2021年4月16日金曜日

【No.1159】改めて『原始反射』について

2年前くらいからだったと思いますが、産婦人科、小児科、乳幼児健診に関わる本や情報を集め、勉強していました。
たぶん、その勉強の量が一定に達したのでしょう。
今年に入ってからは未診断の子ども達だけではなく、1歳代の子ども達の発達相談が続けてくるようになりました。
個人事業ながらも、事業を起こしてから経営や経営者その人に注目し学び始めると、「適当な人のところに仕事はやってくる」というように感じます。
先ほども、1歳代のお子さんのご家族から依頼がありましたので、これからも当分、続きそうです。


この頃、続いていることと言えば、「原始反射」に関する相談が増えています。
栄養療法が落ちついたように感じていたので、また原始反射のブームがやってきたか、それに関する支援者・療法が生まれたのか、などと思うのでした。


「我が子に原始反射がある、ゆえに原始反射を統合するエクササイズをすれば、今の課題が解決できる」と思うのは自由ですが、あまりにも浅はかな考えだと思います。
それは「自閉症は視覚優位だから視覚支援していればOK」と同質です。
問題の本質が見えていないと言えるでしょう。
もっとも大事なのは、「なぜ、原始反射が残っているか?」です。


原始反射は胎児期から生後1年くらいに出現し、消失するものです。
じゃあ、なぜ、ヒトは原始反射が必要なのかといえば、未成熟で生まれてくる胎児、乳児が生き延びるため。
そもそも大脳、中枢神経が育つまでの、端的に言えば意識して運動ができるようになるまでの反射なのです。
(大脳を介さず)脊髄や脳幹に伝わり、無意識に筋肉などが動きます。


ということは、単にその動きだけに注目し、アプローチしてもダメ。
もちろん、ある程度、大きくなってからは、その動きだけを取り上げ、繰り返し、統合を目指すことは有効だといえますが、特に就学前の子ども達でいえば、そこじゃないし、そもそもその年代の子ども達にエクササイズをさせようというのが、(定型・ヒトの)発達を理解していない証拠。


結局、認知の部分、人間脳の部分が育っていないから、原始反射が残っているのです。
あとは、中枢神経の繋がりが悪くて、認知と運動が途切れてしまっているから別々に運動しちゃっている。
つまり、原始反射のみに注目していても課題は解決できず、やはり全体的な発達を目指すことが中心なのです。
「発達のヌケを育て直す」
「発達の遅れ、未発達を育てる」
発達のヌケが埋まり、人間脳、認知の部分まで育っていけば、意識して身体を動かせるようになるのです。
認知の部分が育っていない子に、いくら統合のエクササイズをしても、それは特定の運動のパターン学習にしかなりません。


「口周辺に何かが当たると、自然とそちらの方を向いてしまう」というのは、そのものが何であるか、を認識できるだけの感覚、脳が育っていないのです。
突然の刺激に身体が勝手にびっくりするのも、予測、周囲の状況判断、適切な刺激の受け取り方が育っていないから。
刺激によって身体がクネクネしちゃうのは、運動発達のヌケ、背骨&背面の未発達。


このように背景にはいろいろなヌケと未発達がありますので、やはり全体的な発達を目指していくことが大事です。
どうしても「〇〇エクササイズ」みたいなのには魅力がありますが、発達って1対1対応にはなっていません。
親御さんはよく「気が付いたら育っていた」「治っていた」「解決していた」とおっしゃいますが、それが自然な発達の姿です。
神経ネットワークというように神経は無数につながっていますので、ある特定の機能、神経をとりだして育てようとするのは無理な話。
特に原始反射を卒業するには、意識のレベルを育てる必要があり、そこに到達するためには原始的な脳の部分、つまり土台から育てていかなければなりませんね。




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