2020年1月23日木曜日

【No.1007】見立てのコツは、『自由』を連想すること

親御さんや支援者さんに、「どうして、そんな見立てができるんですか?」と尋ねられることが少なくありません。
どこを観たら、何を勉強したら、そのような見立てができるようになるのか。
そういった疑問を持つ方が多いのは、それだけ“見立て”に困っている人がいて、それだけ“見立て”が子育て、発達援助に意味を持つ、と皆さん、感じられているのだと思います。


具体的な発達を後押しする方法については、私がお教えしていることなんて、特別珍しいことでも、何か技が必要なことでもありません。
実際に、発達相談を受けたご家族は感じられているでしょうが、「ああ、それわかる」「私もやったことがある」みたいなことばかりです。
「それなら、子どもがやっています」みたいなことも多いので、その動き、遊びにバリエーションを持たせるには?くらいなものです。


結論から言えば、自分に必要な発達刺激に関しては、子どもさんが自然の日常生活の中に、遊びの中に取り入れていることが多いので、私が見たてたものから、「その遊びは、〇〇を育てているんですね」と解説しているだけです。
まあ、アドバイスするにしても、「その動き、遊びを妨げないでくださいね」と、「やりきったら、こうなりますよ」というくらいです。


そう考えると、具体的な方法は、子どもさん自身が分かっていますし、それを後押しする方法も、親御さんが難しくないものばかり。
ですから、「やっぱり見立てだよね」ってことになります。
親御さんが見たてができるようになれば、見立てさえ間違わなければ、自然とより良い方向へ進んでいくものです。


クルクル回っている子を見て、「ああ、感覚刺激に没頭している」「やることが明確じゃないから、視覚支援しなきゃ」なんて“見立て”じゃなくて、診断名だけで支援しようとするから、こぞって外しているだけ。
イヤーマフをつけている子が、クルクル回ろうとする。
そりゃそうでしょ、と思うのが、正しい見立て。
「ああ、耳を育てたいのね。それだったら、回りたいよね」と思うかどうか。
さらに、どっち周りかまで確認して、やっと一人前ってとこでしょう。


なので、私が発達相談をする上でも、こうやってブログ等で発信するときでも、「どうやったら、見立てのコツが掴めるようになるかな」と思い、お伝えしています。
だって、親御さんが見立てできるようになれば、もっと治っていく子ども達が増えるし、私も含めて支援者がいらなくなるから。
治って必要なくなった支援者は、資源は、本当に困っている人達のところへ回せるので、これも社会貢献になります。
治る子を後押しすることと、社会資源を必要なところへ届けること、パスすることは、より良い社会を作る後押しになるのです。


実際、私が見たてを行うときには、2つのポイントがあります。


まず、私はお子さんの成育歴や発達の流れから、課題を探っていきます。
そのとき、いくつか確認ポイントがあって、それを順々に、できるだけ胎児期に近い方から確認していきます。
「たぶん、ここからズレただろう」という部分から始め、「ここは大丈夫」「ここは課題が残っている」などを観ていきます。
これも、別に難しいことでも、特別なことでもなく、原始反射がどうだとか、左右の対象性はどうだとか、運動発達はどうだとか、発達全般的なチェック項目を1つずつ確認しているだけです。
いわゆる、発達のマイルストーンというやつを見ているのです。
良質な書籍が増えていますので、その書籍を見ながら、毎日の生活の中で確認していけば大丈夫です。


もう一つは、「自由」という言葉を連想することです。
誕生後、すぐの赤ちゃんは、とても不自由です。
自分の意思で身体を動かすことができず、ほぼ反射と周囲の人の手に委ねられて生きています。
ですから、ヒトという種は、不自由な生き物として誕生するのです。


そこから、うつ伏せの姿勢になると、ちょっと頭が上げられるようになる。
両手で上半身を支えられるようになる。
そうすると、首が自由になり、首が自由になると、視野が自由になる。
そのうつ伏せの姿勢も、寝返りがうてるようになるとできる動作であり、ひたすら床に寝るだけの存在から、身体を回転させるという自由を手に入れていく。
こうやって運動発達は、自由を得ていくのです。
さらに、乳幼児期、学齢期、青年期、成人期と成長する過程でも、遊びが自由になり、学びが自由になり、発想が自由になり、最後は自分の人生の自由を手に入れる。


つまり、不自由で生まれたヒトが、自由を手に入れていくことこそ、「より良く発達する」ということなのでしょう。
ですから、見立てを行う際、頭の隅に自由を連想しています。
自由な身体に育っているか。
こだわりや偏った思考などに縛られ、自由を失っていないか。
ある意味、愛着障害とは、心の自由を失った状態だといえます。
「自由」という言葉をイメージしながら見立てを行っていくと、その見たてに奥行きがでるような感じがします。


人類に共通する発達のマイルストーン、指標を1つずつ確認していくこと。
別にチェックリストを作る必要はなく、特別な資格検定を受けることなく、日々の生活の中で、本を見ながらでも確認していく。
1つずつ確認していけば、どこを育てればよいか、がわかります。
あとは、「自由」を連想するだけ。


ヒトは、自由自在な身体を手に入れることで、主体的に行動できるようになります。
主体的な行動は、自由を求め、歩を進めます。
「ああ、自分には自由自在な身体があり、自由を求め行動することができる」
そういった実感が、自己肯定感の土台、根っこだと思います。
レベルを下げた課題を用意して、「すごい!できましたね!」というのをいくらやっても、土台である自由を感じられていない子の自己肯定感は上がっていかないのです。
不自由で生まれてくるんだから、「自由」を連想することが、その子の発達を観ることになるのだと思っています。

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