【No.1522】思ったような効果が得られない理由

今日は朝から雪が舞う函館。
とうとうやってきました、北海道の冬が。
寒さと雪かきに耐える4か月が始まります。
先週行った徳島は気温が25度を超えていたので、気温差でいえば20度くらい。
「徳島は気候も、人も、温かかったな~」なんて思いながら完成した報告書を郵便局で出してきたところです(土日を挟むようなので月曜日にお手元に届く予定です)。


今回、訪問した徳島のご家族に限らず、「初めての専門家、支援者が大久保です」というケースはほぼゼロです。
すでに家庭で取り組みを行っていたり、地域の専門家、療育や相談機関を利用されています。
ですから、私のところに相談の依頼があるご家庭は「やってるんだけど、期待される効果、変化が見られない」ということになって、当然、私はさまざまなアプローチの結果を含めて、アセスメントすることになるのです。
ニーズは「どうして伸びないのか?」「ほかにやるべきところがあるのではないか?」「アプローチの取捨選択を含めた家庭での取り組み、子育て全般への助言」の3つが中心。


では、なぜ、良いと言われるアプローチをやっているのに期待するほど伸びないのか、効果が得られないのか。
まずアプローチ側の原因としては、「そもそもそんなもん」というのが多いですね。
その効果を謳う根拠が曖昧で、多くは利用した当事者の声になります。
劇的に良くなった人もいるのでしょうが、それは100人中1人か、2人くらいなもの。
あとの99人は声を上げないで、次を探すのです。
治したい親御さんは1つの場所に留まっている暇はありませんからね。


また最近のアプローチはどんどん細かくなって、「目の発達を促す」とか、「口を育てる」とか、まるで身体を切り刻むかのような印象を受けます。
大人ならまだしも、子どもってそんなターゲットにした部分だけ育つことってありますか。
神経はさまざまなところと繋がっているのですから、育つなら全体が育っていくはずです。
この頃よく見かけるのが、特定の身体の部位、特定の動きだけやたらうまい子です。
「土台となる発達から育てていく」という視点が抜けているのもあるでしょう。
これに関連して、アプローチを効果的にするための前提となる発達が抜けていたり、アプローチを行うために必要な発達や能力が抜けていたりすることもあります。


アプローチを選択する親御さん側の原因としては、専門家、先生から指導された通りに実施しているという点が挙げられます。
もちろん、その指導、指示があった時点ではその子に適しているやり方だと思いますが、子どもの変化、成長は著しいので、アプローチの仕方を子どもの状態に合わせて変えていく必要があります。
日々、微調整が必要なのです。
この点が抜けている場合があります。


また専門家としてはずっと、できるだけ長く利用してほしい。
でも、子ども側のゴールは支援からの卒業であり、発達課題の卒業(完了)です。
つまり、親御さんはやめ時を見極める必要があります。
ここに苦労されているご家庭は多く、どうしても一度始めたものを切ることができません。
「やめて悪くなったらどうしよう」「もう少しやったら、もっと伸びるかも」という想いがやめることを躊躇させてしまいます。
まあ、当然と言えば当然なのですが、子どもの脳(神経)の状態、育ち方の特徴から考えると、足し算よりも、引き算のほうが重要になります。
どれだけシンプルに、どれだけ本人の意識と意欲、探求心を満たす活動に絞っていけるか、そこを十分にやりきるだけの時間と環境を準備できるか、が発達援助のキモです。
脳に余白を作るためにも、受け取った刺激を脳内で処理し、整理する時間を設けるためにも、役割を終えたものはどんどん終えていくことが大事です。


あと「整える」と「刺激する」の区別ができていないケースもあります。
脳を育てるには酸素と栄養と刺激の3つが必要です。
発達に凸凹のある子の身体を整えることは大事ですが、心身を整えたあと、何を教えるか、親御さんとしてはどう育ってほしいか、という視点と、実際の子育てがなければ発達も、成長もありませんね。
整えるところで終わっているご家庭もみかけます。


専門家、支援者というのは、毎日、細かく子どものことをアセスメントしてくれるわけではありません。
ですから、子どもの発達や状態を観察するポイントを知り、家族が生活しながらアセスメントできるのがベストですね。
日々のアセスメントができていれば、おのずとアプローチの仕方を、子どもとの関わり方、子育ての仕方を柔軟に変化させていくことができるようにもなります。
私が訪問型の発達相談をしている目的、ゴールはここにあります。




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