支援者を見抜く2つの側面

支援には、大きく分けて2つの側面があります。
評価と指導です。
評価は、本人の特徴や発達段階、課題等を見極めることで、
指導は、実際に手を動かして発達援助、課題の解決を行うことです。
医療で言うと、診断と治療にあたりますね。

私は、支援者を見るとき、この2つの側面を確認しています。
この人の評価する力はどうか?
この人の指導する力はどうか?
この2つの側面を確認すれば、だいたいその支援者の特徴、力量が見えてきますね。

本人の特徴や課題を的確に見抜ける人がいる一方、指導のアイディアが豊富、タイミングを読むのがうまくて、課題の解決ができたり、順調に成長を促せる人がいます。
でも、この両方がうまいっていう人は、なかなかいませんね。
いくら本人の特徴を的確に見抜くことができたとしても、指導が下手くそだと、本人は成長していきません。
いくら指導に関する知識やアイディアをたくさん持っていたとしても、本人にそぐわないことをしていたら、成長できません。
良い支援者っていわれる人でも、どっちかが優れているだけということもありますね。

支援を選ぶ側としては、漠然と評判の良い支援者、悪い支援者と見るのではなく、きちんと情報を集めて、その支援者の評価力と指導力を確認する方が良いと思います。
今、私は、または我が子は、評価と指導、どちらを必要としているのだろうか?
「ある程度、評価の情報が集まっているから、指導がうまい人にお願いしよう」
「家庭で私が指導できるから、私が気が付かない部分を評価してもらえる人を探そう」
というように、今のニーズを整理し、それに合った支援を選ぶのがベストだといえます。
オールマイティにできる支援者なら、ずっとその人を選び続ければよいですが、なかなかそうはいきませんので、その時々で選択する方が良いと思います。
それじゃないと、結局、「評価ばかり」「指導ばかり」と偏りが生じ、タイムリーに成長できませんから。

あと時々あるのですが、「良い支援者なんですぅー」と言うのでお会いしてみると、よく話を聞いてくれる、親切、気配りができる、優しい、口がうまい、イケメンなだけという人がいますね。
こういった方は、良い支援者ではなく、良い人ですね。
もうお分かりのように、人柄の良しあしは、本人の成長とは直接的な関係はありません。
本人ではなく、親御さんが「慰めてほしい」「話を聞いてほしい」「ダメじゃないって言ってほしい」などを満たすには良いかもしれませんが…。

自分だけ気持ちが満たされて、子どもが変わっていかないというのでは、結局、ネガティブな感情はなくなりませんね。
残念ながら、そういった保護者の方を多く見かけます。
ですから、本人の課題が解決する、本人の資質を活かして成長する、というのを求めるのでしたら、支援を選ぶ側の評価力も必要になってくると思います。
何年も、本人が変わっていかないというのは、本人のニーズと支援の特徴との間にズレが生じているかもしれませんよ。

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