「人間脳の根っこを育てる~進化の過程をたどる発達の近道」(花風社)を読んで

最後に特別支援くさい本を読んだのはいつだったかな。
そんな風に思うくらい何年も、購入していないし、読んでもいませんね。
でも、花風社さんの本だけは、いつも新刊を心待ちにし、何度も読み返します。
それは、花風社さんから出版される書籍が実践的であり、今日からできることであり、治す本だから。
そして、発達障害の人を育てるための本ではなく、人を育てるための本だから。


今回、出版された書籍は、栗本啓司さんの3冊目になる『人間脳の根っこを育てる~進化の過程をたどる発達の近道 』という本です。
過去の書籍同様、著者の栗本さんが長年積み重ねられてきた実践、経験、知識が詰まっていますし、こういった視点を得ることで、多くの人達が遠回りせず、発達という道へと歩を進めることができます。


ギョーカイ本の多くが、著者自身、またそれを手にしたギョーカイ人が気持ちよくなるためのものとは異なり・・・
ギョーカイ本の多くが、大したネタでもないのに、いかにも素晴らしい独自の知識、知見のように表し、しかも小出し→「詳しくは、講演会、研修会、ライセンスを取ってね」とやるのとは異なり・・・
花風社さんの浅見さん、著者の栗本さん、二人のプロフェッショナルが、本気で発達障害の人とその家族のために、本気で発達障害を治し、自立した人生を歩んでもらうために生みだされた本だと、私は読みながら感じました。


これから仕事ですが、この本から教えていただいた視点「進化と発達の過程をたどる身体育て」を意識しながら接していこうと思います。
そして、何度も読み返し、周辺にある知識も深めていくことにより、無意識で発達援助ができることを目指していきたいと思っています。
大脳皮質のみに働きかける療育と同様に、立位からの身体アプローチで、その人は良いのだろうか?
その前の発達段階、発達のヌケの部分へのアプローチ。


発達障害の人を支援したがるギョーカイ人にない視点を栗本さんが持っているのは、栗本さんが実践家であり、人を育てる仕事をしてきたから。
人を大切にする方だからこそ、受精から始まる人の発達を大事にされ、そういった視点で発達援助をされているのだと思います。
だからこそ、発達障害としてギョーカイ人が臨むように育つのではなく、栗本さんが援助されている方達は人として育っていく。
当然、みなさん、人として発達し、治っていく。
だって、人の発達をたどる援助だから。


昨年、二人目の子が生まれ、間近で進化の過程と運動の発達を見ることができています。
また上の子の通う保育園は、生物の進化、特に脊椎動物の進化の過程で必要であった運動を取り入れた保育を実践しているところなので、人間脳の根っこを育てるという意味がより良く実感できます。
日々の子育てにも通ずるところからも、発達障害のままでいることを周囲から求められる支援ではなく、発達障害の子だって、人として発達する支援の方が発達の"近道"に違いないですね。


何度も読み返し、多くの人に紹介していこうと思う本でした。
今回も、栗本さんの叡智あふれる本を世に送りだしていただいた花風社さんに感謝です。
一人でも多くの方が手に取り、読み深めていただければ、今日から変わっていける人達が増え、未来の子ども達、親御さん達の道標になると思います!



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