顔を合わせた瞬間に確認するポイントがある

学生さんの支援の延長で、講義を受けている様子を見学させてもらうことがあります。
見学の際には、必ず担当教官の先生だったり、大学の職員さんだったり、保健室や相談室の先生が横につきますね。
ですから、「今日は調子が良さそうですね」とか、「ちょっとしたきっかけで感情が爆発しそうですね」とか、「なんかあったぽいですね」とか言うようにしています。
で、だいたい当たるので、みなさん、驚かれるんですね。
「どうしてわかるんですか?」
「事前に本人と話していないのに…」って。

別に自慢話をしたいわけではありませんよ(笑)
ブログに自慢話を書いて自己満足しなきゃならないような人間ではありません。
これは支援の見立ての話なんです。

一人ひとり"見る"ポイントがあるんですね。
人にとっては"聞く"ポイントも。
ある人の場合は、姿勢に出るんですね、調子が。
姿勢が前屈みになっていたり、傾きがあったり、姿勢保持の時間が短かったり。
他にも、爪を見ることで爪噛みがあったかを確認したり、特定の動作が出るかを確認したりと、調子のバロメーターを特定の部分を見ることで確認します。
「なんか今日は、視線が落ち着かないな」っていうように目に表れる方もいますね。

また聞く場合は、会った瞬間に「自分から話をするか?」とか、いつもニュースの話題をするが良いニュースについて話をするか、悪いニュースについて話をするかとか、特定のフレーズが出るかどうかとか。
学習支援をしているある女の子は、調子が良いときには言葉がスムーズなんですけど、調子が悪くなると、言葉が詰まるんですね。
「こんにちは」が詰まったり、なかなか出なかったりするんです。
こういった場合には、チャレンジするような勉強の量を減らしたりと調整しますね。
反対に、調子が良いときは、苦手な勉強をどんどんやります。

訪問して玄関であった瞬間に、「なんかあったでしょ?」とか、「今日は、勉強に集中できそうだね」とか私が言うので、本人も、親御さんも驚くんですね、ネタバレするまでは。
別にこれは特別なことではなくて、一人ひとり確認するポイントがあるだけなんですね。
私はそれを知っているだけにすぎません。
ですから、本人にも、親御さんにも、ネタバレ、つまり「こういったところに、調子のバロメーターがでているよ」って教えますね。
発信が苦手だったり、自分の内面や状態を掴みづらかったりする方の場合には、こういった表面に出て確認できる自分なりのポイントを押さえておくことが大事です。
自分自身で、またご家族の方たちが確認できると、事前に手が打てますから。
調子が悪いようでしたら、「今日は出かけるのはよそう」とか、調子が良ければ、「新しいことにチャレンジしてみよう」とかですね。

「無くて七癖」なんて言われますね。
ですから、私は「必ずどこかに調子のバロメーターが確認できるポイントがあるはずだ」という思いで接するようにしています。
特に発信や自己認識が弱い方の場合は、支援を始める上での重要な情報となりますね。
もちろん、見立てが間違うこともありますが、そういった場合は見立てをどんどん修正しながら真のポイントを見つけていきます。

事前に計画していた内容やいつものパターンで勉強やトレーニングをしたあとに、「今日は調子がいいね、悪いね」とか、やりながら調子が悪いから減らそう、良いから増やそう、チャレンジしてみよう、というのは、ちょっと違うかなと思います。
私が仕事で心掛けているのは、顔を合わせた瞬間、その方の調子がわかり、それに応じてその日の接し方や支援内容を決定していけることですね。
そういったことができていると、より効果的な発達支援へとつながっていくと考えています。

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