2021年1月28日木曜日

【No.1138】自分は「愛着障害では…」と思う

近頃、気がついたのですが、親御さんのおっしゃる「紆余曲折」がぜんぜん紆余曲折になっていませんね(笑)
どういうことかと申しますと、ほとんどの親御さんというのは、保健師(園の先生)からの指摘→診断→療育→特別支援教育…という歴史があり、途中から「なんかおかしいぞ」「このままでは良くならんぞ」と思ってグーグル先生に尋ねたところ、身体や言葉以前のアプローチ、根っこから育てる、という方法や実際に治った方達と出会うわけです。
そこまでの間が何年もあることから、以前は「もっと早い時期に出会っていたかった」とおっしゃる親御さんが多かったのです。


でも、最近は違います。
お話を伺うと、「発達の遅れを指摘されたのが数か月前です」とか、「診断がついたけれどもすぐに療育に行かず、自分で調べました」とか、一般的な(?)の親御さん達が通ってきた「療育、支援に期待からの幻滅」という流れを通っていないのです。
今の親御さんも「もっと早く私が見つけられたら」なんてことをおっしゃいますが、その"もっと早く"が年単位ではなくて、数か月単位なので、私もびっくりしています。


その要因として、やはりネット環境と、それを使いこなすのが上手な人達が子育て世代になったのが大きいと思います。
あとは、20年前くらいは今のような雨後の筍状態ではなく、まずは親同士、横の繋がりを強くしよう、そして社会に、行政に訴えていこう、支援サービスを勝ち取っていこうという状況だったのと、今の希望すれば利用できる支援サービスの環境との違いもあると思います。
これだけ利用できる資源が増えれば、別に親同士が結びつく必要はなく、各家庭で判断すれば良くなります。


そういえば、以前は著名な支援者と繋がっていることがステータスのような扱いになっていましたが、最近の親御さんからどこどこ大学の教授、〇〇医師なんていう話は聞かなくなりましたね。
著名な支援者&専門家とその地域の親の会の長が仲良くなる。
そうすると、講演会やあわよくば直接指導が受けられるようになり、だからこそ、その地域の長に対して若いママ達は忖度し、接待し、仲良くなろうとする。
著名な支援者>>>>>地域の長>>>若いママというピラミッドがあったために、どこの親御さんもお金と労力とプライベートを投げ打って、いろんなことに尽くされていました。
みなさん、言っていましたよ、「我が子の子育てよりも、こっちのほうが疲れる」って。
「なんのために、寝る間を惜しんで、タワーを青くしてるんだろう…」とも。


まあ、そんな昔話はど~でも良くて、私から見れば、今の親御さん達の方がずっと自由で、良いものをいち早く取り入れることができます。
その分、子どもさん達も症状が重くなる前に、ちょっと発達が遅れているね、という段階で動き出し、育て、治すことができているように感じます。
しかし一方で、昔の親御さん達と比べて大変そうな点もあるのです。
それは「孤独感」です。


親御さんのお話を伺っていると、「私も愛着障害がある」という言葉が出ることが少なくありません。
確かに中には本当に愛着障害がある人もいるのですが、私の見立てではほとんどの方は愛着障害を持っていません。
じゃあ、なぜ、多くの親御さんが「私も愛着障害」とおっしゃられるのかといえば、孤独だからだと思います。
子育て世代のほとんどは共働きで、頼れる親御さんもそばにいない状況があります。
さらに横の繋がりがない分、夫婦で選択していけるのは良いのですが、反対に言えば、夫婦しかいない状況です。
そうなると、つねに夫婦で、一人で子育てをしている感じがしています。
でも、この子育ての仕方は本来のヒトの子育ての仕方ではないのです。


今のように、ほぼ夫婦のみで子育てをしているのは、人類史上、ここ数十年の話です。
2021年の現在でも、世界には群れで、集落で、つまり、そこに住むみんなで子育てをしている人々がいます。
人類700万年、そしてホモサピエンスになって20万年ですが、その歴史は集団での子育てでした。
今のように自分の子、他人の子、というような明確な区別はなく、子はみんなで育てていくものだったのです。
そのような長い歴史が私達の内側にも受け継がれていますので、家族のみでの子育てに不安やストレスを感じやすい。
さらに我が子の発達で気になるところとなれば、当然、強い揺らぎが起きるのだと思います。
そういったときに、「愛着障害」という言葉がピタッとくるのでしょう。


このような状況を嘆いていても、これから人類はますます孤独な子育てをしていくのだと思います。
だからこそ私は、今の世界だからこその「集団での子育て」という雰囲気づくり、そういった雰囲気を実際に親御さんに感じてもらうことが重要だと考えています。
「先輩ママのSNSから元気をもらった」という親御さんは少なくありません。
1月24日に開催された愛甲さんへの質問する会の録画を視聴していますが、愛甲さんのような人を包み込むような雰囲気をもった、治せる支援者の方と繋がるのも、現在の癒しになり、集団での子育てを感じることができると思います。
また『治そう!発達障害どっとこむ』のような同じ志を持ち、同じ時代を生きる人たちが集まる場所を訪ねてみるのも良いでしょう。


「私に愛着障害があるから…」ではなく、孤独な状況が親御さんの心を揺さぶり、感情的になったり、迷ったりさせるのだと思います。
自分に課題がある、自分の心が弱いのではなく、ヒト本来の子育てとは異なることをやっているので、苦しむのです。
たぶん、20万年前の祖先も、自分の親、祖父母の世代も、今の私たちのような孤独な子育ての環境に追いやられたら、同じように悩み、ストレスを感じるはずです。
だからこそ、ネットでつながる、「この人は」と思う人がいればリアルにつながる。
令和の集団での子育ての仕方。
環境を嘆くのではなく、今の環境に適応しながらより良い子育てを目指していただければ、と思います!




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