「注射、痛くないよ」と言ったら、嘘つきになりますよ(笑)

インフルエンザの予防接種を受けてきました。
やっぱり痛いですね。
いくつになっても注射は嫌なもんですね。

施設で働いていたとき、子どもたちの注射の付き添いは大変でした。
みんなり痛いことはわかっているから、診察室に入るだけで嫌がります。
泣き叫ぶ子、逃げようとする子がたくさんいました。
こんなとき、「痛くないから大丈夫」と気を紛らわすような言葉を掛けたくなりますが、私は敢えて「注射は痛いよ」と伝えるようにしていました。
だって、注射は痛いもん!

自閉症の人に「痛くないよ」と言ったら、終わったあと「嘘つき」と言われても仕方がありません。
私が「気を紛らわせるために言った」なんて、子どもたちは説明しないとわからないと思います。
ただ「嘘をつかれた」というマイナスな感情しか残らない可能性が高いです。
好意で言ったつもりでも、すぐに悪者扱いされます(涙)
だったら始めから「痛い」という事実を伝えます。

でも、「痛い」だけのメッセージを伝えるだけではなく、「終わり」も伝えるようにします。
どんな注射でも3秒くらいで終わります。
自閉症の人は先が見えない不安を感じることがあります。
この注射の場合ですと、「いつまでこの痛いことが続くのか」が分からず、不安に思っている部分も大きいと思います。
ですから、「1・2・3」とカウントを数えたり、視覚的に伝えたりすることで、注射の終わりを伝えます。
終わりが分かることで、不安の軽減につながります。

注射をすると痛いので、「痛い」という事実はきちんと伝えます。
(中には「痛くない」と教わったのに、自分は痛いと感じたので、自分はおかしい、または病気じゃないかと真剣に悩む人もいました)
また痛かったとしても、必ず終わりがあることを伝えます。
「終わりが見えるから、頑張れる」というのは、私たちも一緒です。
注射が苦手なお子さんがいましたら、参考にしていただければと思います。

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