脳の声を聴こう

10月の発達援助イベントに参加してから、脳についてもう一度、勉強し直しています。
そして、
「脳のどの部分に不具合があるのか(鍛える弱み)」
「反対に脳の不具合の部分を補っている部分はどこか(活かす強み)」
「その不具合の部分をどう発達させるのか」
という視点を大事にしながら、以前よりも日頃の仕事を行うようになっています。

ある男の子は、常に自分の視点のみで行動していたため、他人に不利益を与えてしまうことが多々ありました。
そして、当然叱られますが、何故、いけないのかがわからなかったのです。
そこで、他者の視点を想像する脳の部分に不具合があるのだと仮定し、アセスメントを行いました。
でも、他人の視点を想像することができないわけではなかったのです。
つまり、他者の視点を想像する脳の箇所に不具合があるわけではない。
ということは、自分の視点と他者の視点の行き来がうまくいっていない。
自分の視点をもとに想像する脳の箇所に優位性があり、かつ他者の視点をもとに想像する脳の箇所とのつながりが弱い。
定型発達の人なら自然に、意識せず、一瞬で自分の視点と他者の視点を入れ替えられるのですが、そこを敢えてマニュアル的に「自分の視点」「他者の視点」を入れ替える学習をし、情報伝達を意図的に交流させました。
この男の子の場合、情報の交流が脳を発達させると判断したのです。

また、ある女の子は、国語でも、算数でも、文章問題が苦手。
漢字や計算などは、バッチリなのに。
そこで、彼女は文字として、文字のまま捉えているから、文章問題になると勘違いや間違いが多くなるのだと仮説を立てました。
私の見立ては合っていたようで、文章問題も計算問題のようにやっていたのでした。
普通、文章問題を読んでいるとき、頭の中にイメージが湧きますね。
「太郎さんが飴を3個持っていました」とあれば、頭の中に太郎さんと3つの飴のイメージが自然と浮かびます。
でも、その子はそのイメージが浮かんでいませんでした。
ですから、その子の趣味は絵を描くことで、マンガを描くことでしたので、文章問題が出てきたら、絵を描いてから解くようにしました。
私たちが頭の中でやっていることを実際に絵を描くことで行ったのです。
そうすると、あれだけ苦手だった文章問題がきちんとできるようになったのです。
つまり、文字とか、計算の部分だけではなく、イメージする脳の部分も意図的に使うようにしたのです。
こうやってイメージ脳も動員することを脳が覚えれば、自然と絵を描かずとも、文章問題ができるようになると思います。

直接、脳を見ることはできないので、脳の特徴を行動から読み解く技術の向上が、今後の私の課題です。
その人の発達すべき脳の箇所が見えるようになれば、それを本人、家族に伝えることができます。
私が週に1回伺ってセッションを行ったとしても、脳の変化は起きません。
脳は刺激を与え続けることが大切ですので、日々の生活に活かせてもらえるようなセッションができれば、理想的だと思います。
そのためにも、私が勉強しなければなりません。
お正月休みは、集中して脳の本を読んで、しっかり勉強したいと思います。
今まで学んできた自閉症療育に、脳科学の武器もプラスできるよう頑張ります!
「ここを発達させて」という脳の声が聞こえるようになるのが、目標です(*´▽`*)

冬休みの課題図書♪

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