【No.1284】夏休みを充実させるために、まず大人が準備する

組織に属している人達は、その組織のルールに従わなければならない。
だから、今日もみんな、マスクをつける。
もはやそれが感染対策でも、他人を守るためでもないことはわかっている。
組織に服従していることを示すためのマスク。


では、その組織は従業員を守ってくれるかと言えば、そうとも言い切れない。
組織はお客さんや外部からの評価、とくにネガティブな意見に対して過敏になる。
何故なら、その組織が大きければ大きいほど、売り上げよりも、いわゆる企業ブランドに傷がつくことを恐れるからだ。
企業ブランドの価値が下がれば、株価が下がる。
つまり、既に日本型の従業員は会社の宝という考えはなくなっており、常に株主、投資家の方を見て経営がなされている。
近江商人の「自分良し」「相手良し」「世間良し」の精神は、中小企業にわずかばかり残っているだけ。


戦後の焼け野原の日本に、外国からの資金は必要だった。
外国資本によって復興を果たしたが、彼らは株式という形で何倍ものリターンを得ている、いや得続けている。
従業員のことを思えば、すぐにでもマスクを外しましょう、となるだろう。
だけれども、株主の方を見ている経営者は、世の中の空気が変わらない限り、それは言いだせない。
結局、株式経営は民主的と言われているが、お金を持っている一部の者が、従業員をはじめとする大多数を支配している構造ともいえる。


この2年間、変わらず自由を享受できていたのは、いわゆる個人商店といった小規模、組織を持たない人たちだったといえます。
一次産業の人たちや職人さん、個人事業主の私もそうでしょう。
別の言い方をすれば、働いている人の顔がわかる人達です。


コロナの失政と円安によって日本企業の多くは外国資本によって買いたたかれていくでしょう。
そうなるとますます企業に属するということは、個人の自由を狭めることとなる。
ですから、これからの日本で自由に生きていくためには、大衆の一人になってはいけない。
〇〇企業の一人は、同じ労働ができる安い賃金で働いてくれる外国人とすぐに置き換えられる。
世の中の状況が悪くなればなるほど、切り捨てられないようにと自ら自由を差し出すように。


7月2日の講演会のレジュメは作りましたが、具体的に何をお話しするかについては、まだ手を付けていません。
頭の中でグルグルしていて、こんなどんどん自由が奪われていく時代に、障害とは言えない発達障害に関して、「これをやったら治りますよ♪」みたいな内容では参加してくださる皆さまに、主催してくださる花風社さんに申し訳ない気ははっきりしています。


常々言っているように、治るは通過点です。
治った先のビジョンがなければ、そこら辺の〇〇療法と変わりないでしょう。
私個人の想いとしても、発達障害が治った従順な子よりも、発達の凸凹があったとしても自らの意思で行動できる子のほうが望ましいと考えます。
実際、そのような子ども達、若者たちは社会の中で働き、自由な人生を謳歌しているのです。
またそのような子ども達を育てられた親御さん達とお話しさせていただくと、親御さんご自身が自立した人間であることがわかります。


講演会は一体感が生まれます。
しかし、ここでも大衆の一人にはなってもらいたくありません。
「同じ身体アプローチを行って治そうと頑張っている私たち」では、その人の顔がなくなってしまいます。
あくまで我が子と親御さんとの間、関係性の中で営まれるのが子育てです。
子どもさんに個性があるように、親御さんにも個性がある。
その両方の個性を前面に出しながら、その家族の子育てをよりよく輝かせるために外部の知識、情報、アイディアがあるのだと思います。


つまり、親御さん自身、自分と向き合うことが大事だということです。
私達は長らく学校や企業によって、個を失う方向へと進んできました。
だから、なんとか療法が良いと聞けば、すぐに飛びつき、また結果が出なければ、次のものへと飛びついていく。
「あのママさんステキ☆」と、無意識的に自分を下に置き、従う相手を求めようとしてしまう、あのママの子と我が子はまったくの別人なのに。
結局、我が子をどう育てたいか、どのような大人、人生を歩んでもらいたいかが抜けているから。
そこを考えるためにも、まずは自分自身の個性と向き合い、自立していくことが大事だと思います。


夏の過ごし方が秋以降の大きな成長、変化に繋がるのは、全国各地、年齢を問わず、見られてきた姿です。
そういった夏を過ごすためにも、まずは大人たちが準備をすることが大事です。
私は親御さんにも忖度しませんし、嘘はつかないので、親御さんに求めることは厳し目だと思います(当社調べ)。
ですから、まず親として、大人として、自分自身が変わりたい、そしてより良い子どもの発達と成長に繋げたい、と考えている方たちの後押しができるような1時間半にできたらと考えております。
まだ参加募集中ですので、ご興味がある方はお申し込みください。


===========================

『夏休みを活用しよう!~発達援助とリハビリのための時間を大切に~』
7月2日(土)15:15~16:45 オンライン視聴(後日、録画配信あり)

第一部 コロナ禍で露呈した日本の戦後
第二部 作られた発達障害への対応
第三部 コロナ禍で学校が子ども達に教えたこと
第四部 夏休みを活用してどのようにリハビリと発達援助を進めるか

詳細&お申し込みはこちら(主催者の花風社さんのHP)

===========================




コメント

このブログの人気の投稿

【No.1358】体軸が育つ前の子と、育った後の子

【No.1364】『療育整体』を読んで

【No.1370】それを対症療法にするか、根本療法にするかは、受け手側の問題