【No.1521】それまでできていたことができなくなったとき
この前、相談があった家庭の子どもさんは、学校から帰ってきたらずっとゲームと動画視聴するとのこと。
でも、それだけなら「学校で頑張ってきたんだし」「我慢してきたこともあったろうし」と思うんだけど、片付けとか、身辺面のこととか、勉強とか、できていたことがどんどんできなくなっている、だから心配なんです、という相談でした。
みなさんは、どう考えるでしょうか。
結構、あるあるの話ではないでしょうか。
ゲームや動画を観るのが好きな自閉っ子は多く、それ自体は否定するような話ではないと思います。
でも、「できたことができなくなる」という状態は気になるところで、こういった状態から推測するに本当に好きでゲームをやっているのだろうか、という疑問が浮かびます。
好きなことに没頭できているのなら、脳はリフレッシュすることはあっても、退化することはないですよね。
発達障害を持つ子の脳は凸凹や遅れがあっても、常に「前進あるのみ」で脳が発達し続けることには変わりがありません。
「それまでできていたことができなくなる」
ということは、“その頃”と“今”に違いが生じている可能性が高い。
その違いはなんだろなと確認してみたらわかりましたよ。
時々、突拍子もないことを言ったり、うまく友達と関係が築けなかったり。
それでもまじめに普通級で頑張って勉強していました。
その姿を見て、担任の先生が2学期から役割を任せてくれるようになったんですって。
で、学芸会でも大きな役割が与えられて…。
まあ、これを「プレッシャー」「ストレス」とひと言でいってもいいんだけど、もうちょっと説明すると、情報や刺激が増えたことに対する防御策でゲームに没頭、という感じです。
それまで大きく変わることなかった学校生活において、急にやること、求められることが増え、脳内に過剰な情報と刺激が流入してきたのでしょう。
そこへの対抗手段としてゲームの世界に没頭することで、これ以上、いろんな刺激が入ってこないようにした。
いろんなポイントがあったけど、ゲームをやっているとき、全然楽しそうじゃないのが大きかったですね。
きっとこの子なりの工夫だったんだと思った。
学校の先生は期待を込めて、いろんな役割を任せてくれたんだと思ったし、きっとこの子なら乗り越えられる、成長に繋がるという考えが親御さんと一致したから、「家の中で工夫しましょうね」って話をしました。
本人の工夫にプラスして、親御さんの工夫です。
刺激が増えないように、刺激を脳内でゆっくり整理できるような援助。
その援助を始めてからゲームの時間自体は少し減ったくらいでしたが、できなくなっていたことがまたできるようになったとメールをもらいました。
「〇〇ちゃんにとって、〇〇ちゃんの脳にとって、以前のできていた頃のような心地よい刺激、情報の量と質になったのかもしれませんね」とお返事しました。
できていたことができなくなると、焦ったり、よからぬことを想像したりするのは自然なことだと思います。
しかし、そんなとき、思い出してほしいのが今日の話です。
こういった悩みは珍しくなくて、過去にも幾度となく相談を受けました。
「自閉っ子の脳は常に発達、成長しようと前に進んでいる」
「できていたことができなくなるというのは、その子の脳が過剰な刺激と情報によって防御態勢に入ったのかもしれない」
です。
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