【No.1135】2030年の未来
ついこないだまで「2030年問題」という文字をいろんなところで目にしていましたが、コロナ騒動があってからはどこかにきえてしまったかのようです。
2020年代に入ったかと思えば、もう2021が始まっており、そのときまであと10年を切ったわけです。
10年なんてあっという間。
10年後の未来は、今の中学生より上の世代の若者たちが社会に出るときです。
2030年の社会で注目すべき点は、労働人口の減少であり、しかも労働人口が足りなくなるということだと思います。
足りなくなる労働人口が644万人という試算もあり、これはだいたい千葉県の人口くらいです。
人口の多い都道府県順で6位の千葉県丸々の人数が足りないとなれば、好き嫌いに関わらず、外国からの労働力に頼らざるを得ませんし、というか、既に外国人の労働力がなければ、この国は成り立たないわけですし、働ける人はいくつになっても働くことが求められる社会になるということです。
こういった未来は皆さん、肌感覚で分かりますし、実際の人数としても出ているわけです。
だから、コロナ騒動でワーワー盛り上がっている暇はなく、この2030年を迎える前に社会のシステムを変えていかなければなりません。
労働人口が減るということは、現在の国の豊かさを保つことは難しくなることにつながり、当然、民間のサービスだけではなく、公的なサービスの低下を招きます。
今回のコロナ騒動によって地方の財政は破たん寸前であり、既に予定していた事業の見直し、中止が行われているのです。
だから、「医療を守って、国が亡びる」みたいな発言を繰り返している人達は、勝ち逃げを図っている人か、未来を見ることができない人なのでしょう。
特別支援教育が始まったのは、2007年4月。
そのとき、既に「高齢化社会」の問題が上がっていましたし、このような未来はみえていたわけです。
だけれども、特別支援の世界はどのような方向に進んだのでしょうか。
私には、端から特別支援教育を受ける子ども達を将来の働き手に、とは考えていなかったように感じるのです。
確かに発達に遅れがあるかもしれない。
発達に凸凹があるかもしれない。
でも、そういった子ども達一人ひとりに合わせた教育を行うことにより、社会の中で働き、自立できる若者たちを育てようとするのが、その理念だったのではないでしょうか。
それなのに、やっていることとしたら、個別化ではなく、孤立化、そして同年齢の子ども達との分離、特別支援ではなく特別扱いです。
これだけ長年、「少子高齢化」「2030年問題」などと言われていたのに、どうして目の前にいる子ども達と重ね合わせることができないのか、私には理解ができません。
教育や支援に携わる人間は、就職氷河期を過ごした大人たちなのかもしれませんが、今の子ども達が大人になる未来は、働き手が足りない時代なのです。
その時代がくるのがわかっていれば、どうすればこの子達が社会で働けるようになるのか、真剣に考えるはずです。
だって、海外からヒトを集めてくる時代ですよ。
その前に、なんで日本の教育を12年以上受け、育ててきた子ども達の力を活かそうと考えないのでしょうか。
今の子ども達にとって、就職すること自体は困難ではなくなると思います。
ですから、働く気があって、働ける身体がある人は、ほぼ就職できると考えられます。
そのように考えれば、今のような特別支援の過ちに気が付くでしょう。
一緒に働く人を求めているのに、小さいときから教育も、生活の場も分断してどうするのでしょうか。
そもそも労働人口が減る時代に、支援の手が必要な教育をしてどうするのでしょうか。
のほほんと「手厚い支援を」と言っている人達は、どこの国の人かと思います。
人類の歴史をみれば、どんな時代も、余裕がなくなったときにまっさきに切られるのが弱者の人達、少数派の人達です。
コロナ騒動で社会が疲弊していくのは、2020年ではなく、今からです。
ぶっ壊れた経済を立て直すには、長い年月がかかります。
そこに2030年問題が重なり合ってくるのです。
自分の頭で考え、行動できる人間でなければ、この先の未来を主体的に生きていくのは難しい。
残念ながら、私達大人は次の世代により良い未来を手渡すことはできないでしょう。
自分たちでマスク一つも外せない大人が大多数の世の中です。
上から言われたことを忠実にこなすという教育が沁み込んだ大人たちは、未来を想像すること、創造することができないのです。
だからせめてもの想いとして、私は発達援助という仕事を通して、一人でも多くの子ども達が自分の頭で考え、行動できる人間を育てたいと思います。
近頃、単に発達のヌケを育てる、育て直すだけではなく、未来を見据えた後押しをしなければ、と考えるようになりました。
「働くことができる」ということが今よりも大きな価値、社会貢献になる時代は、もうすぐやってきます。
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