直接かかわるスタッフも「限界です」と堂々と言えば良い

「みなさん、もう限界なんじゃないですか?」
スタッフの方達は、この言葉を待っていたのかもしれません。
そのあと、堰を切ったように自分たちがどのような怖い想いをして勤務しているのか、いっそのこと退所してくれたらと思う、という本心を語ってくれました。

そりゃあ、怖いですよ、自分たちに向かってくる人は。
特に夜間帯は、1人勤務。
他にも入居者さんがいるのに、その人が問題を起こしたら…。
実際に、度々問題を起こすので、宿直者は一晩じゅう緊張しっぱなし。
スタッフの方達は、かなりのストレスだったと思います。

福祉に携わる人間だって、一般の人と同じような感情を持ちます、敢えて言うことではありませんが。
それなのに、そういった感情を表に出すことができなかった。
最初に、相談したところが悪かったのです。
「障害を持った人達は、つらい想いを沢山してきました。だから、まず受け止めましょう」と、成人の生活支援系。
そして次は、「自閉症とは。構造化とは。問題行動が起きるのは、支援が至らないのです」と、発達支援系。
う~ん、選択ミス。
問題が治らないのは、「まだ心に寄り添っていないからだ」と言われ、「またきちんと構造化できていないからだ」と言われ…。
違う畑から来たスタッフは、福祉の中でも発達障害の人たちの支援を中心にしてこなかったスタッフは、「そうかな。自分たちが至らないからだ」と思えてくる。
で、だんだん本音に蓋が覆いかぶさってくる。

自分たちに経験や実績、自信がない人達は、「専門機関」という文字に弱いですね。
確かに自分より知識は持っているかもしれない。
でも、彼らの視界に映るのは、障害を持った人だけです。
直接かかわる現場のスタッフのことなんか考えていないのです。
だって、スタッフの本音を語らせないから。

いつも彼らの主張には矛盾を感じますね。
「障害を持った人の気持ちを受け入れましょう」と言うのなら、直接かかわるスタッフの気持ちも受け入れろって。
当事者の人が「限界」って言ったら、無理させないくせに(ブ)
「支援が至らない」と言うのなら、自分たち押しの支援方法ではなくて、別の支援方法を教えてくれって。
なになにライセンス、家元争いの関係があるって…知ったことかっ!(ブ)
彼らが望む社会というのが、誰かの我慢、犠牲の元に成り立つのだったら、私は全力で阻止します。

グループホームや児童デイ、通所施設など、いろんなところに伺う機会がありますが、こういった話は珍しくはありませんね。
どこにいっても、顔に「限界」という文字が書かれています。
ですから、私はスタッフの顔に書かれている文字を読み上げることから始めます。
福祉に携わる人間は、神様でも、下僕でもありません。
人が人を支援する仕事が福祉だと思います。
そういった当たり前の関係性が認識できたあとに、本当の支援、自分たちができる支援が見えてくるのではないでしょうか。

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