【No.1514】子どものことを語ろうとすれば、まとまらなくなるもの
メール相談の件数も以前より落ち着いてきて、一日3件程度、多いときで10件くらいになりました。
それでも開業当初から数えれば、相当な件数の相談、メールでの助言を行ってきたことになって、我ながらよく続いたな、続けてきたなと思います。
このブログを読んでくださっている人たちの中で、メール相談をやってますという方は少ないかもしれませんが、今日はそんなメール相談から得た発達援助のコツについてお話ししますね。
自分自身の相談は全体の1割くらいで、ほとんどが我が子の発達についての相談内容になります。
そしてそういった親御さんのメールには必ずといっていいほど、「文章がわかりづらくてすみません」「うまく伝えられない文章でごめんなさい」といった言葉が綴られていますよ。
これは「文章(書くこと)に自信がない」がないというよりも、息子や娘のことを詳しく書こうとすれば文章がまとまらなくなってしまう、ということだと思うんです。
日々、子どもと接し、誰よりも子どものことを見ていて、気づいている親御さんだからこそ、書こうと思えばうまく表現できなくなるのでしょう。
一方で、とても詳細に、かつわかりやすい文章で子どもの様子を綴り、相談内容もバシッと書いてあるメールもあります。
で、みなさんがご想像の通り、こちらの親御さんのほうが心配なんですね。
子どもという日々変化し、躍動する生である一人の人間のことを文章で表すなんて到底できることではありません。
同じ行動だとしても、外から見るのと、内から見るのでは違いますし、状況や状態、環境によってその行動の意味も違ってきます。
ですから、わかりやすいきれいな文章というのは、いろんなものが切り捨てられた結果なんです。
我が子に発達の遅れ、悩みが生まれた瞬間、親御さんはいろんな専門家といわれる外部の人間と関わることになります。
その際、必ずといっていいほど、成育歴や日々の子どもの様子、どんな点に困り、悩んでいるかを聞かれます。
「同じ内容なら共有すればいいのに」と思うのも当たり前で、機関が変われば、また同じ期間内であったとしても担当が変われば、学年が変われば、同じ話をしなくてはなりません。
そんなことを繰り返していくうちに、どんどん曖昧な部分、表現できない部分が削られていき、親御さんのほうもプロの語り部になっていく(笑)
気が付かないうちに、まとまった“話”ができてくる。
今回はメール相談の話題だけど、まとまらない話、親御さんが話していて訳が分からなくなるような語りがリアルで、まとまったきれいな話になればなるほど、子どもの実態からは遠ざかっていく、というのが今日のコツになります。
「うちの子って、こうなんです」と言い切る親御さんっているでしょ。
聞いている方としては、「ほほう、そうなんだ」と納得しちゃうんだけど、それは全体ではなく、一部分を切り取って拡大解釈しているからできる技だ、と思うようにしましょう。
「毎日、一緒にいるけど、わからなくて…」という親御さんのほうが、ちゃんと子どもさんを見ていて、接している証拠。
知ろうとして、知れば知るほど、子どものことがわからなくなるから悩み、「相談したい」という想いが生まれてくるんだと私は考えているんです。
複雑で、曖昧で、ごちゃっとしていて、日々、変化が起きる。
そこに真剣に向き合おうとすれば、頭が混乱し、悩みが深くなるのは自然なことです。
だけど、そんな複雑で曖昧な中に発達援助に必要な情報やヒントが入ってるんです。
それらを親御さんと一緒に拾っていくのも、発達相談で重要なポイントになります。
辻褄があっているようなきれいな文章、物語を聞いたら、「おかしいな」と思うのが発達相談で重要な視点だといえるかもしれませんね。
2026年10月24日(土)と28日(日)の2日間、徳島・四国で発達相談を行います。
「ひと家族だったとしても是非」というご依頼があり、急遽、出張が決まりました。
14年目で初めての四国出張になりますので、ほかに希望があるか自信がないのが正直なところです。
もしこの機会に発達相談を受けたいというご家族がいらっしゃいましたらお問い合わせください。
どうぞよろしくお願いします。
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