【No.1295】『発達障害、治った自慢大会!』を読んで
明日から出張なので、帰ってきてから読もうと思ったんですよ。
でも、ちょっとだけ、ちらっと、ぱらぱらっと見るだけと思ったのですが、夕食を挟んで一気に読んじゃいました。
それくらい面白い本で、魅力的な本でした。
やっぱり私は、人が好きなんだと思います。
それぞれの家庭の物語のお話を聞かせていただき、人が育つ素晴らしさと家族の大切さを改めて感じることができました。
今回の新刊に登場するご家族は、みなさん、年代が違います。
私は支援者としては、味噌ぴさん、いぬこさんが歩まれてきた時代が、そのままハッタツの世界との関わりと重なり、一人の親としては今まさに子育て中のたにしさん、智くんのおうちと重なり合います。
「そういえば、こんな雰囲気だったな、ハッタツの世界は」というような10年、20年前を思い出し、一方で今の時代によりよく子どもを育てていくには、親である自分自身も腹を据えて子育てしていかなければならないと、同じ子育て世代の親としての想いに共感します。
発達障害が治らないと言われていた時代の子育て。
発達障害が治ると言われるようになった時代の子育て。
今は猫も杓子も発達障害とされてしまう時代ですので、発達援助と子育ての境目が無くなった気がしています。
ましてや、コロナ騒動の過剰な対策によって、子ども達の自然な発達は抜けっぱなし。
どの子もみんな、発達のヌケの育て直しが必要で、どの子もみんな、もう一度、愛着形成のやり直しが必要。
だから、どの子も必要なのは、ヒトとしての自然な発達を辿り直す発達援助の視点なんだと思うのです。
4名の治っていった子ども達、若者たちの話を本にしようと考える出版社は、花風社さん以外いないし、そもそも思いつきもしないでしょう。
20年以上、ずっと本人たちの目線に立ち「ラクになってほしい」「治ってほしい」とまっすぐ突き進んできた集大成といえるような書籍だと感じました。
たぶん、花風社の浅見さんが願っていた未来が、4家族の「治った!」と喜ばれている姿に表れていたと思います。
そしてこの書籍を手にとり、読まれていくみなさんは4家族の物語から希望の種を受け取ることでしょう。
花風社さんが「治る」なんていう言葉も、考えもなかった時期から蒔いていった種が芽を出し、花を咲かせ、次世代へと繋がる新たな種をたくさん作ってくれました。
支援者として、親として、大人として、受け取った種が大きく育っていけるような環境づくりをしていくのが私達の責任です。
水をあげ過ぎても、陽に当てすぎても、肥料をあげ過ぎても、大きく育つことはできません。
同じように、ただ甘えさせるだけ、与えるだけの子育ても、芽を枯らしてしまうことになるでしょう。
子ども一人ひとりに合った子育て、発達援助。
そのためには、しっかり子どもから目を離さないことだといえます。
子どもの変化に気がつき、その変化に合わせて、育つ環境と後押しの仕方を変えているご家族。
そして何よりも我が子の発達する力を信じている姿に、私達は大いに学び、参考にできることがたくさんあると思います。
これまでもたくさんの「治った」に関わってこられた愛甲修子さんの解説、視点が、目の前にいる我が子の子育てとを結び付けてくれます。
花風社らしい書籍であり、花風社さんだからこそ生みだせる書籍であり、希望と読んで「楽しい!」と心から思える書籍だと思いました。
『発達障害、治った自慢大会!』
治そう!発達障害どっとこむ 著 愛甲修子監修 / 花風社
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