空気が読めなくたって大丈夫!

"空気を読む"ことは、自閉症の人が苦手とするスキルの一つです。
では、"自閉症の人が空気を読んだ行動できないか"というと、それは違うと思います。


自閉症の人を"空気の読める人"にすることは難しいですが、"空気を読んだ行動ができる"ようになることは可能だといえます。
私たち定型発達の人たちとは異なり、自閉症の人たちが周囲の状況や相手の表情などを自然に読み取ることは難しいことです。
そのため、その場に即した行動がとれないことも多々あります。

でも、"空気を読んだ行動"は、周囲の状況や相手の表情が完全に読み取れなくても行うことができます。
一つ一つの場面で、どのように振る舞えば良いのかを学習すれば良いのです。
つまり、自閉症の人たちが苦手な状況判断の仕方を学ぶのではなく、得意な行動の形、パターンで学ぶということです。

自分の話ばかりしてしまう人は、相手が退屈しているか表情を読み取ることよりも、1つの話題を話し終えたら、相手の話を1つ聞くようにすることを学習します。
職場で周りがどんなに忙しそうにしていても自分の仕事以外は行わない人は、自分の仕事が終わったら上司に「何か他に仕事はありませんか」と尋ねるようにすることを学習します。


形やパターンで学習することは気持ちが入っていないといって否定的な意見を持たれる方もいらっしゃると思います。
しかし、空気を読むために必要な周囲の状況などの複数の情報を一度に捉え、処理し、判断することは自閉症の人の苦手なことです。
第一、行動を見た人は、その行動が周囲の状況を理解しての行動なのか、パターンで行動しているのかはわかりません。
その場に即した行動ができれば良いと私は考えています。
空気が読める人になれなくても、空気を読んだ行動ができれば、より円滑な人間関係が築いていけるのではないでしょうか。

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