【No.1099】zoom講座「医者が教えてくれない育ちのアセスメント」を終えて

大学1年の夏、サマースクールのボランティアに参加したあと、放課後の余暇支援ボランティアにも参加するようになりました。
そこで初めて担当したのが、自閉症の男の子でした。
こちらが話しかけても反応はありませんし、男の子からの訴えも理解することができませんでした。
パニックだってしょっちゅうでした。
それでも、その子の親御さんはいつも「ありがとう、ありがとう」と言ってくれて、私にボランティアを依頼してくださいました。


生まれて初めて「自閉症」という言葉と、そういった障害を持っている子どもさんと出会った私は、とにかく彼のことを知りたいと思いました。
そこで向かったのが、大学近くの書店です。
『障害児教育』と書かれていた棚に向かうと、すぐに目に入ってきた本がありました。
当時は少なかった障害児関係の本の中でしたが、1つだけ真っ赤なカバー。
しかも、赤色は私が好きな色であり、ラッキーカラーでもありましたので、迷うことなく手に取り、中を開きました。
『自閉っ子、こういう風にできています!』
私が初めて買った障害児関係の本です。


そのときから、今年でちょうど20年。
まさか、あのとき、初めて読んだ本をこの世に送りだした浅見さんと、そして15年近く特別支援教育、療育を突き進んでいた私を変える知見を教えていただいた栗本さんと、対談させていただくなんて…。
そのときはわからなくても、ときを経て繋がっていく縁があるもんだと感じました。


大学1年の秋、私が赤本を手にしていなければ、自閉症の男の子との関わりを続けていなかったかもしれません。
そうなれば、入学当初の目標であった小学校の先生を今頃、やっていたかもしれません。
少なからず、今のように起業して支援者を行っていなかったのは確かだと思います。


栗本さんとの対談は、私にとって幸せな時間でした。
本当は、仕事として依頼されたことですので、このような感情を持つことも、ここで表明するのも間違っているのかもしれません。
でも、それが私の正直な気持ちです。
対談が始まる前の浅見さん、栗本さんとの打ち合わせも、その後の振り返り、打ち上げも、心地良さを感じていました。
表現やキャリア、立場は違いますが、見ている先は一緒。
浅見さんも、栗本さんも、未来を見てお話をされている。
社会が、人類が、今よりも良い未来を迎えられるように。


浅見さんは、10年くらい先を見ているような気がします。
と言いますか、10年先の未来の物語を綴っているように感じます。
2030年代に入れば、浅見さんが仰っていることも、出版されている本の中で語られていることも、当たり前になっているでしょう。
赤本が出された当時、誰一人として、自閉っ子の身体や感覚に注目していた人はいませんでした。
でも、2010年代に入ると、自閉っ子の内側の世界に、親御さんも、支援者も、注目し、理解しようとする動きが出ましたし、実際、そこへのアプローチを始める人たちが当たり前になっていました。


ですから、私の対談での個人的なテーマは、未来でした。
未来を綴っている浅見さんの主催です。
栗本さんも、今の子どもさんの状態を見るプロフェッショナルではありますが、想いはこの子ども達が思春期を迎えたとき、大人になったとき、そしてその次の世代までをも見ながら指導されています。
私に10年先を綴る力も、次の世代を見つつ指導する力もありませんが、視聴してくださった方達の明日がより良いものになってほしいという想いをもって言葉を発していたつもりです。
一人でも多くの方に、その想いが伝わってもらえれば、私も嬉しく思います。


「テレビに出ていたアイドルと結婚する」なんていう話もあり、そこまではいきませんが(笑)、学生時代、初めて手に取った障害児関係の本を作った浅見さんと、支援&療育一辺倒だった私に大きな気づきを与えてくださった栗本さんと一緒にお仕事をさせて頂いたことは、私にとって大きな出来事であり、幸せな時間になりました。
講演者の最大の利点は、対談以外のよもやま話です。
お二人の言葉、雰囲気の中に、私の心や考えを揺さぶるようなものがたくさんありました。
これは、お二人との共有の中で生まれたものなので、そのまま、お出しすることはできませんが、これからの発達相談やブログ等の発信で、その揺さぶりの雰囲気を皆様にもお伝えしていこうと思っております。


まず、お金を払ってご視聴頂いた皆様、誠にありがとうございました。
そして企画や告知、受付等、今も録画の配信を行われている主催してくださった浅見様、ありがとうございました。
zoomでの講座は、ボリンゴ様の知識と力があってのことだと思います。
どうもありがとうございました。
事前の配信環境の準備は、浅見さんの旦那様にお手伝いいただきました。
本当にありがとうございました。
そして、私の話を温かく頷きながら聞いてくださり、惜しげもなく深い知見を披露しつつ、対談を導いてくださった栗本様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!!




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