頑張る想いを奪うのではなく、頑張る想いに応えていく


通知表に書かれた『進級おめでとうございます』という担任の先生からのメッセージ。
「〇年生になったんだよ」と言い、誇らしげな表情で、私に見せてくれました。
取り組みを始めて、半年間。
本当に頑張ったと思います、本人も、親御さんも。
私も依頼されたことに応えられ、ホッとしました。
依頼は「このまま、通常学級で勉強がしたい」というものでした。


この半年間、本人にも、親御さんにも、私が多くの要求をしました。
成長、発達の妨げになるような要因を排除してもらい、「快食、快眠、快便」と規則正しい生活習慣に努めてもらいました。
また、勉強できる脳と身体作りのために、必要な遊び、運動を意識してやってもらいましたし、勉強の体勢ができたあとは、自分で勉強する習慣作り→単独での家庭学習を目指し、取り組みをしました。
あれだけ「支援級へ」と言っていた学校も、3学期になってテストの点数が上がったことと、家庭学習のドリルとノートを見て、冒頭のような判断へとなったのだと思います。


所詮、私は週に1回の人間です。
ですから、私は1つのきっかけにすぎません。
このご家庭の場合、本人も、ご家族も、「変わるための努力をした」そのことに尽きると思います。


今日で事業を起ち上げて5年目になります。
その間、いろいろな依頼がありましたが、ハナから他人に変えてもらおうと思っている人には、未来を変える力がない、と感じます。
そのような雰囲気があった方には、「依頼を受けることはできません」と断ったこともありますし、途中で止めたこともあります。
結局、自分の未来を変えるには、自分自身で行動するしかありません。
自分を発達、成長させたいのなら、自分自身の身体を通して刺激を受け取るしかないのですから。


今日、通知表を見せてくれた本人と親御さんの表情を見ると、事業が続く限り、本人とご家族の「頑張りたい」という想いに応えていきたいと改めて思いました。
障害があることが頑張らなくて良いということにはなりませんし、診断名をつけることで他人が、その人の「頑張る」を奪ってもいけないと思います。


私は、頑張る姿を間近で見させてもらい、心が動かされることがありますし、いつも以上に一生懸命に、また実力以上の力が引き出された経験もあります。
それは私がこういった仕事をしているからではなく、人と人との間で自然と生まれるものだと思います。
人は頑張る人が好きですし、頑張る人を見ると、自分も頑張ろうと思う、それが自然な姿です。
ですから、私が頑張りたい人の"頑張る"のきっかけになれれば、その人を理解したい、応援したい人が増えることにつながりますし、ひいては自閉症、発達障害の理解が広がることにつながるのだと思います。


今日もまだ寒い一日でしたが、小さな春を見つけました。
自然な色こそ、美しいですね。
5年目も、"治す"にこだわって仕事をしていきたいと思います。
励まし、お祝いのメッセージをたくさんいただけて嬉しかったです。
日々の精進を怠らず、一人でも治る人が増えるよう私自身も頑張っていきます。


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