【No.1454】ヒトの枠組みに戻すと見えてくる

人間、亡くなるとき、最後まで残る感覚は聴覚と言われています。
「ひとは音を聞くことから始まり、最期に音を聞いて終わる」
そんな耳は、魚が水中で音(振動)を聞くために使っていた鰓から進化したもの。
とすれば、ひとは「振動に始まり、振動に終わる」といえるのかもしれません。
水中(羊水)の振動と、空気の振動です。


お風呂につかるのではなく、もぐる自閉っ子。
プールで泳ぐのではなく、水中でじっとしている自閉っ子。
耳を手で塞いで、自ら発する音を聴く自閉っ子。
一定の動き、小刻みな動きを自ら作り出す自閉っ子。
彼らの行動は進化との向き合いと、自らの発達を育て直す退行。
自閉症を特別支援の枠で捉えると見えないものが、ヒトの枠組みに戻すと見えてくる。


同じ感覚の話でいえば、優先順がもっとも高いのが視覚で、次は聴覚。
そして触覚、嗅覚、味覚の順番になっています。
つまり、上位の感覚が強いとき、下位の感覚が乏しくなる、ということ。
スマホをいじりながら食事をしているサラリーマンは、ほとんど味がしていない。
(音がうるさい)飛行機の機内食はどんな料理も美味しく感じない。
香水が強い人と食事をしてもおいしく感じない。
とにかく味覚には邪魔が入る。


味覚以外でも、スマホ画面に集中している子どもは、言葉は耳に入らないし、ママに優しく触れられても気が付かない。
視覚に極端に偏った発達、脳の歪み。
視覚以外の感覚全般の遅れ。
色鮮やかな動画、止まることのないBGMはその他の感覚を意識に上らせない。
意識できない感覚を育てようとするのは難しい。


ヒトの育ち、原理原則から発達援助を考えると、味覚を育てたければ明るすぎない環境、静かな環境、ゆったりとした服、人工的なにおいを遠ざけることが必要なのかもしれない。
下位感覚を育てるには上位感覚のコントロール、刺激の調整が必要。
逆に言えば、上位感覚が育てば、下位感覚の異常、問題が解決する。
触覚過敏を治したければ、聴覚に解決の糸口があるかもしれない。
聴覚が育った子が「触覚過敏が治った!」と喜ぶことも少なくありませんね。




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