【No.1285】社会と繋がることで治る意味が表れる

嬉しいことに、「7月2日の講座、申し込みました!」というメールをいただきます。
しかも、「本も2冊買って読みました!」、そして実際に私の発達援助を受けたことがある方、またこれから受ける方までいらっしゃいます。
発達相談+書籍+講座=そんなに受けなくていいのに(笑)
というのは冗談で、やはりそのような方たちが「なんだ、同じ話の繰り返しか」とならないようにしなければと思っていました。


書籍を2冊出版していただいてから、ほぼ発達相談を受けるご家族は本を読んでから当日を迎えるという形になりました。
ですから、最初から深いところでお話ができるのです。
正直なところをいえば、私がご自宅に伺い、お子さんのアセスメントをし、具体的なアイディア、発達援助の方法をお伝えするだけでしたら、30分くらいで終わる話です。
しかし、発達相談の目的はノウハウの伝授ではないのです。


子どもさんを中心に置きながら、親御さん達とじっくり対話すること。
その対話を通して、子どもの発達課題のねっこを手繰り寄せるだけではなく、親御さん自身の課題とも向きあい、よりよく自分と子ども、家族が変わっていけることをサポートすることが目的になります。
いくら私がアセスメントをしても、私が帰ったあと、アセスメントできなければ意味がありませんね。
発達期にある子どもの場合、日々のアセスメントが重要になりますから。
いくら私が具体的な発達援助をお伝えしても、私が帰ったあと、親御さんがクリエイトできなければ意味がありませんね。
同じ発達援助を続けていれば、いつしかそれが発達ではなく、訓練の時間になってしまいますから。


書籍は基礎基本であり、発達援助を考える上でのベースとなる情報をお伝えしたつもりです。
そして実際の発達相談では、「では具体的に我が子の子育て、発達援助にどうクリエイトしていくか?」を実践を通しながら、対話を通しながら学んでいく機会になると考えています。
もちろん、そこには親としての課題も含まれます。
で、じゃあ、今度の講座のねらい、目的は?


私の中では「危機感の共有」がひとつあると思っています。
今まさに子育て中、治している途中という親御さんたちにとっては、まだ我が子の姿しか見えない状況かもしれません。
しかし、社会全体で言えば、子ども達に生じている問題は、とても悲惨なものです。
いわゆる"発達の遅れ"のみに収まらず、思考停止、自らの身体をコントロールできない、無気力…精神が蝕ばまれています。
私達大人は、子ども達を発達障害にし、精神疾患にし、社会の奴隷にさせたのです。
このような子ども達が大人になったとき、社会を担っていけるのでしょうか、日本はあるのでしょうか。
日本がなくなれば、発達障害を治す意味はふっとんでしまう。


早期診断しようが、早期療育をしようが、彼らは治ると思っていないし、治そうとは思っていない。
だから、どうせ治らないものを行っても行かなくても変わらない。
同じように子ども達が飛び立っていく社会がなくなってしまえば、治っても治らなくても一緒。
そんなの嫌じゃないですか。
子ども達にはより良い社会を手渡したいし、自分の持っている資質を存分に生かしながらより良い社会と人生のために生きていってもらいたい。
この前提があるから、私達は本を買い、講座に申し込み、発達相談を受け、高めていこうと精進しているのではないでしょうか。


無人島で一人生きていくのなら発達障害は治らなくてもいい。
だけれども、社会で自由に自分の人生を謳歌してもらうためには治った方がいいし、私達大人は社会を意識し、子どもと社会を結びつけなければならない。
だからこそ、私達は今の社会を知り、未来の社会を想像しながら子育てをすることが必要なんだと思います。
社会が切り離されてしまったら、それは人里離れた福祉施設であり、仙人による技の伝授になります。


私はありがたいことに、様々な地域に出かけ、またそういった全国各地から情報をいただける状態にあります。
今回の講座は志が高く、同じ想いを共にしている方達が参加されていますので、私が得た生の情報を皆さんと共有しながら、まずは目の前にやってくる夏休みを充実させるために、私達大人が準備するための時間になったらと思っています。
単に「夏休みを充実させよう」「その方法は」ではなく、こういった子どもに育ってほしいから、こんな力を身につけて欲しいから、「この夏休みはこんなことをやろう!」という一つ深めた感じです。


「夏休み、学校がなくて地獄~」は、昔の話。
「夏休み安定して過ごせるための構造化、支援法」は、薄っぺらい。
「夏休み、お母さん大変だから、うちを利用して」は、ただの商売。
私達は、今後の未来と社会を見据えて「夏休みを活用しよう!今からワクワクしちゃう」へ。
こうやって自分にプレッシャーをかけることで、100%の力が出せるようにしています(笑)
では、7月2日にお会いできる皆さま、どうぞよろしくお願い致します!
お申し込みがまだの方は、今日明日中にお願いします。


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『夏休みを活用しよう!~発達援助とリハビリのための時間を大切に~』
7月2日(土)15:15~16:45 オンライン視聴(後日、録画配信あり)

第一部 コロナ禍で露呈した日本の戦後
第二部 作られた発達障害への対応
第三部 コロナ禍で学校が子ども達に教えたこと
第四部 夏休みを活用してどのようにリハビリと発達援助を進めるか

詳細&お申し込みはこちら(主催者の花風社さんのHP)

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