「藤家寛子の就活記」(花風社)を読んで

26日に花風社さんから2冊の本が同時に出版されました。
著者は藤家寛子さん。
今まで歩んできた道をご自身で振り返りながら『藤家寛子の闘病記』『藤家寛子の就活記』という形で、今を生きる私達にメッセージを送ってくださっていました。


2冊同時出版でしたが、私は迷うことなく、「就活記」の方から読み始めました。
それは『30歳からの社会人デビュー』の先を教えてもらいたかったからです。
この本を読んだとき、私は「これは希望の本だ」と感動したことを覚えています。
藤家さんのブログ等で、この本が出版された以降のご活躍も存じ上げていたので、今のお仕事に就き、また働き続ける中で、どのようなことを感じ、考え、どう振り返られるのかを教えていただきたかったのが、その理由でした。


本の中でも、6年間勤めあげたことによる『自信』という文字が記されていました。
でも、その自信がその『自信』という文字以外、文章全体にも表れていたように感じました。
『30歳からの社会人デビュー』を読んで、希望を感じ、心を動かされたのは先ほど述べた通りです。
そして今回の「就活記」には、その希望にあふれるメッセージに自信がプラスされたと言いますか、私には自信から確信をもってメッセージを書かれたのでは、と感じました。
それだけご自身で語られているように、この6年間がとても大きいものだったと感じたのです。


私は「就活記」を読み進める中、「自信からの確信」という文字が浮かんできて、そういった視点になっていました。
よく「自信をつけさせることが大事」「自尊心を大切に」などと言われます。
しかし、「就活記」を読んでいる自分には、どれも薄っぺらい言葉にしか思えませんでした。
自信は与えられるものでもないし、自尊心はお膳立てされて得るものでもない。
自分自身で掴みとるもの。
そういった力強いメッセージが藤家さんの言葉から伝わってきました。


私は別に偉そうなことを言うわけでは決してありませんが、この6年間が藤家さんにとって、またこれからの人生において本当に大きなものになるような感じがしました。
社会の中で得られるものの大きさ、他人のために自分の力が活かせることの大きさ、そして自信を得ることがどれほど本人にとって大きなことか。
私は支援者という立場ですので、やはりその3つの手前までが自分の仕事であり、その3つを後押しすることが役割だと改めて思いました。


藤家さんが行ってきた試行錯誤、主体性のある行動とその結果は、すべて今のご自身とつながり、糧となっていると感じます。
『最後に』という章で書かれていたメッセージにエネルギーを感じ、心に直接的に届けられるような感じがしました。
藤家さんの今までの歩みから教わることは多いはずです。
でも、特別なことを言っているわけではありません。
最後に…今子育て中の親御さん、幼い子を持つ親御さんのそばに、この本があり、読むことができるということがどれほど素晴らしいことかと思いました。


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