の繋がりが自己を統合していく
〇動物としての学習方法
〇神経ネットワーク
〇発達刺激という視点

第四章 マスクを自ら外せる主体性を持とう
〇なぜマスクを自ら外せることが大事なのか
〇快を知る
〇恐怖を、快という感情で小さくしていく

第五章 子どもの「快」を育てる
〇「快」がわかりにくいと、生きづらい
〇快と不快の関係性
〇子どもの快を見抜くポイント
〇自然な表情

第六章 子ども達の「首」に注目しよう
〇自分という軸、つまり背骨(中枢神経)を育てる
〇首が育っていない子に共通する課題
〇なぜ、首が育たない?
〇首が育たない環境要因
〇首が育つとは
〇背骨の過敏さを緩めていく
〇首を育てるには

第七章 親御さんは腹を決め、五感を大切にしましょう
〇子育て中の親御さん達へのメッセージ
〇部屋を片付ける
〇子どもと遊ぶのが苦手だと思う親御さんへ
〇ネットを見ても発達は起きません
〇発達刺激という考え方
〇五感で子どもを見る
〇特に幼児期は一つに絞って後押ししていく

第八章 自由に生きるための発達
〇発達の主体を妨げない存在でありたい
〇大人が育てたいところと子どもが育てたいところは、ほとんど一致しない

あとがき
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