お互いがんばるべ!

自閉症支援において、「絶対受容」も、「全否定」もない。
お互いの妥協点を見つけていくことが基本だと考えている。

「どうやって生きていけば良いの?」という疑問に、絶対受容は答えてはくれない。
一生、一人で生きていけるのなら、絶対受容でも構わないかもしれないが、現実は一人で生きていくことはできない。

絶対受容だと、自閉症の人たちは"こだわり"と"反復"の世界から出られなくなる。
このような世界の中にいればいるほど、この世界に応じた脳になり、変化をますます受け入れられなくなる。

「どうやって生きていけば良いの?」という疑問に、全否定も答えてはくれない。
やってはいけないことを教わったからといって、反対のどうすれば良いのかを想像することは自閉症の人たちの苦手なこと。
望ましい行動や考え方を具体的に教わることが、自閉症の人たちに合った学び方。

"否定"は、即自己否定につながってしまう危険性がある。
これもまた自閉症の特性に関連すること。
なぜ、相手は否定したのか、その意図をくみ取ることが苦手。
言葉に強く注目してしまい、その他の状況や関連した情報に注目することが苦手。

定型発達も、自閉症者も、お互いに努力していくことが大切。
それが"共に生きる"ってこと。
「自閉症だから許してね」の世界も、「定型発達に合わせろよ」の世界もない。
あるのは、お互いの長所を活かし合う世界だと思う。

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