【No.1139】親御さんにこそ、身体アプローチ

昨日、愛着障害を訴えられる親御さんがいらっしゃいますが、ほとんどの方は愛着障害というよりも、孤独感からの不安や迷いなどではないか、というお話をさせていただきました。
すると、そのあと、花風社の浅見さんから「他人軸とありえない恐怖感」を持つ親御さんが多いと感じているというお話がありました。
浅見さんだから同意するわけではありませんが、この「他人軸とありえない恐怖感」を持っている親御さんは実際に多いと私も感じていました。


実はこの点については、私はピンときません。
もちろん、そういった方達と多くお会いしてきましたし、愛甲さんの著書『愛着障害は治りますか?』、灰谷さんの著書『人間脳を育てる』で学ばせていただきましたが、私の実感として、どうして他人軸で生きるのか、ありえない恐怖感の意味が実感としてわかりません。
私は、子どものときから自分ですべて決めてきましたし、決めようとしてきました。
あまり他人がどうとかこうとかは考えていないというか、眼中にありませんね。
あと、直感的にまずいな、危ないな、ということは感じますが、なんとなくいつも不安感がある、というのは感じたことがありません。


ということで、真に愛着障害のことがわからないので、私は「他人軸とありえない恐怖感」を持つ人たちと接したとき、「心身一如」を頼りに助言させてもらっているのだと思います。
他人軸で生きる人は、背骨に課題を持っている方が多いですね。
背骨が固いというか、自由自在に動かすことができません。
あと、背面の意識が乏しいとおっしゃる方も多いと感じます。
やはり自分という軸=背骨、体幹が確立できて初めて、自分の意思で選択し、行動できるようになるのだと思います。


あとついでで申しますと、四六時中、スマホで検索し、一喜一憂している方は、首が前傾し、猫背の方が多い気がします。
首が痛い、肩がこる、しかも学生時代から、という方が少なくないです。
たぶん、私の見立てでは、首から下の感覚が乏しい、首で身体との繋がりが切れていまっている、という感じがします。
情報に振り回されて、決断ができない、という方も同じような雰囲気を感じます。


他にも、我慢できない、思わず言わなくても良いことをぽろっと言ってしまう(笑)方は、腹筋が弱い、腰が後傾しているような気がします。
腹に力が入らず、ぽろって感じです。
あとは考える前に口ではなく、行動してしまう方は、足の踏ん張りが弱い、足腰の筋肉が落ちている感じがします。
お話ししている際、椅子に座っていても、足が地面にちゃんとついていない気がします。


またこれまたよくあるパターンですが、「どうしたらいいですか?」と私に判断を委ねる方は、皮膚感覚、または前庭系(内耳や小脳)に弱さを持っている場合が多いと思います。
気圧の変化に弱かったり、いつも頭痛がしていたり、目が回るとすぐに気持ち悪くなったり…。
情報で判断し、情報を一つ一つ処理しなければ理解が難しい、別の言い方で言えば、感覚的なニュアンスがわからない、行間や空気が読めない方は、感覚刺激に触れることが少ないか、感覚器の未発達、たとえば鼻が悪いなどもあります。
そういった方には、五感を刺激するような自然の中に行ったり、芸術系の活動をお勧めしたりしています。
このように私は身体との関係性で見ることが多かったです。


全体的な印象として、子育て世代の親御さん達は疲れている人が多いですね。
孤独+疲れを感じます。
子どもと公園に行っても、遊んでいる子どもを遠くから見ている親御さんが多いと思います。
これは発達相談で関わった親御さんだけではなく、そこら辺の休日の公園で見る姿です。
子と一緒に遊ぶ大人が少ないような気がします。
子と一緒に泥だらけになって遊ぶのが動物としては自然な姿だと思います。
ということは、子が遊んでいても、自分の心と身体が躍動しない、動こうとしないのは、それだけ現代人が疲れているのでしょう。


発達の原型は、子ども同士のじゃれ合い、親子のじゃれあいです。
そのようなお話をすると、また上記のような親御さんに対する身体的な指摘をさせていただきますと、ショックを受ける方もいらっしゃいます。
しかし、「私がきちんと遊べないから、我が子の発達がゆっくりなんだ」と落ち込むのは、身体の軸が育っていないからです、自分という存在感が確立できていないからです。
これは親御さん自身、自分の人生を生きる上での課題になりますので、やはり親子共々、身体を育て、身体を整え、発達と成長を目指していく必要があると思います。


身体的な気付きから、ご自身で自分の身体を育てようと動き出した親御さんはたくさんいます。
呼吸を意識して育てたことで、胸を開くように肩甲骨を弛めたことで、日頃のイライラや衝動的な感情の起伏が収まったと喜ばれていた親御さんもいました。
ヨガで身体の軸を弛め、育てることで、他人から何か言われても、受け流すことができるようになったと言っていた親御さんもいました。
腹筋をするようになってから、余計なことを言いそうになっても止められるようになった(笑)、夫婦げんかが減りましたという方も。


私はちっちゃいときから外を走り回るのが好きで、だから今もジョギングをすると、心が気持ちよくなるのでしょう。
有酸素運動が心地良いですし、今、出張であちこち移動しているのも、子ども時代の「自由に駆け巡る」を連想させるので楽しいのだと思います。
このように本来の資質、姿がありますので、子ども時代をヒントに心身の健康を、特に身体からのアプローチをして親御さんもご自身の課題を育てていっていただければ、と思います。
まずは子どもが遊んでいると、自然と自分も一緒に遊びたくなる身体ですね。
泥だらけになったり、汗をたくさんかくと、気持ちいですよ!




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