【No.1359】治るからこそ、治らない人がいる

この頃、「大久保さんって、ほんとうに優しい人」と言われることが続いていました(笑)
別になにかを変えたわけではないのに。。。
自分のキャラもあるし、90%以上のご家庭が1回の発達相談で終わるし、限られた時間でアセスメントから具体的な援助法までお伝えする必要があるし。
だから言うことは言うし、一切忖度も、お世辞も言わない。
そんな感じで10年間、てらっこ塾をやってきましたが、最近やたらと私の優しさがクローズアップされる。
なんかおかしいなと思って考えてみると、「そうか、ブログの内容が“親御さんのせいでしょ、しっかりしなきゃ」という内容が続いていましたね。
これを見た親御さんは、「どんなことを言われるのか」と思うでしょう。
なので、実際の発達相談を受けてみて、「意外と優しいじゃん」の「意外と」が消えて、「大久保さんって、ほんとうに優しい人」と言われちゃうのでしょう(笑)
意図せず、好印象で終われるのなら、この作戦は続けようかな♪


じゃあ、なんでこの頃、とくに昨年末から1月にかけて「親御さんしっかり!」という内容が多くなったのかと言えば、今年は療育整体の年になるからです。
実際、私も昨年、療育整体を提唱されている松島さんの講座で学ばせていただきました。
今までいろんな療法がありましたが、たぶん、一番即効性があり、見た目にも効果を実感しやすいのが療育整体でしょう。
だから流行るし、これで「治った!」と感じるご家庭も増えると思います。


じゃあ、なんで「治った!」がさらに増える年に、私が親御さんの意識を問うか。
それは治る子どもさんが増えれば増えるほど、治らない家庭が浮き出てしまうから。
今までも神田橋先生の診療、アイディアによって「治った!」人が増えた。
さらに身体アプローチも出てきたし、愛着障害も治るようになったし、栄養療法だって花盛りで、整体やカイロも実績を上げている。
私の感覚では90%以上の子ども達が誤診であり、一時的な発達の遅れなだけなので、このいずれかの療法と巡り会えたら、ほとんどの子の発達の問題がクリアされると思います。
で、今年はさらにそこに療育整体が加わる。
正直、コロナ前から「もう治るアイディアは十分っしょ(北海道弁)」と思っていた私なので、てらっこ塾の役目は治らない、治りにくい10%の子ども達とご家族をどう後押ししていくか、だと考えていたんです。


私のところには
「栄養療法はやりました。でも治りません」
「身体アプローチもやったけれども、治りません」
「愛着のヌケを埋めているけど、治りません」
「整体やカイロに通っているけれども、治りません」
というご家族が相談に来られるのです。
まあ、普通に考えて、本や講座などで学び、実践して治るんだったら、私に相談はしないわけです。
「療育も、支援も、本も読んでないけど、大久保さん、お願いします」と言われれば、「その前にこんな本があるから読んでやってみてからでも遅くないのでは」と良心的なお返事をしてしまうのが私の良いところ(笑)
家庭の中で治るんだったら、そっちのほうが何百倍も良いのです、子どもさんにとって。


つまり、療育整体によって新たに治っていく子ども達が増える一方で、療育整体をやっても治らない子、家庭が出てくる。
その場合は、うわべだけの試みではダメだということです。
もちろん、神経学上、生物学上、問題や困難を持っている子は、長いスパンで、それこそ、私が言っている「バイパスを通す」感じで腰を据えて子育て、発達援助をしていく必要があります。
また栄養でも、運動発達のヌケでも、血流でも、神経でも「治っていかない」としたら、それは子ども側の問題ではなく、親御さんの側の問題が根っこだということになるのです。
確かに子どもさんに発達の遅れはあるよね。
だけれども、それはその子の問題ではなく、育つ環境の問題で遅れちゃってるんだよね、ということは少なくありません。
本人が抜かした発達よりも、抜けた部分が育っていけない環境の問題。
そっちが問題の根本でしょ。


療育整体でも治らない子が出てくるでしょう。
そんなとき、「療育整体はダメだったけれども、ほかに良い方法があるはずだ」と意識が外に向かうと、育たないばかりか、逆に子どもの発達をネガティブな方へと向かわせてしまう負のループが待っている。
これが全国的に「治った!」と喜ぶ人が増えてきた数年間で、私が見てきて、体験してきたこと。
私がイメージする人たちが、そんな家庭だったから、発信の内容がそちらに傾いていたのでしょう。
「半年、一年後のニーズを考えて動くのが経営者の基本」とどこかに書いてましたし(笑)
なんで、本気でブログの内容を気にしなきゃいけないのは、まだ半年から一年後なのでご安心ください。
会いに行けるアイドルではなく、会いに来るおじさん(笑顔多め@当社比)として頑張ります!




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