質問攻めの我が子に「"人間"ってテキトー」を教える

こんなことを書いたら、お叱りを受けるかもしれません。
「人間ってテキトーなんだよ」って自閉症の人たちに教えることも大切かなと思っています。

よくお母さんに質問しまくる自閉症の子どもの話を聞きます。
最初、お母さんは真剣に答えるのですが、途中から疲れたり、他の用事があったりすると、だんだんテキトーな返事になったりします。
すると、子どもはこういうときの察しは良く、すぐにお母さんがテキトーになっていることに気が付きます。
「お母さんは真面目に答えていない!」
「お母さんは話をすぐに忘れてしまう!!」
「お母さんはわからないことが多すぎる!!!」
などと、文句を言ったり、怒ったりします。

でも、私はこのような経験も大切なのではないか、と考えています。
自閉症の人たちは、"相手の立場にたって物事を考える"といった想像することが苦手なため、自分基準で物事を考えてしまう傾向があります。
また、他人とのやり取りに関しても、パターンを作り、それに当てはめようと傾向もあります。
ですから、上記のような場合、お母さんはいつでも話を聞いてくれて、自分の疑問を解決してくれると、子どもの方は思っているのでしょう。
しかしだからと言って、子どもの要求にすべて応えていては、お母さんの方がダウンしてしまいます。
またお母さんがすべての要求に応えられたとしても、現実社会ではすべての要求に応えてくれる人はほとんどいません。
ですから、お母さんは肩の力を抜いて、「人間ってテキトーなんだよ」って教えてあげれば良いのだと思います。

ある自閉症の方が、子どものときからずっと親との関係が良くなかったが、「親も人間なんだ。ダメなところもある完璧な人間ではない」と自分が気が付いてから、徐々に良い関係を築けるようになった、というお話を聞きました。
私たちが成長する過程の中で気が付いていく人間の本性というべき部分も、自閉症の人たちは教わらないとわからないのだと思いました。

「お母さんは真面目に答えていない」と言われたら、「お母さんは子どものときから不真面目で評判でした」
「お母さんは話をすぐに忘れてしまう」と言われたら、「そろそろ物忘れが始まったかな」
「お母さんはわからないことが多すぎる」と言われたら、「その話に興味がないからね~」
などと、切り替えしてみてはいかがでしょうか?
これを続けていくと、子どもは「人間ってテキトーなんだ」と気が付きますし、不確かな情報しかくれないお母さんよりも、確実な情報を視覚的に教えてくれるネットや本で調べるようになると思いますよ(笑)

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